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機械学習でIoTセキュリティはここまで強化できる

一般の認識とは異なり、市場に出回っているIoTデバイスの多くは、最良の暗号化方式やセキュリティプロトコルを採用しておらず、セキュリティ脅威への耐性が十分とは言えません。さらに、そもそも高度なセキュリティを前提に設計されていないため、自力でアップデートすることすらできない製品も少なくありません。

世界的な普及率が高いにもかかわらず、世界のIoTデバイスの85%以上が安全ではないというのは周知の事実です。率直に言えば、IoTはデバイスのセキュリティや信頼性を高められる企業向けの分野に向いています。しかし消費者向け市場では、手頃な価格がセキュリティよりも優先されるため、メーカー任せにするのは危険です。こうした状況では、今後登場する多くのIoTデバイスが、ボットネットなどの攻撃に今以上にさらされやすくなるでしょう。幸いにも、データ分析と機械学習を活用すれば、この問題は解決できます。

現在、機械学習はIoTが生成するデータを分析し、ユーザー体験や効率を向上させるために使われています。同じ技術は、利用パターンやデバイスの挙動を分析することで、IoTセキュリティ対策の強化にも応用できます。これにより、異常なアクティビティや潜在的な脅威をブロックできるのです。そして嬉しいことに、技術者たちは現在、最も脆弱な領域である家庭内のIoTセキュリティ改善に注力し始めています。

クラウドによるインテリジェンスの一元化

研究者たちは現在、IoT製品のあらゆるエンドポイントからデータを収集し、クラウドサーバー上に集約する取り組みを進めています。これにより、入力データを分析して悪意ある挙動を検出できるようになります。また、どのサーバーやデバイスがIoTデバイスと通信しているかを把握できるため、異常な挙動を発見しやすくなります。不審なパケット、偽装されたURL、悪意のあるダウンロードなどもチェック可能です。

機械学習と人間の知見を組み合わせたアプローチ

機械学習は、IoTデバイスを守る「拡張インテリジェンス(Augmented Intelligence)」の開発にも役立ちます。パターン認識と機械学習だけに依存したセキュリティシステムは、既存の接続、つまりすでにつながっているデバイスやネットワークからしか情報を集められず、外部からのものはすべて脅威とみなしてしまいます。その結果、頻繁に誤検知を起こしがちです。これを軽減する最善の方法が、人間の知性と機械学習を組み合わせた拡張インテリジェンスの導入です。

人間の知性なら、無害なアクティビティと悪意あるアクティビティを容易に見分けられます。さらに、人間からのフィードバックをモデルに反映させれば、将来的に同様の誤検知を防げます。こうしてモデルは脅威検出の精度を高め、結果的に誤報を減らしていきます。

IoTの動作特性を活かした防御

幸いなことに、IoTデバイスは限られた範囲の機能のみを実行するように設計されています。そのため、人間の知性と機械学習を適切に組み合わせれば、悪意ある挙動を容易に検出・阻止できます。

このモデルは、家庭内ネットワークに簡単に設置できる小型デバイス、ユーザーがデバイスを管理できるモバイルアプリ、機械学習アルゴリズムによって統合データを保存・分析するクラウドサービスの3要素で構成されます。デバイスや顧客から情報を収集するほど、モデルの精度は時間とともに向上していきます。

最後に強調したいのは、機械学習だけでは完全な解決策にはならないという点です。攻撃を確実に食い止めるには、人間の知性との組み合わせが不可欠です。

  1. IoTが生み出す“明日のボットネット”――監視カメラによるDDoS攻撃の実態と対策

    ボットネットという概念は、多くの人々がIRCを使ってWeb上で会話していた時代に誕生しました。ウイルスに感染した何千台ものコンピュータがサーバーの入り口に大量のリクエストを送りつけ、サーバーは処理しきれなくなり、やがてクラッシュへと追い込まれます。実際、かつてのDDoS攻撃の多く(おそらく大多数)はこの手法で実行されてきました。今日でもハッカーの多くは「多数のデバイスに感染させ、一斉に攻撃させる」という基本的方法論の変形を使い続けています。PCとともに長い歴史を持つボットネットですが、その現代版は防犯カメラ(CCTV)、洗濯機、高機能な家庭・業務用ルーターなどで構成されています。これらのデバイ

  2. 職場のデータセキュリティを強化する9つの重要対策

    テクノロジーとITセキュリティの分野に長年携わる中で、この絶えず進化する業界における最大の脅威の一つが「オンラインコンテンツのセキュリティ」であることに気づきました。組織のネットワークサーバーに保存された情報が破壊されたり、悪意のある第三者の手に渡ったりした事例は後を絶ちません。企業が身代金を要求されるランサム攻撃や、機密情報が従業員の手に渡り社内騒動に発展したケースなども報告されています。こうしたデータセキュリティの脅威を前に、コンピューターそのものを恐れる人も少なくありません。こうしたインシデントを防ぐために、職場のデータセキュリティを向上させるべき9つの重要なセキュリティ対策をご紹介しま