C++ STLのsetを使ってサイズkのすべての部分配列の最大値を効率的に求める方法
このチュートリアルでは、C++ STLのset(std::set)を活用して、サイズkのすべての部分配列(サブアレイ)から最大値を取り出し、その合計を求めるプログラムについて解説します。
長さNの整数型配列と整数Kが与えられたとき、先頭からK個ずつ範囲をずらしながら(スライディングウィンドウ方式)、それぞれの範囲内での最大値を求め、それらをすべて合計して出力するのが今回の課題です。
アルゴリズムのポイント
この問題を効率的に解く鍵となるのが、C++ STLのset<pair<int, int>>です。
- pair構造の活用: 要素の「値」と「インデックス」をペアで格納することで、同じ値が複数存在しても正しく区別できます。
- 自動ソート: setは常に昇順で要素を保持するため、
rbegin()(逆イテレータ)を使えば即座に最大値へアクセスできます。 - 高速な挿入・削除: ウィンドウが移動するたびに、左端の要素を削除して右端に新しい要素を追加するだけで済みます。
挿入・削除・最大値の取得はそれぞれO(log K)で行えるため、全体の計算量はO(N log K)。毎回ウィンドウ内を走査する素朴な手法(O(N×K))と比べて大幅に高速です。
サンプルコード
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
// 各部分配列の最大値の合計を返す関数
int maxOfSubarrays(int arr[], int n, int k){
set<pair<int, int> > q;
set<pair<int, int> >::reverse_iterator it;
// 最初のk個の要素をsetに挿入
for (int i = 0; i < k; i++) {
q.insert(pair<int, int>(arr[i], i));
}
int sum = 0;
// スライディングウィンドウで各最大値を加算
for (int j = 0; j < n - k + 1; j++) {
it = q.rbegin();
sum += it->first; // 現在のウィンドウの最大値を加算
if (j + k < n) { // 配列の範囲外アクセスを防止
q.erase(pair<int, int>(arr[j], j)); // 左端の要素を削除
q.insert(pair<int, int>(arr[j + k], j + k)); // 右側に新しい要素を挿入
}
}
return sum;
}
int main(){
int arr[] = { 4, 10, 54, 11, 8, 7, 9 };
int K = 3;
int n = sizeof(arr) / sizeof(arr[0]);
cout << maxOfSubarrays(arr, n, K);
return 0;
}実行結果
182
処理の流れを確認
上記の例(配列 {4, 10, 54, 11, 8, 7, 9}、K=3)では、次のように各ウィンドウの最大値が求められます。
- {4, 10, 54} → 最大値 54
- {10, 54, 11} → 最大値 54
- {54, 11, 8} → 最大値 54
- {11, 8, 7} → 最大値 11
- {8, 7, 9} → 最大値 9
これらを合計すると 54 + 54 + 54 + 11 + 9 = 182 となり、プログラムの出力と一致します。最後のウィンドウでは要素の入れ替えが不要になるため、コードでは範囲チェックを入れて安全性を高めています。
-
C++でSTLを使用して配列のすべての逆順列を生成する方法
この記事では、C++のSTL(Standard Template Library)を使用して、配列のすべての逆順列を生成する方法を解説します。たとえば、(1, 2, 3) という数値列の順方向の順列と逆順列は、それぞれ以下のようになります。順方向の順列1, 2, 3 1, 3, 2 2, 1, 3 2, 3, 1 3, 1, 2 3, 2, 1逆順列3, 2, 1 3, 1, 2 2, 3, 1 2, 1, 3 1, 3, 2 1, 2, 3逆順列を求めるには、STLの prev_permutation() 関数を使用します。この関数は、現在の並びを辞書式順序で1つ前の順列に変換し、前の順列が
-
C++でSTLを使って配列の積を求める方法
C++では、STL(標準テンプレートライブラリ)のaccumulate関数を利用することで、配列内のすべての要素の積を簡潔に求めることができます。ここでは、その具体的な実装例を紹介します。 アルゴリズム 開始 配列の各要素の値を初期化する。 ユーザー定義関数 accumulate を呼び出し、配列全体の積を取得する。 計算結果を出力する。 終了 サンプルコード #include <iostream> #include <numeric> using namespace std; int ProductOfArray(int p[], int n)