サードパーティ製アプリストアからアプリをダウンロードするリスクとは?
モバイルアプリは日常のさまざまな課題を解決してくれるため、私たちの生活に欠かせない存在になっています。しかし、アップグレード費用を節約したい、あるいは住んでいる地域では提供されていないアプリを使いたいといった理由から、サードパーティの代替手段を選ぶことがあります。その際、正規の承認を受けていない第三者のアプリストアを利用して、目的の代替アプリを入手しようとするわけです。
ところが、こうしたソースは認証されておらず信頼性も低いため、そこから入手したアプリが悪意のあるもので、スマートフォンに深刻な被害をもたらす可能性が高くなります。感染した場合、端末が遠隔操作でハッキングされたり、データが盗まれたり消去されたりする恐れもあります。いずれの場合も、最終的に損をするのはユーザー自身です。ログイン情報やクレデンシャル、個人情報をハッカーに渡してしまう前に、こうしたアプリストアの実態を理解し、スマートフォンとその中の情報を守るための知識を身につけましょう。
サードパーティアプリ=すべてが悪質なわけではない
「サードパーティアプリ」とは、OS開発元が運営する公式アプリストア以外からダウンロードしたすべてのアプリを指す、という誤解があります。しかしそれは正しくありません。公式アプリストアにも、何百ものアプリがダウンロード可能です。
サードパーティアプリとは、その開発プロセス全体を通じて、OSの所有者やデバイスメーカーと一切関わりのない個人または開発者グループによって作られたアプリのことです。たとえば、人気モバイルゲームのPUBGはTencent Gamesが開発していますが、Google PlayストアやAppleのApp Storeからダウンロードできます。つまりPUBGはサードパーティアプリでありながら、認可された公式アプリストアでの正式配信が許可されているのです。
サードパーティ製アプリストアとは?
GoogleとAppleは、それぞれAndroidとiOSを搭載したスマートフォン向けに公式アプリストアを提供しています。プラットフォーム全体を見れば数百万ものサードパーティアプリが存在しますが、それでも両社のストアが他よりも選ばれるのはなぜでしょうか。理由は、ユーザーのスマートフォンに保存された個人情報に対する安全性と圧倒的な信頼性です。
GoogleもAppleも世界的な大企業であり、開発者はより多くのユーザーへのリーチと信頼性を得るために、自社アプリをこれらのストアに登録したいと考えています。しかし、そのためには、アプリがユーザー情報の安全性やプライバシー、公序良俗を侵害しないよう、両社が定めた厳格な審査基準を遵守することが求められます。
一方、ウェブ上に無数に存在するサードパーティ製アプリストアは、GoogleやAppleほどの安全性を備えていません。アプリ開発者への管理体制はほぼ皆無で、マルウェアの有無を検査する工程すら存在しない可能性があります。場合によっては、ユーザーのデバイスにマルウェアを仕込むこと自体が目的のストアであることもあり得ます。これにより、次のようなさまざまなデータが危険にさらされます。
- IMEI番号などの端末情報
- ブラウザに保存された情報
- さらに多くの攻撃対象を得るためのメールアカウントの乗っ取り
- 電話番号
- 住所と位置情報
- プライベートなチャット履歴やメディアファイル
これらの情報が悪意ある第三者の手に渡れば、金銭的・精神的に甚大な被害を受ける可能性があります。
とはいえ、GoogleとAppleだけが唯一の選択肢ではない
GoogleとAppleは巨大企業ですが、だからといってその他の中小ストアが完全に信頼できないわけではありません。たとえば中国市場ではGoogleが利用できないため、消費者が必要とするサービスを網羅した独自のアプリストアが発達しています。実際、OnePlusやXiaomiのように、Android Open Source Project(AOSP)をベースとした独自OSを展開するメーカーも存在します。またHuaweiは、米国の制裁措置以降、独自OSの開発・投入を進めてきました。
確かに、Google PlayストアとApp Storeのアプリは知名度と信頼性の面で優れていますが、それ以外にも一定のユーザーに利用されているアプリストアはいくつか存在します。重要なのは、「どのストアが安全か」を見極める目を持つことです。
サードパーティ製アプリストアのリスクから身を守る方法
サードパーティ製アプリストアに潜む悪質なアプリから自分を守るには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- ウェブ上のサイトから、サードパーティ製アプリストアやアプリを安易にダウンロードしない。サイトのドメインがHTTPSで保護されているかを確認し、利用規約やプライバシーポリシーを必ず読み込みましょう。
- アプリストアの広告バナーや、メールで届く不審な添付ファイル・リンクをクリックしない。こうした広告は、ダウンロードを開始する前の段階でOSに感染コードを送り込むことがあります。
- Androidの設定メニューにある「提供元不明のアプリのインストール」設定を適切に管理する。AppleのApp Storeでは外部インストールが標準で制限されていますが、Androidでは許可できてしまうため、この設定を活用して未知のソースからのアプリを識別・ブロックしましょう。
- トレントサイトや、Instagramなどの改造・ハック版アプリのダウンロードを控える。これらは正規版の利用規約に違反しており、絶対に信用できません。
これらの対策に加えて、モバイルセキュリティツールによる多層的な防御を導入することをおすすめします。かつてSystweak Anti-Malwareは、Android端末をマルウェアから守るツールとして以下の機能を提供していました。(注:このアプリは現在サービスを終了しています)
- 端末内の危険なファイルやサードパーティアプリのバックアップをスキャン
- マップ、SNSアプリ、通販アプリなど、データアクセスを伴うアプリの挙動チェック
- 公式ストア以外から入手したアプリ専用の内蔵スキャナー
- リアルタイム保護機能による常時監視と、リスクの高いアプリ・悪意のあるプログラムの起動阻止
現在では同様の保護機能を持つ、Google Play Protectをはじめとする各種セキュリティアプリや、評判の良いモバイル向けアンチウイルス製品の利用を検討するとよいでしょう。
まとめ
サードパーティ製アプリストアを利用すれば、無料や割引でさまざまなアプリにアクセスできる魅力がありますが、その裏でデバイス内の情報を重大なリスクに晒すことになります。ユーザー一人ひとりがこうしたストアの危険性を正しく理解し、マルウェア感染を未然に防ぐことが何より重要です。日頃からの警戒心に加えて、信頼できるセキュリティ対策を組み合わせれば、ストレスなく安心してスマートフォンを活用できるでしょう。
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