Pythonで解くレモネード釣り銭問題:貪欲法による実装と解説
レモネードスタンドの釣り銭問題とは?
レモネードスタンドを想像してみてください。レモネード1杯の価格は5ドルで、客は列に並んで順番に1杯ずつ購入していきます。
各客が支払いに使えるのは、5ドル札・10ドル札・20ドル札のいずれかです。店側はすべての客に対して正確な釣り銭を用意し、実質的に客が5ドルを支払う形にしなければなりません。しかも、開店時点では手元に釣り銭が1枚もない状態から始まります。
この記事では、「すべての客に正しく釣り銭を渡すことができるか?」を判定するアルゴリズムを、Pythonで実装しながら解説します。
入力例と出力例
たとえば、支払いの順序が [5, 5, 5, 10, 20] だった場合を考えてみましょう。このときの出力は True になります。
- 1〜3人目: 5ドル札で支払うため釣り銭は不要。手元に5ドル札が3枚たまります。
- 4人目: 10ドル札で支払うため、おつりとして5ドル札を1枚渡します(残り2枚)。
- 5人目: 20ドル札で支払うため、10ドル札1枚と5ドル札1枚、計15ドルをおつりとして渡します。
このように全員に正確な釣り銭を渡せたため、結果は True となります。
解法のアプローチ:貪欲法
この問題は貪欲法(グリーディ法)で効率よく解けます。鍵となるのは、20ドル札を受け取ったときのおつりの渡し方です。
15ドルのおつりは「10ドル札+5ドル札」または「5ドル札×3枚」の2通りで作れます。ここで10ドル札と5ドル札の組み合わせを優先するのがポイントです。5ドル札はあらゆるおつりに使える万能な紙幣なので、できるだけ手元に残しておくのが得策だからです。
アルゴリズムの手順
- 手持ちの紙幣を管理する変数
n5(5ドル札の枚数)、n10(10ドル札の枚数)、n20(20ドル札の枚数)を0で初期化します。 - 支払いリスト
billsの各要素iについて、以下の処理を繰り返します。iが5ならn5を+1、10ならn10を+1、それ以外(20)ならn20を+1します。- 5ドル札が1枚もない状態(
n5 == 0)であれば、10ドル以上の支払いに対応できないためFalseを返します。 iが20の場合:n10 > 0かつn5 > 0なら、10ドル札1枚と5ドル札1枚でおつりを作ります(両方を-1)。n10 == 0かつn5 < 3なら、おつりを作れないためFalseを返します。n10 == 0かつn5 >= 3なら、5ドル札3枚でおつりを作ります(n5を-3)。
iが10の場合:n5 > 0なら、5ドル札1枚をおつりとして渡します(n5を-1)。n5 == 0なら、おつりを作れないためFalseを返します。
- すべての客に対応できたら
Trueを返します。
Pythonでの実装例
それでは、実際のコードを見てみましょう。
class Solution:
def lemonadeChange(self, bills):
n5 = 0
n10 = 0
n20 = 0
for i in bills:
if i == 5:
n5 += 1
elif i == 10:
n10 += 1
else:
n20 += 1
if len(bills) > 0 and n5 == 0:
return(False)
if i == 20 and n10 > 0 and n5 > 0:
n10 -= 1
n5 -= 1
elif i == 20 and n10 == 0 and n5 < 3:
return(False)
elif i == 20 and n10 == 0 and n5 >= 3:
n5 = n5 - 3
if i == 10 and n5 > 0:
n5 -= 1
elif i == 10 and n5 == 0:
return (False)
return(True)
ob = Solution()
print(ob.lemonadeChange([5,5,5,10,20]))
入力
[5,5,5,10,20]
出力
True
まとめ
レモネード釣り銭問題は、紙幣の種類が5種類と限られているため、貪欲法によってO(n)の計算量で解けるシンプルなシミュレーション問題です。重要なのは「20ドル札のおつりには、可能な限り10ドル札を使う」という優先順位の付け方です。5ドル札はどんなおつりにも使えるため、これを温存する判断が全体の成否を左右します。この発想は、両替システムや自動販売機の釣り銭管理など、実務の金銭処理ロジックにも応用できる考え方です。
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