C++でカウントソート(計数ソート)を実装する方法
カウントソートとは
カウントソート(計数ソート)は安定なソート手法の一つで、小さな整数値をキーとするデータを並べ替えるために用いられるアルゴリズムです。キー値が同じ要素の個数を数え、その情報をもとに整列を行うのが大きな特徴です。キー同士の差(値の範囲)がそれほど大きくなければ非常に高い効率を発揮しますが、範囲が広すぎる場合は空間計算量が増大する点に注意が必要です。
カウントソートの計算量
- 時間計算量:O(n+r)
- 空間計算量:O(n+r)
※ n は要素数、r はキーの最大値(値の範囲)を表します。
入力: ソートされていないデータ列: 2 5 6 2 3 10 3 6 7 8
出力: ソート後の配列: 2 2 3 3 5 6 6 7 8 10
カウントソートの処理の流れ
- 配列内の最大値を取得し、「最大値+1」のサイズでカウント配列を用意して、全要素を0で初期化します。
- 元の配列を走査し、各値の出現回数をカウント配列に記録します。
- カウント配列を累積和に変換することで、各要素がソート後に位置するインデックスを決定します。
- 元の配列を後ろから走査しながら、累積度数に基づいて出力配列の適切な位置へ要素を配置し、配置するたびに対応するカウントを減らしていきます。
後ろから走査することで、同じ値を持つ要素の相対的な順序が保たれ、ソートの安定性が保証されます。
アルゴリズム(擬似コード)
countingSort(array, size)
入力: データの配列と、その総要素数
出力: ソート済みの配列
Begin
max = 配列内の最大要素を取得
サイズ [max+1] のカウント配列を宣言
for i := 0 to max do
count[i] = 0 // カウント配列の全要素を0に初期化
done
for i := 1 to size do
配列中に見つかった各数値のカウントを増加させる
done
for i := 1 to max do
count[i] = count[i] + count[i-1] // 累積度数を求める
done
for i := size downto 1 do
数値を出力配列に格納する
対応するカウントを1つ減らす
done
出力配列を返す
End
C++による実装例
#include<iostream>
#include<algorithm>
using namespace std;
// 配列の内容を表示する関数
void display(int *array, int size) {
for(int i = 1; i<=size; i++)
cout << array[i] << " ";
cout << endl;
}
// 配列内の最大値を取得する関数
int getMax(int array[], int size) {
int max = array[1];
for(int i = 2; i<=size; i++) {
if(array[i] > max)
max = array[i];
}
return max; // 配列の最大要素を返す
}
// カウントソート本体
void countSort(int *array, int size) {
int output[size+1];
int max = getMax(array, size);
int count[max+1]; // カウント配列を作成(max+1 個の要素)
for(int i = 0; i<=max; i++)
count[i] = 0; // カウント配列をすべて0で初期化
for(int i = 1; i<=size; i++)
count[array[i]]++; // 各数値の出現回数をカウント
for(int i = 1; i<=max; i++)
count[i] += count[i-1]; // 累積度数を求める
for(int i = size; i>=1; i--) {
output[count[array[i]]] = array[i];
count[array[i]] -= 1; // 同じ数値に対してカウントを減らす
}
for(int i = 1; i<=size; i++) {
array[i] = output[i]; // 出力配列を元の配列へコピー
}
}
int main() {
int n;
cout << "Enter the number of elements: ";
cin >> n;
int arr[n+1]; // 指定された要素数の配列を作成
cout << "Enter elements:" << endl;
for(int i = 1; i<=n; i++) {
cin >> arr[i];
}
cout << "Array before Sorting: ";
display(arr, n);
countSort(arr, n);
cout << "Array after Sorting: ";
display(arr, n);
}
実行結果
Enter the number of elements: 10 Enter elements: 2 5 6 2 3 10 3 6 7 8 Array before Sorting: 2 5 6 2 3 10 3 6 7 8 Array after Sorting: 2 2 3 3 5 6 6 7 8 10
補足: 上記のコードでは可変長配列(VLA)を使用しています。これは GCC など一部のコンパイラでは利用できますが、C++の標準規格には含まれていないため、移植性を重視する場合は std::vector を使うことをおすすめします。また、カウントソートは比較ベースのソートではないため、クイックソートなどの O(n log n) のアルゴリズムよりも、キーの範囲が狭い場合には高速に動作します。
-
C++でソート済み配列を実装するプログラム:選択ソートの基本と実装例
ソート済み配列とは、数値順やアルファベット順など、何らかの基準に従ってすべての要素が整列された配列のことです。配列をソートするためのアルゴリズムには、バブルソート、挿入ソート、選択ソート、マージソート、クイックソート、ヒープソートなど、さまざまな種類があります。本記事では、その中でも「選択ソート」を使って配列をソートする方法について、サンプルコードを交えながら詳しく解説します。選択ソートとは選択ソートは、未ソート部分の中から最小の要素を繰り返し見つけ出し、それを未ソート部分の先頭にある要素と入れ替えることで、徐々にソート済み配列を作り上げていく手法です。実装がシンプルで理解しやすいことが特徴で
-
C++でヒープソートアルゴリズムを使って10個の要素の配列をソートする方法
ヒープソートは、二分ヒープ(バイナリヒープ)と呼ばれるデータ構造に基づいたソートアルゴリズムです。二分ヒープには2種類あります。最大ヒープでは各親ノードの子ノードが親の値以下になり、最小ヒープでは各親ノードの子ノードが親の値以上になるように構成されます。本記事では、最大ヒープを利用したヒープソートをC++で実装し、10個の要素を持つ配列を昇順に並べ替える手順を詳しく解説します。 ヒープソートの手順(具体例) まず、ソート前の10個の要素からなる元の配列は次の通りです。 207154101590237725 この配列に対してmax-heapify操作を適用し、二分最大ヒープを構築します。配列と