C++のtransform_inclusive_scan()関数とは?使い方と実装例を解説
このチュートリアルでは、C++のtransform_inclusive_scan()関数の動作を理解するためのサンプルプログラムを紹介します。
transform_inclusive_scan()関数とは
transform_inclusive_scan()は、C++17で<numeric>ヘッダーに追加された数値計算アルゴリズムの一つです。範囲内の各要素に単項演算を適用したうえで、二項演算を使って先頭から現在位置までの累積計算(包含スキャン)を行い、その結果を順に出力先へ書き込みます。
本記事では、この関数と同等の処理を自前で実装したコードを見ながら、内部の動きを詳しく解説します。
サンプルコード
#include <iostream>
#include <vector>
using namespace std;
namespace point_input_iterator {
template <class InputItrator, class OutputItrator, class BinaryOperation, class UnaryOperation>
OutputItrator transform_inclusive_scan(InputItrator first,
InputItrator last,
OutputItrator d_first,
BinaryOperation binary_op,
UnaryOperation unary_op){
*d_first = unary_op(*first);
first++;
d_first++;
for (auto it = first; it != last; it++) {
//calculating the prefix sum
*d_first = binary_op(unary_op(*it), *(d_first - 1));
d_first++;
}
return d_first;
}
}
int main(){
//inputting elements using vector
vector<int> InputVector{ 11, 22, 33, 44, 55, 66, 77, 88 };
vector<int> OutputVector(8);
point_input_iterator::transform_inclusive_scan(InputVector.begin(), InputVector.end(), OutputVector.begin(), [](auto xx, auto yy) {
return xx + yy;
},
[](auto xx) {
return xx * xx;
});
for (auto item : OutputVector) {
//printing the output item
cout << item << " ";
}
cout << std::endl;
return 0;
}コードの解説
このプログラムでは、transform_inclusive_scan()と同等の処理をテンプレート関数として自作しています。処理の流れは以下のとおりです。
- まず、先頭要素に単項演算(ラムダ式で定義した「2乗する」処理)を適用し、その結果を出力先の最初の要素に格納します。
- 続いて、2番目以降の要素に対して、「現在の要素に単項演算を適用した値」と「直前の累積結果」を二項演算(ラムダ式で定義した「加算」処理)で結合し、順次出力先に書き込みます。
- main()関数では、vectorに格納した整数 {11, 22, 33, 44, 55, 66, 77, 88} を入力とし、単項演算として「x × x」、二項演算として「x + y」を渡して呼び出しています。
実行結果
121 605 1694 3630 6655 11011 16940 24684
計算の流れ
出力値がどのように求められているかを順に追ってみましょう。
- 1番目: 11 × 11 = 121
- 2番目: 121 + (22 × 22) = 121 + 484 = 605
- 3番目: 605 + (33 × 33) = 605 + 1089 = 1694
- 4番目: 1694 + (44 × 44) = 1694 + 1936 = 3630
- 5番目: 3630 + (55 × 55) = 3630 + 3025 = 6655
- 6番目: 6655 + (66 × 66) = 6655 + 4356 = 11011
- 7番目: 11011 + (77 × 77) = 11011 + 5929 = 16940
- 8番目: 16940 + (88 × 88) = 16940 + 7744 = 24684
このように、transform_inclusive_scan()は「各要素を変換しながら、それまでの累積結果に含めて計算していく」処理を行う関数です。累積和の計算などに応用でき、C++17以降では標準の<numeric>ヘッダーから直接利用することも可能です。
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