多層セキュリティとは?サイバーセキュリティの抜け穴を塞ぐ4つの防御層
ウェブは今や、ユーザーにとっての利便性の象徴であると同時に、サイバー犯罪者にとっては自由にアクセスできる巨大なゲートウェイとなっています。ハッカーはソーシャルエンジニアリング攻撃、正規のウェブサイト、さらにはモバイルアプリを通じてエンドユーザーを標的にしています。近年では、Android向けキーボードアプリが約3,100万人分のユーザーデータをオンライン上に流出させた事例も発生しました。
現在、サイバー犯罪者がユーザーのセキュリティを回避する手口は多岐にわたります。モバイル経由の中間者攻撃(man-in-the-mobile)、ブラウザ内中間者攻撃(man-in-the-browser)、中間者攻撃(man-in-the-middle)、マルウェア、フィッシング、金融詐欺などがその代表例です。こうした状況下でエンドユーザーを守るには、サイバーセキュリティへの賢明な投資が不可欠です。
画像出典:swicktech.com
多層セキュリティ(マルチレイヤーセキュリティ)とは
サイバー犯罪者は、ユーザーからデータや金銭を奪取するためのより高度な手法を日々開発し続けています。これを阻止するうえで、多層セキュリティアプローチが現時点で最良の選択肢となります。
ただし、すべての資産を多層的に保護する必要はありません。機密情報や個人情報といった最重要資産に絞って多層セキュリティを適用するのが現実的です。このアプローチにより、仮に一つのセキュリティシステムが突破されても、別の防御層が資産を守る役割を担ってくれます。
特殊な脅威には専用のソリューションを
ニッチな脅威が存在すれば、それに対応する専用ソリューションも用意されています。従来型の多層セキュリティアプローチは、主に以下の4つの領域で構成されます。
1. 物理セキュリティ
自宅やオフィスなど、施設内でマシンやデータがどれだけ物理的に保護されているかを指します。場所がどこであれ、物理デバイスは何としても安全に管理しなければなりません。組織においては、カードキー、ポートブロック、施錠、ゲート、警備員といった適切な設備が整っていることを確認しましょう。なお、現在では情報アクセスと物理アクセスを連動させることが可能になっており、両者の境界線はますます曖昧になっています。
2. ネットワークセキュリティ
セキュリティ機能を備えたルーターやスイッチ、IPS(侵入防止システム)やIDS(侵入検知システム)、ファイアウォールを常時有効にしておくことが基本です。また、セキュリティの確保とトラフィック管理のため、信頼ドメインやLANを適切に構築することも重要です。
3. コンピュータセキュリティ
サイバー攻撃からコンピュータ本体を守るための一般的な対策には、以下が含まれます。
- システムのアップデートとセキュリティパッチの適用
- アプリケーションのアップグレード
- アプリケーションホワイトリストの活用
- 自動アップデートの無効化
- 不要なポートのブロック
- 不要なサービス・プロトコル・アプリケーションの削除
- ホスト侵入検知システム(HIDS)などのエンドポイントセキュリティソリューションの導入
- アンチウイルスソフトウェアの活用
4. アプリケーションセキュリティ
ユーザー名、PIN、パスワード、各種コードなどでアプリケーションを保護する技術です。さらに、生体認証やワンタイムパスワード(OTP)を通常のパスワードと組み合わせた多要素認証を導入することで、アプリケーションセキュリティを一段階強化できます。
組織での運用ポイント
組織では、ロールベースアクセス制御(RBAC)システムを活用して重要データへのアクセスを管理できます。加えて、アプリの安全な使用方法に関するセキュリティ慣行は、職場だけでなく家庭でも遵守すべきものです。
長期的な視点を持つことの重要性
サイバー脅威は絶えず進化しています。その存在を無視したり、対策を講じずに楽観的に構えることは非常に危険です。サイバーセキュリティ対策には長期的なビジョンが求められます。
セキュリティに多層的なアプローチを取り入れれば、リスク要因は着実に低下していきます。そうした堅牢な環境はシステムの生産性向上にもつながり、今日私たちを脅かすサイバー犯罪者に対して、技術面で常に一歩先を行くという目標の達成へと近づけるでしょう。
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