モバイルアプリ開発言語の選び方を徹底解説!Java・Kotlin・Swift・Flutterなど主要言語の特徴と比較
モバイルアプリを開発したいなら、モバイル開発向けのプログラミング言語を習得する必要があります。しかし、プロジェクトに最適な言語(あるいは複数の言語)を選ぶのは簡単ではありません。選択肢は非常に多く、迷ってしまう方も少なくないでしょう。
この記事では、数あるモバイル開発言語の中から最適なものを選べるよう、各言語の特徴や違いをわかりやすく解説します。
どのプログラミング言語を選ぶかは、「何を作りたいか」によって大きく変わります。特定のアプリであれば、ある言語が持つすべての機能が必要ない場合もありますし、逆にひとつのアプリを作るのに複数の言語が必要になるケースもあります。各言語の詳細な特徴を理解して、自分に合った正しい選択ができるようにしましょう。
Androidネイティブ開発の言語
Java
TIOBE Indexによると、Javaは2022年1月時点で世界第3位の人気を誇るプログラミング言語です。Androidアプリを開発したいのであれば、まずJavaを選んでおけば間違いないでしょう。大規模で成熟した開発者コミュニティを持っているため、技術的なサポートやノウハウを容易に得られるのが大きな強みです。
Javaでモバイル開発を行えば、思いつくあらゆる種類のアプリを自由に作ることができます。その限界は、あなたの想像力とJavaの知識レベルだけと言えるでしょう。
Kotlin
Kotlinは、人気IDE「IntelliJ IDEA」で知られるチェコの企業JetBrainsによって設計・開発された言語です。GoogleのAndroidチームは2017年、Kotlinプログラミング言語の公式サポートを発表しました。
Kotlinは、Javaが抱えていたいくつかの課題を解決するために開発されました。Kotlinのファンによれば、その構文はよりシンプルでクリーンであり、コードの肥大化(ボイラープレート)を抑えられます。冗長な構文に悩まされることなく、本来解決すべき問題に集中できるのです。さらに、KotlinとJavaは同じプロジェクト内で併用できるため、非常に強力な組み合わせとなります。
iOSネイティブ開発の言語
Swift
iOSデバイス向けの開発を目指すなら、Swiftが第一候補になるでしょう。2014年に登場し、2015年にオープンソース化されたSwiftは、現在ではiOS開発者の主流言語となっています。
TIOBEプログラミング言語インデックス(2022年1月)によると、Swiftは第10位の人気言語です。
AppleはSwift 5.5でasync/await、構造化並行性、アクターなど、優れた新機能を多数追加しました。AppleがSwiftの普及に多大な努力を注いでいることは、同社がこの新しい言語を自社アプリエコシステムの主流プログラミング言語にしたいという明確な意志の表れです。
Objective-C
Objective-Cは、iOSの最初期から使われてきた開発言語です。SwiftがiOS開発の最先端である一方、依然として多くのプロジェクトがObjective-Cに依存しています。そのため、Objective-CからSwiftへの移行はやや緩やかに進んでおり、プロジェクトによっては両方の言語が必要になることもあります。
クロスプラットフォーム開発の言語
JavaScript + React Native
JavaScriptは、World Wide Webの黎明期から続く長い歴史を持つ言語です。フロントエンドとサーバーサイドの両方で広く使われる人気言語であり、Web開発者はWebサイトのユーザー体験向上から本格的なWebアプリの構築まで、あらゆることができます。
今日では、モバイル開発プラットフォームに特化したJavaScriptフレームワークが複数存在しており、その代表格がReact Nativeです。
React Nativeは、従来のWeb開発者がJavaScriptとReactの構文を組み合わせて、iOS・Android・Web向けアプリを単一のコードベースから構築できるフレームワークです。つまり、開発者はアプリのバージョンをひとつだけ書けば、iOSとAndroidの両方で動作させることができます。
React Nativeの開発体験は、Web向けのReact DOMと非常によく似ています。ただし、ユーザーインターフェースの構成要素としてHTMLやDOMを使う代わりに、iOSとAndroidに実在するネイティブコンポーネントを使用する点が異なります。
React Nativeの背後にある哲学は「一度学べば、どこでも書ける(Learn Once, Write Anywhere)」です。一度Reactを学べば、Web・Android・iOS向けのアプリケーションを書けるということです。
JavaScript + Ionic(ハイブリッドアプリ向け)
