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Javaのデフォルトメソッドで菱形継承問題(ダイアモンド問題)を解決する方法

継承とは

継承とは、あるクラスが別のクラスのプロパティやメソッドを受け継ぐ、クラス間の関係のことです。Javaでは「extends」キーワードを使って、次のように定義します。

public class A extends B{
}

性質を引き継ぐ側のクラスをサブクラス(子クラス)、引き継がれる側のクラスをスーパークラス(親クラス)と呼びます。

継承が行われると、スーパークラスのメンバーのコピーがサブクラスのオブジェクト内に作られます。そのため、サブクラスのオブジェクトを使えば、親クラスと子クラスの両方のメンバーにアクセスできます。

多重継承とは

継承には、単一継承、多段継承、階層継承、多重継承、ハイブリッド継承など、さまざまな種類があります。

多重継承では、1つのクラスが複数のクラスから性質を引き継ぎます。言い換えれば、子クラスが1つに対して、親クラスが複数存在する関係です。しかし、Javaはクラスによる多重継承をサポートしていません。

菱形継承問題(ダイアモンド問題)とは

ここで例として、「Javaが多重継承をサポートしている」と仮定して考えてみましょう。

まず、抽象メソッドを1つ持つ抽象クラス Sample を定義します。

public abstract class Sample {
    public abstract void demo();
}

同じパッケージ(フォルダー)内に、このクラスを継承して抽象メソッド demo() を実装する2つのクラスを用意します。

public class Super1 extends Sample{
    public void demo() {
        System.out.println("demo method of super1");
    }
}
public class Super2 extends Sample{
    public void demo() {
        System.out.println("demo method of super2");
    }
}

仮定に従えばJavaは多重継承をサポートしているため、Super1 と Super2 の両方を継承してみます。

public class SubClass extends Super1, Super2 {
    public static void main(String args[]) {
        SubClass obj = new SubClass();
        obj.demo();
    }
}

継承の基本ルールによれば、両方の demo() メソッドのコピーがサブクラスのオブジェクト内に作られるはずです。すると、サブクラスは同じシグネチャ(名前と引数)を持つ2つのメソッドを抱えることになります。この状態でサブクラスのオブジェクトから demo() メソッドを呼び出すと、コンパイラは「どちらのメソッドを呼べばよいのか」判断できず、曖昧さの問題に直面します。これがJavaにおける菱形継承問題です。

Javaのデフォルトメソッドで菱形継承問題(ダイアモンド問題)を解決する方法

このような理由から、Javaは多重継承をサポートしておらず、extends で継承できるクラスは1つだけに制限されています。それでも無理に複数のクラスを継承しようとすると、コンパイル時エラーが発生します。

発生するコンパイル時エラー

上記のようなプログラムをコンパイルすると、次のようなエラーが出力されます。

MultipleInheritanceExample.java:9: error: '{' expected
public class MultipleInheritanceExample extends MyInterface1, MyInterface2{
                                                                                ^
1 error

解決策:デフォルトメソッドとインターフェース

Javaでは、インターフェースデフォルトメソッド(Java 8で導入)を組み合わせることで、事実上の多重継承を実現できます。

Java 8以降、インターフェースにはデフォルトメソッドが導入されました。これは、他の抽象メソッドと異なり、インターフェース内にデフォルトの実装を持つメソッドです。インターフェースにデフォルトメソッドがある場合、そのインターフェースを実装するクラスで必ずしもオーバーライド(本体の提供)を行う必要はありません。

さらに、2つの異なるインターフェースに同じ名前・同じシグネチャのデフォルトメソッドを持たせることが可能で、1つのクラスからこれら2つのインターフェースを同時に実装できます。

ただしその場合、クラス側でデフォルトメソッドを必ず明示的にオーバーライドし、「インターフェース名.super.メソッド名()」という形式で、どのインターフェースの実装を呼び出すのかを指定する必要があります。これにより、どちらのメソッドを使うかが曖昧になる問題を回避できるのです。

コード例

interface MyInterface1{
    public static int num = 100;
    public default void display() {
        System.out.println("display method of MyInterface1");
    }
}
interface MyInterface2{
    public static int num = 1000;
    public default void display() {
        System.out.println("display method of MyInterface2");
    }
}
public class InterfaceExample implements MyInterface1, MyInterface2{
    public void display() {
        MyInterface1.super.display();
        //または、
        MyInterface2.super.display();
    }
    public static void main(String args[]) {
        InterfaceExample obj = new InterfaceExample();
        obj.display();
    }
}

出力結果

display method of MyInterface1
display method of MyInterface2

まとめ

クラスの多重継承は曖昧さの原因となるため、Javaでは許可されていません。一方、インターフェースであれば複数同時に実装でき、Java 8以降のデフォルトメソッドと組み合わせれば、実装の再利用を伴う多重継承に近い設計が可能です。競合が発生した場合は、インターフェース名.super.メソッド名() の形式で明示的に呼び出し先を指定することで、菱形継承問題を安全に解決できます。

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