CPU(中央処理装置)とは?構成要素・基本機能・歴史を初心者向けに徹底解説
コンピュータは、複数の算術演算や論理演算を実行できる電子機器です。高度な機能をすべてこなすためには、ユーザーが行う複雑な処理を担う処理装置の力が欠かせません。新しいパソコンの購入を検討していて「どのCPUを選べばよいのか」と迷っているなら、まずCPUの基礎知識とその役割について理解しておきましょう。
CPU(中央処理装置)とは?
CPUは「プロセッサ」「中央プロセッサ」「マイクロプロセッサ」とも呼ばれる、コンピュータの中核を担う主要な処理装置です。ハードウェアとソフトウェアの間で命令を円滑にやり取りし、システム全体が問題なく動作するよう制御する役割を果たします。計算処理、プログラムの実行、複数タスクの管理など、重要な機能のほぼすべてをCPUが担うことから、「コンピュータの頭脳」とも称されます。
プロセッサはマザーボード上の専用ソケット(CPUソケット)に装着されます。動作時に高熱を発するため、放熱フィン(ヒートシンク)で覆われて保護されているのが一般的です。CPUチップは四角形をしており、ソケットに収まりやすいよう設計されています。チップの裏面には数百本のコネクタピンが付いており、ソケット側の対応する穴に差し込まれる仕組みです。
現在のCPUは、設計や機能において非常に似通っています。ただし、IntelとAMDはより大型のチップをマザーボード向けに展開しています。また、マザーボードにはさまざまな種類のソケットが存在し、それぞれレイアウトや対応プロセッサが異なります。
CPUの構成要素
世界初のコンピュータ用プロセッサは、1970年代にインテルの設計者テッド・ホフによって開発されました。最初のプロセッサは「Intel 4004」と呼ばれます。コンピュータのプロセッサは、主に以下の3つの要素で構成されています。
- メモリ(記憶装置)
- 制御装置(CU)
- 演算論理装置(ALU)
演算論理装置(ALU)
演算論理装置は数学的な処理や論理演算を行い、意思決定のプロセスを支援します。このユニットは次の2つのサブセクションで構成されます。
- 算術セクション:加算、減算、乗算、除算といった算術演算を担当します。複雑な演算も、これらの基本操作を繰り返し組み合わせることで実現されます。
- 論理セクション:データの比較、選択、照合、統合などの論理操作を担当します。
制御装置(CU)
制御装置はメモリから命令を取り出し、解読して実行します。必要に応じてALUに処理を依頼します。主な機能は以下の通りです。
- コンピュータ内の各ユニット間のデータおよび命令の転送を制御する
- コンピュータのすべてのユニットを管理・調整する
- メモリから命令を取得し、解釈して、コンピュータの動作を指示する
- 入出力装置と通信し、データや結果の転送を行う
- データそのものの処理や保存は行わない
メモリ(記憶装置)
このユニットは命令、データ、中間結果を保存し、必要に応じて他のユニットへ情報を供給します。「内部記憶装置」「主記憶」「一次記憶」「RAM(ランダムアクセスメモリ)」とも呼ばれます。
容量は速度・消費電力・処理能力に直結します。コンピュータのメモリには一次記憶と二次記憶の2種類があります。主な機能は以下の通りです。
- 処理に必要なすべてのデータと命令を保存する
- 処理の中間結果を保存する
- 出力装置へ送られる前の最終結果を保存する
- すべての入出力は主記憶を経由して行われる
CPUの歴史
CPUの速度と性能は、歴史の中で劇的に進化してきました。1971年11月15日に発表された世界初のCPU「Intel 4004」は、トランジスタ2,300個を搭載し、毎秒6万回の演算処理が可能でした。一方、最新のプロセッサは数百万個規模のトランジスタを搭載し、毎秒1億8,800万回以上の命令処理を実現しています。両者の性能差を比べれば、進化のスピードが一目瞭然です。
CPUの発明者は?
