【JavaScript】フラットな配列から階層ツリー構造を構築する方法
JavaScriptで複雑なJSONファイルを処理し、階層構造(ツリー)を持つデータへ変換したい場面はよくあります。例えば、ツリー形式のUIを構築したり、カテゴリの親子関係を表現したりするケースです。本記事では、フラットなJSON配列を親子関係をもつツリー構造へ変換する方法を解説します。
元データの構造
今回扱うJSON配列の各要素は、次のプロパティを持っています。
- id:ノードを一意に識別するID
- parentId:親ノードのID(ツリーのルートの場合は「0」)
- level:ツリー内における階層の深さ
入力データはすでに「整列済み」であるものとします。つまり、ある要素より上には必ずその親ノードまたは兄弟ノードが、下には子ノードまたは兄弟ノードが配置されている順序です。
入力データ
変換前のフラットな配列は以下のとおりです。
const arr = [
{
"id": "12",
"parentId": "0",
"text": "Man",
"level": "1",
"children": null
},
{
"id": "6",
"parentId": "12",
"text": "Boy",
"level": "2",
"children": null
},
{
"id": "7",
"parentId": "12",
"text": "Other",
"level": "2",
"children": null
},
{
"id": "9",
"parentId": "0",
"text": "Woman",
"level": "1",
"children": null
},
{
"id": "11",
"parentId": "9",
"text": "Girl",
"level": "2",
"children": null
}
];
期待する出力
変換後は、各ノードの children プロパティに子ノードがネストされた、次のようなツリー構造になります。
const output = [
{
"id": "12",
"parentId": "0",
"text": "Man",
"level": "1",
"children": [
{
"id": "6",
"parentId": "12",
"text": "Boy",
"level": "2",
"children": []
},
{
"id": "7",
"parentId": "12",
"text": "Other",
"level": "2",
"children": []
}
]
},
{
"id": "9",
"parentId": "0",
"text": "Woman",
"level": "1",
"children": [
{
"id": "11",
"parentId": "9",
"text": "Girl",
"level": "2",
"children": []
}
]
}
];
変換処理の実装
ポイントは、各ノードの配列上の位置(インデックス)を id をキーとしたマップに記録しておくことです。これにより parentId から親ノードを即座に参照でき、全体をわずか2回のループで処理できます。計算量は O(n) となるため、大量のデータでも高速に動作します。
- 1周目のループで、全ノードのインデックスをマップに登録し、
childrenを空配列で初期化する - 2周目のループで、
parentIdが「0」のノードはルートとして結果配列へ追加し、それ以外のノードはマップ経由で親ノードのchildrenに追加する
実際のコードは次のとおりです。
const listToTree = (arr = []) => {
let map = {}, node, res = [], i;
// 1周目:インデックスを記録し、children を空配列で初期化
for (i = 0; i < arr.length; i += 1) {
map[arr[i].id] = i;
arr[i].children = [];
}
// 2周目:parentId を頼りに親子関係を組み立てる
for (i = 0; i < arr.length; i += 1) {
node = arr[i];
if (node.parentId !== "0") {
arr[map[node.parentId]].children.push(node);
} else {
res.push(node);
}
}
return res;
};
console.log(JSON.stringify(listToTree(arr), undefined, 4));
出力結果
コンソールには次のように出力されます。「Man」と「Woman」がルートノードとなり、それぞれの子ノードが正しくネストされていることが確認できます。
[
{
"id": "12",
"parentId": "0",
"text": "Man",
"level": "1",
"children": [
{
"id": "6",
"parentId": "12",
"text": "Boy",
"level": "2",
"children": []
},
{
"id": "7",
"parentId": "12",
"text": "Other",
"level": "2",
"children": []
}
]
},
{
"id": "9",
"parentId": "0",
"text": "Woman",
"level": "1",
"children": [
{
"id": "11",
"parentId": "9",
"text": "Girl",
"level": "2",
"children": []
}
]
}
]
まとめ
マップによるインデックス管理を活用すれば、フラットなJSON配列でも各ノードを1回ずつ走査するだけでツリー構造へ変換できます。再帰呼び出しを使わないシンプルな実装のため、階層が深いデータでもスタックオーバーフローの心配なく安全に処理できる点も大きなメリットです。メニューや組織図など、階層データを扱うあらゆる場面で応用できるテクニックなので、ぜひ覚えておきましょう。
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