C++の標準エラーストリーム(std::cerr)とは?基本と使い方を解説
std::cerr とは何か
std::cerr は、ostream クラスのオブジェクトであり、char 型などのナロー文字(マルチバイト文字)を扱う「標準エラーストリーム」を表します。C言語の stderr ストリームに対応するもので、エラーメッセージや診断情報の出力先として使用されます。
標準エラーストリームの出力先は、プログラムを実行する環境によって決定されます。多くの場合はコンソール(画面)に接続されていますが、リダイレクト設定などにより変更されることもあります。なお、この出力先は std::cout や std::clog といった他の標準ストリームオブジェクトと共有される場合があります。
書式付き出力と書式なし出力
std::cerr は ostream クラスのオブジェクトであるため、次の2つの方法で文字を出力できます。
- 書式付き出力: 挿入演算子(
operator<<)を使って、整形されたデータとして出力する - 書式なし出力:
write()などのメンバ関数を使って、生データとして出力する
このオブジェクトはヘッダー <iostream> 内で外部リンケージおよび静的記憶域期間を持つ宣言がされており、プログラムの実行開始から終了までの間、常に利用可能です。
使用例:画面に文字列を出力する
std::cerr を使うと、画面(標準エラー出力)に文字を書き込むことができます。例えば、画面に「Hello」と表示したい場合は、次のように記述します。
#include<iostream>
int main() {
std::cerr << "Hello";
return 0;
}
このプログラムを hello.cpp という名前で保存します。その後、ターミナル(Windowsの場合はコマンドプロンプト)でファイルを保存したディレクトリに移動し、以下のコマンドでコンパイルします。
$ g++ hello.cpp
コンパイルが完了したら、次のコマンドで実行します。
$ ./a.out
実行結果
このプログラムを実行すると、以下のように出力されます。
Hello
補足:cerr と cout の違い
std::cerr とよく似たオブジェクトに std::cout がありますが、両者には重要な違いがあります。cout は標準出力ストリームであり、バッファリングされるのに対し、cerr は標準エラー出力ストリームであり、デフォルトではバッファリングされません(ユニットバッファ)。そのため、エラーメッセージはプログラムが異常終了した場合でも確実に出力されるという特徴があります。エラーや警告の通知には cerr を使うのが一般的です。
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