世界初のCPUは、1971年にインテルが発表した「Intel 4004」です。初の商用CPUの主任設計者はフェデリコ・ファジン氏で、CPUの発明における中心的な人物の一人として知られています。
CPU発展の主な年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1823年 | イェンス・ベルセリウス男爵がケイ素(Si)を発見。現在のプロセッサの基本素材となる。 |
| 1903年 | ニコラ・テスラが「ゲート」または「スイッチ」と呼ばれる電気論理回路の特許を取得。 |
| 1947年 | ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテン、ウィリアム・ショックレーがベル研究所で世界初のトランジスタを発明(12月23日)。 |
| 1956年 | トランジスタに関する業績により、3人がノーベル物理学賞を受賞。 |
| 1958年 | フェアチャイルド半導体のロバート・ノイスとテキサス・インスツルメンツのジャック・キルビーが世界初の集積回路(IC)を開発(9月12日実証)。 |
| 1968年 | ロバート・ノイスとゴードン・ムーアがインテル社を設立。 |
| 1969年 | AMD(Advanced Micro Devices)が5月1日に設立される。 |
| 1971年 | インテルがテッド・ホフの協力を得て、世界初のマイクロプロセッサ「Intel 4004」を11月15日に発表。トランジスタ2,300個、毎秒6万回の演算、640バイトのメモリアドレス、価格200ドル。 |
| 1974年 | インテルの改良版マイクロプロセッサ「8080」が登場し、コンピュータ業界の標準となる。 |
| 1982年 | インテルが「80286」を発表(2月1日)。 |
| 1993年 | インテルが「Pentium(ペンティアム)」プロセッサを3月22日に発表。60MHz、トランジスタ310万個、価格878ドル。 |
| 1999年 | AMDが「Athlon(アスロン)」シリーズを6月23日に発表。以後6年間にわたり500MHz~2.33GHzの製品群が生産される。 |
| 2000年 | AMDが「Duron」プロセッサを6月19日に初投入。Athlonと同じK7アーキテクチャを採用。 |
| 2001年 | インテルが1.3GHzの「Pentium 4」を1月3日に発表。 |
| 2003年 | AMDが初の64ビットプロセッサ「Athlon 64 3200+」および「Athlon 64 FX-51」を9月23日に発表。 |
| 2005年 | AMDが初のデュアルコアプロセッサ「Athlon 64 X2 3800+」を4月21日に発表。 |
| 2006年 | インテルが「Core 2 Duo」プロセッサを7月27日に発表。 |
| 2008年 | インテルが初のCore i7デスクトッププロセッサ(i7-920、i7-940、i7-965 Extreme Edition)を11月に発表。 |
| 2010年 | インテルが初のCore i3デスクトップ/モバイルプロセッサ(i3-530、i3-540、i3-330Mなど)を1月7日に発表。 |
| 2017年 | AMDが初のRyzen 7プロセッサ(1700、1700X、1800X)を3月2日に発表。8コア、3.0~3.6GHz、L3キャッシュ16MB。同年、インテルも初のCore i9デスクトッププロセッサ「i9-7900X」(10コア)を発表。 |
| 2018年 | インテルが初のCore i9モバイルプロセッサ「i9-8950HK」を4月に発表。6コア、2.9GHz、L3キャッシュ12MB。 |
出典:Computer Hope
CPUの主な機能とは?
近年、CPUの性能は飛躍的に向上しましたが、基本的な機能は変わりません。CPUの役割は、誕生当初から変わらぬ基本機能を中心に展開されています。
フェッチ(命令の取得)
CPUの主な役割は、命令を受け取ることです。命令は一連の数値としてRAMからCPUへ転送されます。情報は小さな単位に分割されているため、CPUは次にどの情報が来るかを把握する必要があります。命令はプログラムカウンタに格納されており、処理が進むと命令レジスタ(IR)に移され、プログラムカウンタには次の命令セットが格納されます。
デコード(解読)
命令が命令レジスタに格納されると、CPUはその命令を「命令デコーダ」と呼ばれる回路へ送ります。ここで命令は、コンピュータの他の部分が理解できる信号に変換されます。これはCPUの非常に重要な役割です。他のパーツが受け取った命令を理解できなければ、本来の機能を果たせないからです。脳が身体の各部に信号を送って動作を指示するのと同じ仕組みです。
実行(エグゼキュート)
最後に、CPUは取得・解読した命令を実行します。これにより、コンピュータの各パーツにそれぞれの役割を遂行するよう指示が出されます。実行結果は通常CPUレジスタに書き込まれ、後続の命令から参照できます。電卓のメモリ機能をイメージすると分かりやすいでしょう。命令は小さな系列に分割されているため、実行された命令はCPU内に保持され、次の命令が前の命令に基づいて正しく動作できるようになります。
ストア(格納)
CPUは命令の実行後にフィードバックを行い、出力データをメモリに書き込みます。
CPUの役割は明快です。ユーザーからの命令を取得し、コンピュータの他のパーツが理解できる信号に解読し、機能が正しく実行されることを保証します。さらに、次の命令が現在処理中の命令と整合性を持つことも確認しなければなりません。
CPUの種類
コンピュータ用マイクロプロセッサの主要メーカーは2社あります。速度と品質の面で市場をリードしているのはIntelとAMD(Advanced Micro Devices)です。Intelのデスクトップ向けCPUには「Celeron」「Pentium」「Core」シリーズがあり、AMDのデスクトップ向けプロセッサには「Sempron」「Athlon」「Phenom」シリーズがあります。デスクトップやノートPCに最適なプロセッサを選ぶ際は、Intel Core i7とAMD Ryzenなど、各シリーズの特徴を比較検討するとよいでしょう。
CPUはコンピュータの主要な処理装置であり、他のプロセッサの動作もCPUに依存していると言えるでしょう。
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