C言語における演算子の優先順位と結合規則の徹底解説
C言語において、演算子の優先順位(operator precedence)は、式中の項がどのようにグループ化されるかを決定し、式がどのような順序で評価されるかを左右します。すべての演算子に同じ優先順位が与えられているわけではなく、たとえば乗算演算子(*)は加算演算子(+)よりも高い優先順位を持ちます。
具体例を挙げましょう。
x = 7 + 3 * 2;
この場合、変数 x に代入されるのは 20 ではなく 13 です。なぜなら、* 演算子の方が + よりも優先順位が高いため、まず 3 * 2 が計算され、その結果 6 に 7 が加算されるからです。
演算子の優先順位一覧表
以下の表では、優先順位が最も高い演算子が表の上部に、最も低い演算子が表の下部に配置されています。同じ式の中では、優先順位の高い演算子から順に評価されます。
| 分類 | 演算子 | 結合規則 |
|---|---|---|
| 後置(Postfix) | () [] -> . ++ -- | 左から右 |
| 単項(Unary) | + - ! ~ ++ -- (type) * & sizeof | 右から左 |
| 乗除算(Multiplicative) | * / % | 左から右 |
| 加減算(Additive) | + - | 左から右 |
| シフト(Shift) | << >> | 左から右 |
| 関係(Relational) | < <= > >= | 左から右 |
| 等価(Equality) | == != | 左から右 |
| ビット単位AND | & | 左から右 |
| ビット単位XOR | ^ | 左から右 |
| ビット単位OR | | | 左から右 |
| 論理AND | && | 左から右 |
| 論理OR | || | 左から右 |
| 条件(Conditional) | ?: | 右から左 |
| 代入(Assignment) | = += -= *= /= %=>>= <<= &= ^= |= | 右から左 |
| カンマ(Comma) | , | 左から右 |
サンプルコード
次のプログラムは、括弧の付け方によって評価順序がどう変わるかを確認できる例です。
#include <stdio.h>
int main() {
int a = 20;
int b = 10;
int c = 15;
int d = 5;
int e;
e = (a + b) * c / d; // (30 * 15) / 5
printf("Value of (a + b) * c / d is : %d\n", e);
e = ((a + b) * c) / d; // (30 * 15) / 5
printf("Value of ((a + b) * c) / d is : %d\n", e);
e = (a + b) * (c / d); // (30) * (15 / 5)
printf("Value of (a + b) * (c / d) is : %d\n", e);
e = a + (b * c) / d; // 20 + (150 / 5)
printf("Value of a + (b * c) / d is : %d\n", e);
return 0;
}実行結果
Value of (a + b) * c / d is : 90 Value of ((a + b) * c) / d is : 90 Value of (a + b) * (c / d) is : 90 Value of a + (b * c) / d is : 50
ポイントまとめ
- 優先順位が同じ演算子が並んだ場合は、結合規則に従って評価されます。
- 代入系の演算子や条件演算子(
?:)は右から左へ結合します。 - 計算順序を明確にしたい場合は、意図的に括弧 () を使用するのが安全で可読性も向上します。
- なお、現行のC標準では
main()はint main(void)のように戻り値の型を明示することが推奨されています。
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