WhatsApp・Signal・Telegramユーザーが今すぐ見直すべきセキュリティ設定まとめ
2021年1月、WhatsAppが新たなプライバシーポリシー変更を発表したことで、世界中のメッセージングアプリユーザーの間に大きな波紋が広がりました。Facebook(現Meta)とのデータ共有に反発した多くのユーザーが他アプリへの乗り換えを検討し、「Signal vs Telegram」という比較が数週間にわたって話題となりました。その後、WhatsAppはポリシーの適用延期を発表しましたが、依然として多くのユーザーが戸惑っています。
本記事では、WhatsApp・Signal・Telegramをめぐる論争について疑問にお答えしつつ、どのアプリを利用する場合でも必ず確認しておきたいセキュリティ設定をご紹介します。
騒動の発端とは?
世界の多くの人々にとって、WhatsAppは欠かせないコミュニケーションツールでした。ところが2021年1月第1週、特にアジア地域のユーザーに対し、プライバシーポリシー変更に関する通知が表示され始めたのです。この通知では、新しいポリシーに同意するか、2021年2月8日までにアカウントを削除するかを求められました。

収集・共有されるデータとは?
スマートフォン上のさまざまなデータが、WhatsAppによってアクセス・収集される可能性があります。代表的なものは、位置情報、IPアドレス、端末モデル、OS、ISP、ネットワーク種別、言語、タイムゾーンなどです。さらに、電話番号、参加グループ、プロフィール写真、ステータス、メッセージ、通話履歴、最終オンライン時間といったアプリ内データも対象となります。少し不安になりますよね。
人々が懸念する理由
懸念の声が上がる理由として、特に大きいものが以下の3点です。
- WhatsApp Pay(決済機能):送金機能が追加されたことで、「銀行情報まで収集されるのでは?」という不安が生じています。
- データ共有:通知にはInstagram、Oculus、Boomerang、Spark AR Studio、Messengerなど、Facebook傘下サービスとの連携が明記されていました。「使ってもいないサービスまでデータを渡す必要があるのか?」という疑問の声が挙がっています。
- セキュリティ:過去のデータ漏洩事件の影響で、Facebookの情報管理に対する信頼は揺らいでいます。
過去の主なデータ漏洩事例は以下の通りです。
- 2018年:Facebook–Cambridge Analyticaデータスキャンダル
- 2019年:Cultura ColectivaによるFacebookデータ流出
- 2019年:Instagramの暗号化されていないパスワードがオンライン上に露出
これらの経緯を受けて、「本当にFacebookにデータを預けて大丈夫なのか?」という根本的な疑問が浮上しています。
誤解されているポイント
Entrepreneur.comなどの専門メディアによれば、今回のポリシー更新はWhatsAppビジネスアカウントのみを対象としたもので、個人チャットには適用されないとのことです。WhatsAppはFacebook PixelやConversions APIといったビジネス向け製品を、ビジネス顧客に向けて展開したい狙いがあるようです。
ただし、通知文の2項目目と3項目目には「Business」「Company」という言葉が使われている一方、1項目目にはそのような商業的なニュアンスがないため、判断が難しいのが実情です。
この騒動で恩恵を受けたのは?
2021年1月第2週、ユーザーがいつものようにWhatsAppを開いたとき通知が表示されると、一気にパニックが拡散しました。人々は代替アプリを探し始め、最も多くのユーザーを獲得したのがSignalとTelegramの2つです。
Signal:寄付によって運営される非営利団体が開発するオープンソースアプリです。
Telegram:営利企業が運営し、無料版に加えて有料の上位プランを提供しています。
WhatsAppはポリシー適用を5月15日まで延期したため、当面は現状維持という選択肢もあります。
どれを信頼すればいいのか分からない…次に何をすべき?
迷っている方に向けて、結論をシンプルにお伝えします。どのアプリを使っても構いませんが、必ずセキュリティ設定を見直しましょう。
WhatsApp:5月15日以降の発表まで様子を見ながら利用可能です。
Signal:機能は少なめですが、暗号化チャットにより最高水準のプライバシーを実現します。
Telegram:大容量ファイル転送、ボット、使いやすいUIなど機能が豊富で、Facebookとは無関係です。
プライバシー保護のため各アプリで変更すべきセキュリティ設定
以下のヒントは、サイバーセキュリティ専門家Zak Doffman氏が共有したものです。すぐに実践することをおすすめします。家族や友人にもシェアし、CTRL + Dでこのページをブックマークしておくと便利です。
WhatsAppのセキュリティ設定
- 知らない差出人からの添付ファイルやリンクは絶対に開かない
- 受信画像のギャラリーへの自動保存を無効にする
- 二段階認証を有効にし、PINなしでの別デバイスログインを防止する
- クラウドバックアップを無効にする(Google/Appleクラウドへ転送された時点で、エンドツーエンド暗号化の保護対象外となるため)
- メッセージ本体は暗号化されていても、メタデータは暗号化されていない点に注意する
Telegramのセキュリティ設定
Zak Doffman氏はForbesの記事で、Telegramの弱点にも言及しています。初めてデバイスからログインする際、SMSで確認コードが送信されますが、このコードが漏洩すると悪意ある第三者にアカウントを乗っ取られる恐れがあります。以下の設定を行いましょう。
- [設定]>[プライバシーとセキュリティ]から二段階認証を有効にする
- やり取りを連絡先のみに限定する。プロフィール、ステータス、最終オンライン時間の公開範囲やグループ招待の制限も[プライバシー]セクションから設定可能
- 常にロックコードでチャット画面を保護する
- [アクティブなセッション]を確認し、ログイン中のデバイス数を定期的にチェックする
- シークレットチャット機能を積極的に活用し、Telegramスタッフを含む誰にも読めない暗号化通信を確保する
- 自己破壊タイマーを設定し、既読後にメッセージを自動削除する
Signalのセキュリティ設定
Signalはイーロン・マスク氏(Tesla)も推奨する、最も安全性の高いメッセージングアプリの一つです。非営利団体によるオープンソース開発のため、ビジネスモデルが存在せず、運営の意図も明確です。それでも、油断は禁物です。
- 登録ロック(Registration Lock)を有効にし、認証情報が漏洩しても会話履歴への不正アクセスを防ぐ
- 画面ロックを生体認証または推測されにくいパスコードで設定する
- 通知プレビューを無効にし、メッセージ内容がロック画面に表示されないようにする
- SignalをデフォルトSMSアプリに設定し、通信キャリアにもSMS内容を読まれないようにする
- アプリ外でのスクリーンショット撮影を無効にする
まとめ:セキュリティ設定の見直しで安心・安全な通信環境を
プライバシーを大切にし、データを共有する相手を自分で選ぶのは当然の権利です。しかし、データを収集しているのはWhatsAppやFacebookだけではありません。Googleは最大級のデータ収集者であり、あなたが今この記事を読んでいる事実や位置情報まで把握しています。Amazon、Microsoft、Yahooなども同様です。とはいえ、インターネットを使わない生活は現実的ではありません。だからこそ、上記の設定を今日から実践して、より安全なデジタルライフを送りましょう。
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