コンピュータワームとは?今なお危険な理由と感染防止の対策を解説
企業や政府機関へのサイバー攻撃のニュースは、毎週のように耳にします。しかし、実はこれらの攻撃自体は決して新しいものではありません。こうした攻撃の歴史は、インターネットそのものと同じくらい古いのです。
1988年の「モリスワーム(Morris Worm)」をはじめとする初期のコンピュータワームの時代から、これらの小さな寄生虫は世界中のコンピュータやネットワークに感染し続けてきました。では、コンピュータワームとは一体何なのでしょうか?そして、なぜ私たちは注意を払う必要があるのでしょうか?
コンピュータワームとは何か
コンピュータワームは、現実の寄生虫によく似ています。できるだけ多くのホスト(コンピュータ)上で自己複製を行いながら、寄生先のシステムには大きなダメージを与えずに生き延びるからです。
ハッカーは、ソフトウェアやOSの脆弱性を突いて、このワームをあなたのコンピュータへ送り込みます。多くの場合、メールやインスタントメッセージの添付ファイルとして届きます。ワームは単体で動作するソフトウェアやファイルであり、他のプログラムに寄生しなくても単独で被害をもたらす点が特徴です。
コンピュータワームの目的は、自分自身を複製し、そのコピーを別のコンピュータへ拡散することです。しかも、これは人間の操作なしに自動的に行われます。この「自動拡散」こそが、ワームを危険な存在にしているだけでなく、ハッカーにとって魅力的な攻撃手法にしている理由でもあります。
ワームは通常、「ペイロード(payload)」と呼ばれるコードを搭載しています。これは、コンピュータを他の攻撃に対して脆弱にするためのコード片です。ペイロードがなければ、ワームの寿命は比較的短くなります。というのも、ワームが活動を開始した時点で、侵入を許したシステムの弱点が明らかになり、修正されやすくなるからです。しかし、ペイロードを搭載・展開することで、ハッカーはシステムやネットワークへの新たな侵入経路を確保できるのです。
ワームは主にシステムの脆弱性を悪用します。だからこそ、更新されていないシステムが格好の標的となるのです。
過去に猛威を振るった最も破壊的なワームの中には、今も存在しているものがあります。ハッカーはそれらをベースに改良を加え、検出をより困難にしています。他のマルウェアと同様、ワームも絶えず進化しており、依然として警戒すべき脅威なのです。
ワームはパソコンを壊すのか?
もしワームに感染したら、何が起こるのでしょうか?まず知っておきたいのは、ワームはファイルを破損させたり、PCを起動不能にしたりするものではないという点です。その代わり、リソースやインターネット回線の帯域を食い潰すことで、コンピュータの動作を大幅に遅くします。
ただし、PCを直接壊さないからといって、無害だということにはなりません。これらの侵入者は、ファイルの改ざんや削除、データの窃取、バックドア(不正アクセス用の裏口)の設置などを行います。ペイロードを搭載している場合、追加の悪意あるソフトウェアを注入し、ハッカーがあなたのコンピュータやシステム設定を遠隔操作できるようにしてしまうこともあります。
もう一つの問題は、感染が急速に広がることです。実際、「SQL Slammer」はあまりにも速く拡散し、SQL Serverを使用する脆弱なサーバーに毎分数千台というペースで感染しました。これは史上最速クラスの拡散速度を持つワームですが、自己複製がどれほど迅速に行われ得るかを示す好例といえます。
コンピュータワームへの感染を防ぐには?
幸いなことに、現在ではソフトウェアやOSの更新が頻繁に行われるようになったため、かつてのようにワームが簡単に蔓延することは少なくなりました。しかし、それでもセキュリティ環境を最新の状態に保つことは不可欠です。以下に、ネットワークへのワーム侵入を防ぐためのポイントを紹介します。
- パーソナルファイアウォールを利用する: ファイアウォールがなければ、コンピュータはインターネットからの攻撃に完全に無防備です。特に公共Wi-Fiの利用時はリスクが高まります。
- メールやSNSのリンクを安易にクリックしない: 完全に信頼できる相手からのリンク以外はクリックしないようにしましょう。ハッカーは、悪意のあるファイルを本物そっくりに見せるプロです。
- 信頼できるアンチマルウェアを導入する: KasperskyやMalwarebytesなどの定評あるセキュリティソフトをインストールするか、Windows Defenderを有効にしましょう。
- オートラン機能を無効化する: インターネットからファイルをダウンロードする際は、Autorun(自動再生)をオフにしておきます。
- セキュリティパッチを適用する: OSベンダーが公開するパッチを必ず適用し、既知のワームやその他の脆弱性からシステムを守りましょう。
- OSとウイルス対策ソフトを常に最新に保つ: 更新の怠りは、攻撃者にとって最大のチャンスになります。
- Windows XPやWindows 7の使用をやめる: サポートが終了したOSを使い続けるのは非常に危険です。早めに新しい環境へ移行しましょう。
すでに感染していないか確認する方法
自分のコンピュータがすでにワームに感染していないか、日頃から兆候に目を配っておくことが大切です。感染時に現れやすい代表的な症状は以下の通りです。
- ファイルが突然消える、または内容が勝手に変更される
- 動作が極端に遅くなる(システム全体の場合も、特定アプリだけの場合もある)
- CPU使用率が突然急上昇する
- 説明のつかないHDD/SSDの使用量増加(ワームは複製を繰り返すため、ストレージ容量を消費していきます)
感染に早く気づけば気づくほど、早期に対処できます。感染状態が長引くほど、被害は拡大していくことを忘れないでください。
ワームは、ハッカーが使うマルウェアの中で最も恐れられている種類ではないかもしれませんが、間違いなく今も現役の脅威です。パソコンとネットワークにおけるセキュリティのベストプラクティスを実践していれば、ワームの侵入を防ぐことができます。ちなみに、「Antimalware Service Executable」というプロセスによってPCの動作が遅くなっている場合は、それはWindows Defenderがバックグラウンドで保護作業を行っているサインですので、そのまま実行を続けておくのがおすすめです。
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