クロスプラットフォームアプリ構築のためのもうひとつのフレームワークがIonicです。Ionicを使えば、HTML・CSS・JavaScriptといった既存のWeb技術だけで、ハイブリッドモバイルアプリを開発できます。
Ionicの基本理念は「一度コードを書けば、複数のプラットフォームでシームレスに動かす」というものです。ハイブリッドアプリとは、端的に言えばWebViewを通じてネイティブデバイス上に埋め込まれたWebアプリのことです。ハイブリッドアプリは多くのネイティブデバイス機能と直接通信できないため、Apache Cordovaと呼ばれるブリッジを使用します。これはネイティブコードをJavaScript APIでラップし、Webアプリからアクセスできるようにする仕組みです。
Ionicフレームワークは、事前設計されたUIコンポーネント、テーマ、タイポグラフィなどの要素を活かして、洗練されたアプリを効率よく作れる点が魅力です。
Dart + Flutter
Flutterは、iOS・Android・Web・デスクトップ向けアプリを開発するためのUIフレームワークです。Googleは2015年にFlutterの初期版をリリースし、2018年に初の安定版を公開しました。
Flutterの人気が高まり続けているのは、その豊富な機能群によるものです。フレームワークの中核には、高性能なグラフィックスエンジンとDartプログラミング言語の組み合わせがあります。開発時には、Dartが完全な型安全性とホットリロードを提供し、信頼性の高いアプリを素早く構築する助けとなります。
本番環境では、Dartはネイティブマシンコードへコンパイルされます。これにより、あらゆるプラットフォームで美しく滑らかなグラフィックス描画が実現します。
Flutterは、異なるデバイスで動作させるための追加ブリッジを必要とせず、IonicのようなWebView型フレームワークとも一線を画します。Flutterはソースコードを直接マシンコードへコンパイルする独自の技術を持っており、この仕組みが速度とパフォーマンスを大幅に向上させています。
その他の言語
C
Cはこのリストの中で最も古い言語ですが、TIOBEインデックスにおいて常に最も人気のある言語のひとつであり続けています。Javaと同様に、コミュニティには経験豊富な開発者が多く集まっており、バグのないコードを書くための貴重なアドバイスをもらえます。
Cは、ベル研究所に勤務していたデニス・リッチーによって生み出されました。コンピュータの低レベル操作を直接扱える、広く採用された強力な言語です。Android NDK(Native Development Kit)を使いたい場合は、C言語に慣れておく必要があります。
C++
Cに精通しているなら、C++のコードを読み書きするのはとても楽しく感じられるはずです。C++はCの拡張版であり、より高度な機能とオブジェクト指向プログラミングのサポートを備えています。C++はAndroid NDK開発者の間でも人気の言語です。また、Windows Mobileアプリの開発にもC++を使用できます。ソフトウェア開発の分野でC++はJavaと肩を並べる存在であり、習得する価値は十分にあります。
モバイルアプリの分類方法
モバイルアプリは、「ネイティブ」「ハイブリッド」「ネイティブクロスプラットフォーム」の3つのカテゴリーに分類できます。ネイティブアプリはOSの全機能を最大限に活用でき、パフォーマンスの面でも最速です。しかし、プラットフォームごとに使用するプログラミング言語が異なるため、モバイルプラットフォームごとに別々のコードベースを維持する必要があります。
たとえば、AndroidではJavaまたはKotlinに加えてC/C++を使ってネイティブアプリを開発します。AppleのiOSプラットフォームは、Objective-CとSwiftをネイティブ言語としています。これらのネイティブアプリ用プログラミング言語は、いずれもインタプリタ方式ではなくコンパイル方式です。
ハイブリッドモバイルアプリは、実際にはモバイルデバイスでも動作するよう設計されたWebサイトです。ユーザーはモバイルブラウザ経由で、デスクトップPCでWebサイトを見るのと同じ感覚でアクセスできます。Webアプリを開発したいなら、HTML5・CSS・JavaScriptの組み合わせが定番の選択肢です。IonicはこうしたWebViewベースのプラットフォームの一例です。
近年、新しいタイプのモバイルクロスプラットフォームフレームワークが登場しました。これらのフレームワークは、ネイティブアプリとハイブリッドアプリの長所を兼ね備えており、高速かつ軽量で、ネイティブデバイスのフルパワーにアクセスできます。その多くはJavaScriptなどのWeb系言語で記述されるため、プラットフォーム間で大量のコードを再利用できます。React Nativeは、このクラスのモバイルクロスプラットフォームフレームワークの代表例です。
言語の機能比較
