Pythonで2つのリストの要素の2乗和が指定範囲内となるペアの数を効率的に求めるプログラム
問題概要
2つの数値リスト nums1 と nums2、および下限値 lower と上限値 upper が与えられます。このとき、次の条件を満たすペア (i, j) の総数を求めるのが目的です。
lower ≤ nums1[i]² + nums2[j]² ≤ upper
入力例
たとえば、nums1 = [5, 3, 2]、nums2 = [8, 12, 6]、lower = 10、upper = 50 という入力の場合、答えは 2 になります。条件を満たすのは (1, 2) と (2, 2) の2組だからです。
- 10 ≤ 3² + 6² = 45 ≤ 50
- 10 ≤ 2² + 6² = 40 ≤ 50
解き方のポイント
すべてのペア (i, j) を総当たりで調べると計算量が O(n × m) となり、リストが大きい場合には非効率です。そこで、二分探索(bisect) を活用して高速化します。手順は以下の通りです。
- nums1、nums2 の各要素をそれぞれ自乗した値に置き換える。
- n を nums1 のサイズ、m を nums2 のサイズとする。
- n > m の場合は、nums1 と nums2(および n と m)を入れ替える。短い方を走査対象にすることで処理を効率化するためです。
- nums2 を昇順にソートする。
- 結果を格納する変数 res を 0 で初期化する。
- nums1 の各要素 e1 について次を繰り返す。
- st:nums2 に (lower − e1) を挿入してもソート順が保たれる最左位置(
bisect_left) - en:nums2 に (upper − e1) を挿入してもソート順が保たれる最右位置(
bisect_right) - count = en − st を計算し、res に加算する。
- st:nums2 に (lower − e1) を挿入してもソート順が保たれる最左位置(
- 最後に res を返す。
bisect_left は等しい要素の「手前」の位置を返し、bisect_right は「後ろ」の位置を返します。この2つの差分を取ることで、lower 以上 upper 以下の範囲に収まる要素の個数を、重複値を含めて正確に数えられるのがこの手法の肝です。
Pythonでの実装例
from bisect import bisect_left, bisect_right
def solve(nums1, nums2, lower, upper):
nums1 = [i * i for i in nums1]
nums2 = [i * i for i in nums2]
n, m = len(nums1), len(nums2)
if n > m:
nums1, nums2 = nums2, nums1
n, m = m, n
nums2 = sorted(nums2)
res = 0
for e1 in nums1:
st = bisect_left(nums2, lower - e1)
en = bisect_right(nums2, upper - e1)
count = en - st
res += count
return res
nums1 = [5, 3, 2]
nums2 = [8, 12, 6]
lower = 10
upper = 50
print(solve(nums1, nums2, lower, upper))入力
[5, 3, 2], [8, 12, 6], 10, 50
出力
2
計算量について
nums2 のソートに O(m log m)、各要素ごとの二分探索に O(log m) かかるため、全体の計算量は O((n + m) log m) となります。全ペアを直接調べる O(n × m) の素朴なアプローチと比べて大幅に高速であり、リストのサイズが大きいケースでも実用的な性能を発揮します。
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