Macのマルウェアを完全駆除する方法|検出から削除まで徹底ガイド
長らく、Macユーザーはウイルスやマルウェアをそれほど心配しなくて済むと言われてきました。その最大の理由の一つが、Appleが自社デバイス上で実行できるプログラムを制御するために開発した「Gatekeeper」というソフトウェアです。
さらに「XProtect」というソフトウェアもあり、Macのバックグラウンドで常時稼働し、マルウェアをスキャンし続けています。Appleがマルウェアなどの悪意あるプログラムの定義リストを常に最新の状態に保っているため、非常に高い効果を発揮しています。
かつてウイルスやマルウェアの被害が少なかったことは、Macが人気を集め、ステータスシンボルとなった理由の一つです。しかし今では、Macの人気こそが新種のマルウェアが日々開発される一因となっています。独立系セキュリティ機関AVTestによると、2020年にはmacOSを標的とするマルウェアが67万件確認されました。これは月に5万6,000件以上に相当します。さらに、ポップアップ広告も4万8,000件確認されています。
幸いなことに、2021年に入るとこの数字は大幅に低下しています。11月までの1年間で発見されたマルウェアは1万7,210件、月にすると1,434件にとどまりました。これは、セキュリティパッチの提供、クリーナーソフトウェアの普及、そしてユーザーの脅威に対する意識の向上などが要因と考えられます。
とはいえ、網の目を抜けてしまうこともあり、Macにマルウェアが感染してしまう可能性は依然としてあります。もし感染してしまった場合は、以下の手順に従って削除を行いましょう。
Macでマルウェアを検出する方法
マルウェアは必ずしもすぐに気づけるものではありませんが、注意すべき危険信号はいくつかあります。Macに以下のような動作が見られた場合は要注意です。
- Macの動作が異常に遅い
- 負荷の高い作業をしていないのに本体が熱くなる
- Macが頻繁にフリーズしたり、アプリが突然クラッシュしたりする
- 普段とは違う挙動をする
心配になったら、Macに内蔵されている「アクティビティモニタ」を使って調査してみましょう。Spotlightで検索して起動します。アクティビティモニタを開くと、Macで処理能力を使用しているすべてのプログラムやプロセスの一覧が表示されます。見覚えのないプロセスが大量のリソースを消費していたら、マルウェアが存在しているサインかもしれません。
ワンポイントアドバイス: マルウェアを疑う場合でも、正体を確かめる前にプロセスを削除するのは賢明ではありません。正規のプログラムでも、プロセス名だけでは何のソフトかわかりにくいことがあります。まずはインターネットで情報を検索してから判断しましょう。
Macからマルウェアを削除する方法
セーフモードで起動する
マルウェアの削除作業を始める前に、以下の手順を実行してください。
- Macをインターネットから切断し、マルウェアとウイルスの痕跡がすべて除去されるまで切断したままにします。画面右上のWi-Fiアイコンをクリックしてオフに切り替えます。これを怠ると、マルウェアがサーバーに再接続し、再感染する恐れがあります。
- Macをセーフモードで起動します。マルウェアの厄介な点は、一部の種類が起動時に読み込まれるため、実行を止められないことです。セーフモードではMacの起動に必要な最低限のファイルのみが読み込まれるため、マルウェアの自動実行を防げます。
Intel搭載Macの場合
- Macを再起動または電源オンします
- 電源が入ったらすぐにShiftキーを押し続けます
- ログイン画面が表示されるまでShiftキーを押し続けます
- 通常どおりログインすると、画面右上に「セーフブート」と表示されます
M1 Macの場合
- Macを完全にシャットダウンします
- 電源ボタンを押して押し続けます
- 起動オプションのウィンドウが表示されたら、電源ボタンを離します
- 起動したいディスクを選択し、Shiftキーを押し続けます
- 「セーフモードで続ける」オプションが表示されるので、クリックしてShiftキーを離します
- 通常どおりログインすると、Macがセーフモードで起動します
Macの挙動がおかしかったのに、セーフモードで起動すると正常に戻るようであれば、マルウェアに感染しているか、別のソフトウェアの問題を抱えている可能性があります。
最も簡単な確認方法は、市販のマルウェアスキャンソフトを使うことです。BitDefender、MacKeeper、Sophos、Malwarebytesなど、セキュリティソフト市場の老舗各社はマルウェア対策機能を備えています。
これらの手順で解決しない場合は、マルウェア除去ソフトを使ってMacを完全にクリーンアップするのがおすすめです。ここでは例として「Malwarebytes for Mac」を使用します。
- ソフトウェアをインストールしたら、「開始(Get Started)」ボタンをクリックします
- 個人用か業務用のコンピュータかを選択します
- アプリ画面中央の「スキャン」ボタンをクリックします
- スキャンには5〜20分程度かかる場合があります。完了すると、感染している項目の一覧が表示されます
- 「隔離」ボタンをクリックして削除します
- 指示があればMacを再起動します
プロファイルを確認する
以前は、企業環境でネットワーク管理者がMacに何をインストールできるかを制御するためにプロファイルを使うのが一般的でした。しかし現在では、マルウェアがプロファイルを汚染し、自分自身を削除されないようにするケースがあります。プロファイルを確認するには、以下の手順に従ってください。
- 画面左上のAppleロゴをクリックし、「システム環境設定」を選択します

