C++の出力イテレータ(Output Iterator)とは?使い方を徹底解説
本記事では、C++における出力イテレータ(Output Iterator)について詳しく解説します。出力イテレータにはいくつかの重要な特性があり、それらは以下のようにまとめられます。
- コンテナ内の値を変更(書き込み)するために使用される。
- この種のイテレータでは、コンテナからデータを読み取ることはできない。
- 一方向・書き込み専用のイテレータである。
- インクリメント(前進)は可能だが、デクリメント(後退)はできない。
- 出力イテレータには2つの種類がある。挿入イテレータ(Insert Iterator)とostreamイテレータである。
挿入イテレータ(Insert Iterator)とは
挿入イテレータは、コンテナ内に新しい要素を挿入するために使用されます。この種のイテレータに対して代入演算子を使用すると、現在の位置に新しい要素が挿入されます。既存の要素が上書きされるのではなく、指定位置に要素が「差し込まれる」点が特徴です。
挿入イテレータの構文は以下の通りです。
template<class Container, class Iterator> insert_iterator<container> inserter(Container &x, Iterator it);
この関数は2つの引数を受け取ります。第1引数の x は、イテレータが操作対象とするコンテナです。第2引数の it は、挿入位置を指すイテレータオブジェクトです。
サンプルコード
#include <iostream>
#include <iterator>
#include <vector>
#include <algorithm>
using namespace std;
int main() {
vector<int> vec1, vec2;
for (int i = 1; i <= 10; i++) { // ベクトルに要素を挿入
vec1.push_back(i);
vec2.push_back(i + 3);
}
vector<int>::iterator it = vec1.begin(); // vec1に対して動作するイテレータ
advance(it, 5); // イテレータを5つ先へ進める
copy(vec2.begin(), vec2.end(), inserter(vec1, it));
cout << "vec1の要素 :";
for (it = vec1.begin(); it != vec1.end(); ++it)
cout << ' ' << *it;
cout << endl;
return 0;
}実行結果
vec1の要素 : 1 2 3 4 5 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 6 7 8 9 10
この例では、vec1 の5番目の位置に vec2 の全要素(4〜13)が挿入されていることがわかります。元の要素6以降は後ろにずらされ、失われることなく保持されています。
ostreamイテレータとは
ostreamイテレータは、cout のような出力ストリームへの書き込みを行うために使用されます。basic_ostream オブジェクトを使って生成でき、この種のイテレータに代入演算子を使用すると、出力ストリームに新しい要素が出力されます。
構文は以下の通りです。
template<class T, class charT = char, class traits = char_traits<charT>> class ostream_iterator;
ostreamイテレータクラスの主なメンバ関数は以下の通りです。
ostream_iterator<T, charT, traits>& operator=(const T& value); ostream_iterator<T, charT, traits>& operator*(); ostream_iterator<T, charT, traits>& operator++(); ostream_iterator<T, charT, traits>& operator++(int);
テンプレートパラメータの意味は次の通りです。
- T: 挿入される要素の型。
- charT: ostreamが扱える文字の型(デフォルトは
char)。 - traits: ストリームが扱う文字特性(character traits)。
サンプルコード1:copyアルゴリズムとの組み合わせ
#include <iostream>
#include <iterator>
#include <vector>
#include <algorithm>
using namespace std;
int main() {
vector<int> v;
for (int i = 1; i <= 10; i++)
v.push_back(i * i); // 平方数を計算して挿入
ostream_iterator<int> out(cout, ",");
copy(v.begin(), v.end(), out);
return 0;
}実行結果
1,4,9,16,25,36,49,64,81,100,
この例では、ostream_iterator の第2引数として区切り文字 "," を指定しているため、各要素の後にカンマが出力されます。
サンプルコード2:直接代入による出力
#include <iostream>
#include <iterator>
using namespace std;
int main() {
ostream_iterator<int> os_out(cout, ",");
*os_out = 10;
os_out++; // 次の位置へ進む
*os_out = 20;
os_out++;
*os_out = 30;
return 0;
}実行結果
10,20,30,
このように、ostreamイテレータは通常のイテレータと同じように * 演算子や ++ 演算子を使って操作でき、代入のたびに出力ストリームへ値が書き込まれます。STLのアルゴリズム(copy など)と組み合わせることで、コンテナの内容を簡潔に出力できる便利なツールです。
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