C++のprivateメンバーとprotectedメンバーの違いを徹底解説
C++のクラスには、public(公開)、private(非公開)、protected(保護)という3種類のアクセス指定子があり、それぞれ対応するクラスメンバーへのアクセスレベルを制御します。本記事では、特に混同されやすいprivateメンバーとprotectedメンバーの違いについて、サンプルコードを交えながら詳しく解説します。
privateメンバーとは
privateとして宣言されたデータメンバーは、クラスの外部から直接アクセスすることができません。アクセスできるのは、そのクラス自身のメンバー関数、あるいはfriend関数・friendクラスのみです。
また、アクセス指定子を明示しなかった場合、classで定義されたメンバーはすべてデフォルトでprivateになる点にも注意しましょう。
protectedメンバーとは
protectedメンバーはprivateメンバーとよく似た性質を持っていますが、決定的な違いが1つあります。それは、派生クラス(子クラス)からアクセスできるという点です。privateメンバーは派生クラスからもアクセスできませんが、protectedメンバーであれば継承関係にあるクラス内で自由に利用できます。
アクセス範囲の比較表
| アクセス元 | public | protected | private |
|---|---|---|---|
| 同じクラス内 | ○ | ○ | ○ |
| 派生クラス内 | ○ | ○ | × |
| クラス外部 | ○ | × | × |
privateとprotectedの動作を確認するサンプルコード
以下のプログラムは、クラスにおけるprivateメンバーとprotectedメンバーの挙動を示したものです。
コード例
#include <iostream>
using namespace std;
class Base {
public :
int a = 8;
protected :
int b = 10;
private :
int c = 20;
};
class Derived : public Base {
public :
void func() {
cout << "The value of a : " << a;
cout << "\nThe value of b : " << b;
}
};
int main() {
Derived obj;
obj.func();
return 0;
}
実行結果
The value of a : 8 The value of b : 10
プログラムの解説
それでは、上記プログラムの処理内容を順番に見ていきましょう。
1. 基底クラスBaseの定義
クラスBaseには、a、b、cという3つのデータメンバーが宣言されており、それぞれpublic、protected、privateとして指定されています。
class Base {
public :
int a = 8;
protected :
int b = 10;
private :
int c = 20;
};
2. 派生クラスDerivedの定義
クラスDerivedは、Baseをpublic継承しています。メンバー関数func()はaとbの値を出力しますが、cの値は出力できません。これは、cがクラスBaseのprivateメンバーであり、派生クラスであるDerivedからはアクセスできないためです。
class Derived : public Base {
public :
void func() {
cout << "The value of a : " << a;
cout << "\nThe value of b : " << b;
}
};
もしfunc()内でcにアクセスするコードを追加すると、コンパイルエラーが発生します。この挙動こそが、privateとprotectedの本質的な違いです。
3. main関数でのオブジェクト生成と呼び出し
main()関数内では、クラスDerivedのオブジェクトobjを生成し、メンバー関数func()を呼び出しています。
int main() {
Derived obj;
obj.func();
return 0;
}
まとめ
- privateメンバー:クラス内部とfriendからのみアクセス可能。派生クラスからはアクセス不可。
- protectedメンバー:クラス内部に加えて、派生クラスからもアクセス可能。
- アクセス指定子を省略した場合、classのメンバーはデフォルトでprivateになる。
カプセル化を適切に行いつつ、継承先のクラスに必要なメンバーだけを開放したい場合はprotectedを使う、という使い分けがC++の設計において重要です。
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