C++で2次元行列から2Dリンクリストを作成する方法(反復アプローチ)
1つの2次元行列が与えられたとき、反復アプローチを使ってそれを2Dリンクリストに変換する方法を解説します。変換後のリンクリストでは、各ノードが右方向へのポインタ(right)と下方向へのポインタ(down)を持つ構造になります。
例として、次のような入力行列を考えてみましょう。
| 10 | 20 | 30 |
| 40 | 50 | 60 |
| 70 | 80 | 90 |
この場合、出力は各行・各列がポインタで連結された2Dリンクリストになります。
アルゴリズムの手順
この問題は、以下の手順で解くことができます。
real_head を NULL で初期化します。
サイズ m の配列 head_arr を定義し、各行の先頭ノードを保持できるようにします。
i を 0 から m 未満まで1ずつ増やしながら、以下を繰り返します。
head_arr[i] を NULL で初期化します。
j を 0 から n 未満まで1ずつ増やしながら、以下を繰り返します。
値 mat[i][j] を持つ新しいノード p を作成します。
real_head が NULL の場合、real_head := p とします。
head_arr[i] が NULL の場合、head_arr[i] := p とします。
そうでなければ、right_ptr の right ポインタに p を接続します。
right_ptr := p と更新します。
i を 0 から m - 1 未満まで1ずつ増やしながら、以下を繰り返して行同士を縦方向に連結します。
p := head_arr[i]、q := head_arr[i + 1] とします。
p と q がどちらも NULL でない間、以下を繰り返します。
p の down ポインタに q を設定します。
p := p の right、q := q の right と更新します。
最後に real_head を返します。
実装例
理解を深めるために、以下のC++での実装例を見てみましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class TreeNode {
public:
int data;
TreeNode *right, *down;
TreeNode(int d){
data = d;
right = down = NULL;
}
};
void show_2d_list(TreeNode* head) {
TreeNode *right_ptr, *down_ptr = head;
while (down_ptr) {
right_ptr = down_ptr;
while (right_ptr) {
cout << right_ptr->data << " ";
right_ptr = right_ptr->right;
}
cout << endl;
down_ptr = down_ptr->down;
}
}
TreeNode* make_2d_list(int mat[][3], int m, int n) {
TreeNode* real_head = NULL;
TreeNode* head_arr[m];
TreeNode *right_ptr, *p;
for (int i = 0; i < m; i++) {
head_arr[i] = NULL;
for (int j = 0; j < n; j++) {
p = new TreeNode(mat[i][j]);
if (!real_head)
real_head = p;
if (!head_arr[i])
head_arr[i] = p;
else
right_ptr->right = p;
right_ptr = p;
}
}
for (int i = 0; i < m - 1; i++) {
TreeNode *p = head_arr[i], *q = head_arr[i + 1];
while (p && q) {
p->down = q;
p = p->right;
q = q->right;
}
}
return real_head;
}
int main() {
int m = 3, n = 3;
int mat[][3] = {
{ 10, 20, 30 },
{ 40, 50, 60 },
{ 70, 80, 90 } };
TreeNode* head = make_2d_list(mat, m, n);
show_2d_list(head);
}入力
{ { 10, 20, 30 },
{ 40, 50, 60 },
{ 70, 80, 90 } }出力
10 20 30 40 50 60 70 80 90
処理のポイント
このアルゴリズムのポイントは、大きく分けて2段階あることです。
- 横方向の連結: 各行を走査しながらノードを作成し、right ポインタで同じ行内のノード同士をつなぎます。head_arr 配列に各行の先頭ノードを記録しておくのが重要です。
- 縦方向の連結: 隣り合う行の先頭ノード同士から順に、down ポインタで対応する位置のノードをつなげていきます。
計算量は行列の全要素を一度ずつ処理するため O(m × n) となり、非常に効率的です。再帰を使わない反復処理なので、大きな行列でもスタックオーバーフローの心配なく安全に動作します。
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