Upstash RedisでNext.jsブログに閲覧数カウンターを実装する方法
Leeさんのブログでは、すべての記事に閲覧数が表示されており、それに触発されて、自分のサイトにも同じ機能を導入したいと思うようになりました。私のプロジェクトでもNext.js 13の新しいApp Routerを使用していますが、ページビューの保存にはMySQLデータベースではなくUpstash Redisを採用します。
以下は、今回構築する機能のイメージです。トップページの各カードには、それぞれの記事の閲覧数が表示されます。

なぜRedisなのか?
Redisには、重複排除とカウンターのインクリメントを簡単に実現できる、優れたコマンドが2つ標準で用意されています。
より正確なカウンターを実現するため、カウンターの増加にはデバウンス(間引き)処理を加えます。ユーザーがページを再読み込みしても、カウンターは1回だけしか増えないようにするのです。これはRedisのSETコマンドを使えば非常に簡単に実装できます。SETコマンドには、キーがまだ存在しない場合にのみ値を設定するNXオプションと、指定した秒数後にキーを失効させるEXオプションがあります。この2つを組み合わせれば、一定期間内に同一ユーザーがカウンターを何度も増やすことを防げます。
もう1つのコマンドはINCRです。指定したキーの値を1だけアトミックに増加させます。
Redisのセットアップ
Upstashでのデータベース作成はとても簡単で、無料プランでも1日10,000リクエストまで利用できます。公式サイトから新しいデータベースを作成でき、所要時間はほんの数秒です。作成後はページを下へスクロールし、REST接続情報を.env.localファイルにコピーしておきましょう。
.env.local
UPSTASH_REDIS_REST_URL=
UPSTASH_REDIS_REST_TOKEN=
Next.jsでの実装
Redisデータベースの準備が整ったので、カウンターの実装に取り掛かりましょう。まずは@upstash/redisをインストールします。
pnpm add @upstash/redis
ページビューを保存するには、「APIルート」と「クライアントコンポーネント」の2つの要素が必要です。まずはAPIルートから始めます。
/api/incr.ts
Upstashと@upstash/redisはVercelのEdge Functionsと互換性があるため、まず必要なモジュールをすべてインポートし、redisをセットアップして、ランタイムをedgeに設定します。
新しいファイル/api/incr.tsを作成し、以下のコードを追加してください。
/api/incr.ts
import { NextRequest, NextResponse } from "next/server";
import { Redis } from "@upstash/redis";
const redis = Redis.fromEnv();
export const config = {
runtime: "edge",
};
次に、リクエストボディでslugなどの識別子を受け取ります。存在しない場合はステータスコード400を返します。
/api/incr.ts
export default async function incr(req: NextRequest): Promise<NextResponse> {
const body = await req.json();
const slug = body.slug as string | undefined;
if (!slug) {
return new NextResponse("Slug not found", { status: 400 });
}
// ここに後続の処理を追加
}
続いて、ユーザーのIPアドレスを取得します。req.ipプロパティを使えば簡単に取得できます。取得したIPアドレスは、SHA-256アルゴリズムでハッシュ化してからデータベースに保存します。こうすることで、セキュリティ上の懸念になり得るIPアドレスそのものを保存せずに済みます。
/api/incr.ts
const ip = req.ip;
// IPをハッシュ化し、16進数の文字列に変換
const buf = await crypto.subtle.digest("SHA-256", new TextEncoder().encode(ip));
const hash = Array.from(new Uint8Array(buf))
.map((b) => b.toString(16).padStart(2, "0"))
.join("");
ここで、先ほど紹介した1つ目のRedisコマンドを活用します。SETをNXとEXオプション付きで使えば、特定のIPアドレスが直近24時間以内にそのページを閲覧済みかどうかを簡単に判定できます。
/api/incr.ts
const isNew = await redis.set(["deduplicate", hash, slug].join(":"), true, {
nx: true,
ex: 24 * 60 * 60,
});
if (!isNew) {
new NextResponse(null, { status: 202 });
}
最後に、対象のslugに紐づくカウンターを増加させます。ここではINCRコマンドを使用します。
/api/incr.ts
await redis.incr(["pageviews", "projects", slug].join(":"));
return new NextResponse(null, { status: 202 });
参考までに、完全なコードは元記事から確認できます。
/app/[slug]/view.tsx
続いて、マウントされたタイミングで先ほど作成したAPIルートへリクエストを送信する、シンプルなクライアントコンポーネントを作成します。このコンポーネントは、トラッキングしたい任意のページに埋め込めるのが便利なポイントです。
/app/[slug]/view.tsx
"use client";
import { useEffect } from "react";
export const ReportView: React.FC<{ slug: string }> = ({ slug }) => {
useEffect(() => {
fetch("/api/incr", {
method: "POST",
headers: {
"Content-Type": "application/json",
},
body: JSON.stringify({ slug }),
});
}, [slug]);
return null;
};
/app/[slug]/page.tsx
最後に、トラッキング対象のページにReportViewコンポーネントを組み込みます。
/app/[slug]/page.tsx
import { ReportView } from "./view";
type Props = {
params: {
slug: string;
};
};
export default function Page({ params }: Props) {
return (
<div>
<ReportView slug={params.slug} />
{/* ここにページのコンテンツを記述 */}
</div>
);
}
これ以降、/app/[slug]へのすべてのアクセスが記録され、直近24時間以内のユニーク訪問者ごとにカウンターが増加していきます。
閲覧数の表示
閲覧数を記録できるようになりましたが、せっかくなので公開して表示したいところです。その方法を見ていきましょう。
閲覧数を表示するには、データベースから値を取得する必要があります。これにはGETコマンドを使用します。あわせて、ページコンポーネントにrevalidateの設定を追加しておくと効果的です。こうすることで、リクエストのたびではなく60秒ごとにページが再検証され、パフォーマンス面でも有利になります。
/app/[slug]/page.tsx
type Props = {
params: {
slug: string;
};
};
export const revalidate = 60
export default function Page({ params }: Props) {
const views = await redis.get<number>(["pageviews", "projects", params.slug].join(":")) ?? 0
return ...
}
まとめ
この実装の完全なサンプルはchronark.comで公開されています。ソースコードもGitHubで入手可能です。特に参考になるのは以下の部分です。
- APIルート
- トラッキング用コンポーネント
- 閲覧数の読み込み処理
より高度なページビュー分析に興味がある方は、ぜひTwitterやDiscordでフィードバックをお寄せください。
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