C++で循環単方向リンクリストを実装する方法【サンプルコード付き】
循環単方向リンクリスト(Circular Singly Linked List)は、自己参照構造体を用いて作成されたノードから構成されるデータ構造の一種です。各ノードは「データ」と「次のノードへの参照(ポインタ)」という2つの部分で構成されています。
リンクリスト全体へアクセスするには、先頭ノードへの参照だけがあれば十分です。この先頭ノードは「ヘッド(head)」と呼ばれます。そして、リストの最後のノードは先頭ノード(ヘッド)を指します。このようにリストが輪のように閉じていることから、「循環リンクリスト」と呼ばれています。
以下に、循環単方向リンクリストを実装するC++プログラムの例を示します。
サンプルプログラム
#include <iostream>
using namespace std;
struct Node {
int data;
struct Node *next;
};
struct Node* head = NULL;
void insert(int newdata) {
struct Node *newnode = (struct Node *)malloc(sizeof(struct Node));
struct Node *ptr = head;
newnode->data = newdata;
newnode->next = head;
if (head!= NULL) {
while (ptr->next != head)
ptr = ptr->next;
ptr->next = newnode;
} else
newnode->next = newnode;
head = newnode;
}
void display() {
struct Node* ptr;
ptr = head;
do {
cout<<ptr->data <<" ";
ptr = ptr->next;
} while(ptr != head);
}
int main() {
insert(3);
insert(1);
insert(7);
insert(2);
insert(9);
cout<<"The circular linked list is: ";
display();
return 0;
}実行結果
The circular linked list is: 9 2 7 1 3
挿入は常に先頭(head)に対して行われるため、出力では最後に挿入した「9」が最初に表示され、最初に挿入した「3」が最後に表示されている点に注目してください。
プログラムの解説
Node構造体
上記のプログラムでは、Node構造体がリンクリストの1つのノードを表します。この構造体は、データ本体を格納する data フィールドと、次のノードを指すポインタ next を持っています。
struct Node {
int data;
struct Node *next;
};insert()関数 ― 先頭への挿入
insert()関数は、リンクリストの先頭に新しいデータを挿入します。処理の流れは以下の通りです。
- malloc()で新しいノード(newnode)を確保し、引数の値をdataフィールドに格納します。
- headがNULL(空のリスト)の場合、newnodeは自分自身を指します。これにより、ノードが1つでも循環が保たれます。
- headがNULLでない場合、whileループで最後のノードまで辿り、そのノードのnextをnewnodeに付け替えます。これにより、末尾→新ノード→旧先頭という循環が維持されます。
- 最後にheadをnewnodeに更新し、新しいノードをリストの先頭とします。
void insert(int newdata) {
struct Node *newnode = (struct Node *)malloc(sizeof(struct Node));
struct Node *ptr = head;
newnode->data = newdata;
newnode->next = head;
if (head!= NULL) {
while (ptr->next != head)
ptr = ptr->next;
ptr->next = newnode;
} else
newnode->next = newnode;
head = newnode;
}なお、この実装では末尾ノードを見つけるために毎回リスト全体を走査する必要があるため、挿入操作の計算量はO(n)となります。末尾ノードへのポインタ(tail)を別途保持すれば、O(1)での挿入も可能です。
display()関数 ― リスト全体の表示
display()関数は、リンクリスト全体を表示します。まずポインタptrをheadに設定し、do-while文によって現在のノードのデータを出力しながらptrを次のノードへ進めていきます。ptrが再びheadに戻った時点で一周したことが分かるため、そこでループを終了します。通常のwhile文ではなくdo-while文を使うのは、ループ開始直後に終了条件を判定すると最初のノードが表示されないためです。
void display() {
struct Node* ptr;
ptr = head;
do {
cout<< ptr->data <<" ";
ptr = ptr->next;
} while(ptr != head);
}main()関数 ― 動作確認
main()関数では、まずinsert()を5回呼び出して値(3、1、7、2、9)を順番に循環リンクリストへ挿入します。その後、display()を呼び出してリスト全体を表示しています。
int main() {
insert(3);
insert(1);
insert(7);
insert(2);
insert(9);
cout<<"The circular linked list is: ";
display();
return 0;
}まとめ
循環単方向リンクリストは、末尾ノードが先頭ノードを指すことでリング状の構造を実現するデータ構造です。本記事では、Node構造体の定義、先頭への挿入を行うinsert()関数、全ノードを表示するdisplay()関数の実装を通じて、その基本的な仕組みを解説しました。循環構造を扱う際は、走査の終了条件を「NULLではなくheadへの到達」とする点が通常のリンクリストとの大きな違いであり、この点を押さえておくことが重要です。
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