C++のis_finalテンプレートとは?構文と使い方を実例で解説
本記事では、C++ STLに含まれる std::is_final テンプレートの仕組み、構文、具体的な使用例について詳しく解説します。
is_final は、<type_traits> ヘッダーファイルで定義されているテンプレートの一つで、C++14以降で利用できます。このテンプレートを使うと、指定した型 T が final クラス(継承できないクラス)であるかどうかをコンパイル時に判定できます。
C++におけるfinalクラスとは?
final 指定子を付けて宣言されたクラスのことを「finalクラス」と呼びます。finalクラスは、それ以上継承して新しい派生クラスを作ることができない特別なクラスです。C++でクラスを final 化する従来のテクニックとしては、そのクラスをフレンドクラスとして指定し、仮想継承を組み合わせることで継承不可能なクラスを実現する方法がありました。
finalクラスの実装例
class final_abc; // final化したいクラス(前方宣言)
class abc {
private:
abc() { cout << "abcのコンストラクタ"; }
friend class final_abc; // final_abcだけがコンストラクタにアクセス可能
};
class final_abc : virtual abc { // 仮想継承により継承不可のクラスに
public:
final_abc() { cout << "finalクラスのコンストラクタ"; }
};
class derive : public final_abc {}; // エラー:final_abcは継承できない
構文
template <class T> struct is_final;
パラメータ
このテンプレートが受け取るパラメータは型 T のみです。指定された型が final クラス型であるかどうかを判定します。
戻り値
ブール値を返します。指定された型が final クラスであれば true を、そうでなければ false を返します。
判定結果の例
入力:
class final_abc;
class abc { friend class final_abc; };
class final_abc : virtual abc { };
is_final<abc>::value;
出力: false
入力:
class final_abc;
class abc { friend class final_abc; };
class final_abc : virtual abc { };
is_final<final_abc>::value;
出力: true
クラスでの使用例
#include <iostream>
#include <type_traits>
using namespace std;
class TP {
// final指定のない通常のクラス
};
class T_P final {
// final指定されたクラス
};
int main() {
cout << boolalpha;
cout << "is_finalの使用例";
cout << "\nTP(通常のクラス): " << is_final<TP>::value;
cout << "\nT_P(finalクラス): " << is_final<T_P>::value;
cout << "\nint型の場合: " << is_final<int>::value;
return 0;
}
出力
上記のコードを実行すると、次のような出力が得られます。
is_finalの使用例 TP(通常のクラス): false T_P(finalクラス): true int型の場合: false
共用体(union)での使用例
is_final は、クラスだけでなく共用体に対しても同様に機能します。
#include <iostream>
#include <type_traits>
using namespace std;
union TP {
// final指定のない通常の共用体
};
union T_P final {
// final指定された共用体
};
int main() {
cout << boolalpha;
cout << "is_finalの使用例";
cout << "\nTP(通常の共用体): " << is_final<TP>::value;
cout << "\nT_P(final共用体): " << is_final<T_P>::value;
cout << "\nint型の場合: " << is_final<int>::value;
return 0;
}
出力
上記のコードを実行すると、次のような出力が得られます。
is_finalの使用例 TP(通常の共用体): false T_P(final共用体): true int型の場合: false
まとめ
std::is_final は、型が final クラスかどうかをコンパイル時に判定できる便利な型特性(type traits)テンプレートです。テンプレートメタプログラミングにおいて、継承の可否に応じた処理の分岐などに活用できます。クラスや共用体のどちらにも対応しており、::value メンバを参照するだけで true / false の判定結果を簡単に取得できる点が大きな特徴です。
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