- 右上の検索バーで「プロファイル」を検索します。このオプションが見つからなければ、プロファイルは存在しないため、以降の手順は不要です。表示された場合は「プロファイル」アイコンをクリックします

- 左側のボックスに見覚えのないプロファイルがある場合は選択し、下部のマイナスボタンをクリックして削除します
不審なアプリケーションを削除する
Appleデバイス向けのマルウェアとして特定されたプログラムのリストをチェックしておくとよいでしょう。Googleで簡単に検索できます。
- Finderウィンドウを開き、左側のツールバーから「アプリケーション」を選択します

- アプリケーションを確認し、ダウンロードしたマルウェアリストに載っているアプリや、見覚えのないアプリがないか探します
- 削除したいアプリケーションを右クリックし、「ゴミ箱へ移動」を選択します
- ゴミ箱を右クリックし、「ゴミ箱を空にする」を選択してファイルを完全に削除します

これで基本ファイルは削除できますが、断片が残る場合があります。この方法でアプリを削除した後は、クリーナーソフトをダウンロードして残りのファイルを消しておくと安心です。
SafariとChromeからマルウェアを削除する方法
残念ながら、マルウェアはブラウザを乗っ取り、広告を強制表示させたり、ホームページを変更したり、最も懸念されるのはオンラインでの行動を記録して個人情報を盗んだりすることです。ブラウザがハッキングされた疑いがある場合は、以下の手順に従ってください。
Safariからマルウェアを削除する方法
- 画面上部のSafariメニューから「環境設定」を選択します

- まず「一般」タブでホームページを確認します。マルウェアによって変更されている可能性があるため、見覚えのないサイトが設定されていたら、信頼できる安全なサイトに変更しましょう
- 「拡張機能」ボタンをクリックします

- ブラウザで動作しているすべての拡張機能の一覧が表示されます。見覚えのないものがないか確認し、先ほどダウンロードしたマルウェアリストと照らし合わせましょう
- マルウェアと思われる拡張機能を見つけたら、選択してマイナスボタンをクリックして削除します
- 最後に「検索」タブを開き、信頼できる検索エンジンが設定されていることを確認します
- 変更を反映させるため、Macを再起動します
Google Chromeからマルウェアを削除する方法
Chromeでも拡張機能の削除やホームページのリセットは手動で可能ですが、「初期設定に戻す」オプションを使う方が簡単です。
- 画面右上の三点リーダーをクリックしてChromeメニューを開きます
- リストから「設定」を選択します

- 表示されたタブの下部にある「詳細設定」ボタンをクリックします
- 「詳細設定」タブの中ほどに「設定をリセット」というオプションがあります

- 「元の既定値に戻す」オプションをクリックします
- 「リセット」ボタンをクリックして確定します

どうしてもマルウェアを駆除できない場合
あらゆる手段を試してもマルウェアを除去できない場合は、Macを出荷時の状態に復元するしかないかもしれません。工場出荷状態への復元では、Macにプリインストールされていたファイルのみがインストールされるため、すべてのマルウェアが確実に削除されます。
通常、Macのソフトウェアに問題がある場合はTime Machineバックアップからの復元が有効ですが、マルウェアにいつ感染したのか正確にはわからないことがあります。Time Machineバックアップを復元すると、マルウェアごと復元してしまうリスクがあります。だからこそ、重要なファイルはiCloudにもバックアップしておくことが大切なのです。
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