Pythonの正規表現修飾子(フラグ)の使い方をわかりやすく解説
Pythonの正規表現では、パターンに修飾子(フラグ)を指定することで、マッチングのさまざまな挙動を制御できます。修飾子は省略可能なオプションとして与えられ、複数のフラグを同時に使いたい場合は、ビット演算子の|(OR)で連結して指定します。
主な正規表現修飾子の一覧
| No. | 修飾子と説明 |
|---|---|
| 1 | re.I 大文字と小文字を区別せずにマッチングを行います。 |
| 2 | re.L 現在のロケール設定に従って単語を解釈します。この指定により、アルファベット系の特殊シーケンス( \w と \W)や単語境界(\b と \B)の動作が影響を受けます。 |
| 3 | re.M$ が行末(文字列の末尾だけでなく各行の終わり)に、^ が行頭(文字列の先頭だけでなく各行の始まり)にマッチするようになります。複数行モードとも呼ばれます。 |
| 4 | re.S ドット( .)が改行文字を含むあらゆる文字にマッチするようになります。デフォルトではドットは改行にマッチしないため、複数行にまたがるテキストを扱う際に便利です。 |
| 5 | re.U Unicode文字セットに基づいて文字を解釈します。 \w、\W、\b、\B の動作に影響します。なお、Python 3ではUnicodeがデフォルトのため、このフラグは後方互換性のために残されています。 |
| 6 | re.X 読みやすさを重視した「拡張」正規表現構文を有効にします。文字クラス [] の内部やバックスラッシュでエスケープされた箇所を除き、空白文字は無視され、エスケープされていない # 以降はコメントとして扱われます。 |
修飾子の基本的な使い方
修飾子は re.compile() や re.search() などの関数にキーワード引数として渡します。
import re
# 大文字小文字を無視して検索する例
pattern = re.compile(r'python', re.I)
match = pattern.search('I love Python programming')
print(match.group()) # 出力: Python複数の修飾子を組み合わせる
複数のフラグを使いたい場合は、| で連結します。たとえば「大文字小文字を無視しつつ、ドットを改行にもマッチさせたい」場合は次のように書きます。
import re
pattern = re.compile(r'<div>.*?</div>', re.I | re.S)
match = pattern.search('<DIV>line1\nline2</DIV>')
print(match.group()) # 改行をまたいでもマッチするre.X を使った可読性の高いパターン
re.X(または re.VERBOSE)を使うと、空白やコメントを含めた整形済みの正規表現を記述でき、複雑なパターンの保守性が大きく向上します。
import re
pattern = re.compile(r'''
(\d{4}) # 年
-(\d{2}) # 月
-(\d{2}) # 日
''', re.X)
match = pattern.match('2024-05-01')
print(match.groups()) # 出力: ('2024', '05', '01')まとめ
正規表現の修飾子を適切に活用すると、大文字小文字の違いを吸収したり、複数行テキストを柔軟に処理したりできるようになり、コードの意図も明確になります。特に re.I、re.M、re.S、re.X は実務で頻繁に使われるため、それぞれの挙動を理解しておくとよいでしょう。
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