C++で動的計画法により0-1ナップサック問題を解く方法:アルゴリズムと実装例
本記事では、動的計画法(Dynamic Programming)を用いて0-1ナップサック問題を解くC++プログラムを紹介します。0-1ナップサック問題とは、それぞれ重さと価値が異なる複数の品物が与えられたとき、ナップサックの容量(許容重量)を超えない範囲で、合計価値が最大になるように品物を選ぶ組合せ最適化問題です。「0-1」という名称は、各品物について「選ぶ(1)」か「選ばない(0)」の二択しかないことに由来しています。
動的計画法によるアプローチ
すべての品物の組み合わせを総当たりで調べる全探索では、品物の数に対して計算量が指数関数的に増大してしまいます。そこで有効なのが動的計画法です。部分問題の答えを表(テーブル)に記録しながら処理を進めることで、効率的に最適解を求められます。
ここでは、K[i][wt] を「最初の i 個の品物の中から、容量 wt 以内で選んだときの最大価値」と定義します。この表を順に埋めていき、最終的な K[n][W] が求める答えとなります。
漸化式(再帰関係)
- i == 0 または wt == 0 のとき: K[i][wt] = 0(品物がない、または容量がないため価値は0)
- w[i-1] <= wt のとき(i番目の品物が入る場合): K[i][wt] = max(v[i-1] + K[i-1][wt - w[i-1]], K[i-1][wt])(その品物を入れる場合と入れない場合の大きい方を採用)
- それ以外の場合: K[i][wt] = K[i-1][wt](その品物は入れない)
アルゴリズム
開始 各品物の重み w[] と価値 v[] を入力する ナップサックの容量 W を設定する 2つの整数のうち大きい方を返す関数 max(x, y) を用意する 最大価値を返す関数 knapSack(W, w[], v[], n) を作成する int i, wt; int K[n + 1][W + 1] for i = 0 to n for wt = 0 to W if (i == 0 or wt == 0) K[i][wt] = 0 else if (w[i - 1] <= wt) K[i][wt] = max(v[i - 1] + K[i - 1][wt - w[i - 1]], K[i - 1][wt]) else K[i][wt] = K[i - 1][wt] return K[n][W] 関数を呼び出し、結果を出力する 終了
サンプルコード
#include <iostream>
using namespace std;
int max(int x, int y) {
return (x > y) ? x : y;
}
int knapSack(int W, int w[], int v[], int n) {
int i, wt;
int K[n + 1][W + 1];
for (i = 0; i <= n; i++) {
for (wt = 0; wt <= W; wt++) {
if (i == 0 || wt == 0)
K[i][wt] = 0;
else if (w[i - 1] <= wt)
K[i][wt] = max(v[i - 1] + K[i - 1][wt - w[i - 1]], K[i - 1][wt]);
else
K[i][wt] = K[i - 1][wt];
}
}
return K[n][W];
}
int main() {
cout << "Enter the number of items in a Knapsack:";
int n, W;
cin >> n;
int v[n], w[n];
for (int i = 0; i < n; i++) {
cout << "Enter value and weight for item " << i << ":";
cin >> v[i];
cin >> w[i];
}
cout << "Enter the capacity of knapsack";
cin >> W;
cout << knapSack(W, w, v, n);
return 0;
}
なお、上記コードの int K[n + 1][W + 1]; や int v[n], w[n]; は可変長配列(VLA)と呼ばれる機能で、GCCなど一部のコンパイラでは動作しますが、C++の標準規格には含まれていません。移植性を高めたい場合は、std::vector<std::vector<int>> の使用を検討するとよいでしょう。
実行例
Enter the number of items in a Knapsack:4 Enter value and weight for item 0:10 50 Enter value and weight for item 1:20 60 Enter value and weight for item 2:30 70 Enter value and weight for item 3:40 90 Enter the capacity of knapsack100 40
この実行例では、4つの品物(価値10・重さ50/価値20・重さ60/価値30・重さ70/価値40・重さ90)が与えられ、ナップサックの容量は100です。この条件で得られる最大価値は 40 となります。これは、重さ90の品物を1つだけ選ぶのが最適であることを意味します。
計算量
このアルゴリズムの時間計算量・空間計算量はいずれも O(n × W) です。品物の数 n と容量 W に比例したサイズの表を一度埋めるだけで済むため、全探索(O(2^n))と比べて大幅に高速に最適解を求められます。
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