言語の詳細な機能に入る前に、まずはプラットフォームを選択しましょう。さまざまなプラットフォームの特徴や自分に合った選び方については、関連記事「Mobile Development Platforms」を参考にしてください。ここでは、すでにモバイル開発プラットフォームを選んだ前提で、各言語の機能を比較していきます。
Androidネイティブ開発の場合
Androidネイティブ開発では、JavaとKotlinが有力な選択肢です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
Null安全
KotlinはNull参照をより厳密に制御できるため、Javaで頻発する有名なNullPointerExceptionバグをはるかに排除しやすくなっています。これにより開発時間が短縮され、プログラマーの生産性が向上します。
並行処理
Javaも並行処理をサポートしていますが、関連コードは可読性や保守性の面で課題を抱えがちです。Kotlinはコルーチンによってこれらの問題を解決し、読みやすく理解しやすいコードを実現しています。
型システム
Javaの型システムは一貫性に欠ける部分があり、時に混乱を招くことがあります。特にintやbooleanといったプリミティブ型は特殊なケースとして扱う必要があります。対照的に、Kotlinは比較的シンプルで柔軟な型システムを採用しており、プログラマーのミスを最小限に抑えられます。
サポートされるプログラミングスタイル
Javaは理論上さまざまなプログラミングスタイルをサポートできますが、OOP(オブジェクト指向プログラミング)を過度に推進していると感じる開発者もいます。一方、Kotlinは特定のスタイルを強制しないため、開発者は自分に最適なアプローチを自由に選べます。ただし、Kotlin開発者にはソフトウェアアーキテクチャと開発原則に関する深い知識が求められます。
どちらを選ぶべきか?
一言でいえば、Kotlinの方がJavaよりも優れているように見えますが、完全な移行にはまだ時間がかかるかもしれません。ひとつの課題は、プログラマーがJava由来の思考パターンに慣れていることです。もうひとつは、Kotlinが比較的新しい言語であり、一部の機能がまだ実験的な段階にあることです。
いずれにせよ、GoogleはKotlinへの完全なサポートを明確に表明しています。実際、公式Android IDEであるAndroid StudioはKotlinをフルサポートしており、新機能も継続的に追加されています。今後数年間は、少なくともAndroidネイティブ開発の分野では、JavaからKotlinへの移行期が続くことになるでしょう。
iOSネイティブ開発の場合
iOS開発の選択肢は、Objective-CとSwiftの2つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
コード構文
Swiftはシンプルで明快な構文を持ち、最小限のコード行数で目的を達成できます。これによりプログラマーのミスが減り、バグ修正も容易になります。
メモリ管理
メモリ管理の面では、SwiftはObjective-Cを明確に上回ります。Swiftはより堅牢で信頼性の高い制御メカニズムを備えており、プログラマーは望ましくないメモリリークを回避できます。
パフォーマンス
Swiftコードの実行速度はObjective-Cよりはるかに速く、アプリ全体のパフォーマンス向上と優れたユーザー体験につながります。
サポートされるプログラミングスタイル
Objective-Cと異なり、Swiftは関数型プログラミングも標準でサポートしています。そのため、開発者は特定のプログラミングスタイルに縛られることなく、問題を明確に把握してより良い解決策を導き出せます。
どちらを選ぶべきか?
Androidネイティブ開発でKotlinが徐々にJavaを置き換えつつあるのと同じように、iOSネイティブ開発ではSwiftが確実に発展を続け、Objective-Cを引退へと追い込んでいくでしょう。AppleはすでにSwiftへの幅広いサポートを開始しており、今後さらに充実していくはずです。Android開発者と同様、iOS開発者も今まさに移行期を経験しています。
コード移行ツールはいくつか存在しますが、Objective-CプロジェクトをSwiftへ問題なく完全変換できるとは限りません。場合によっては特別な回避策が必要になり、それにはObjective-Cの相応の知識が求められます。したがって、最善の戦略はSwiftを優先し、どうしても必要な場合にのみObjective-Cを少し学ぶことです。また、Swiftの最新動向にも常に目を配りましょう。
クロスプラットフォームアプリの場合
JavaScript(他のHTML5技術と組み合わせて)は、最も広く使われているクロスプラットフォームモバイル開発言語です。Dartなど他の言語もありますが、JavaScriptが最も幅広いサポートと採用実績を誇ります。
Flutterでモバイル開発の最先端に挑戦してみたいなら、思い切ってDartを学びましょう。ただし、Flutterプラットフォームが数年後も存続している保証はありません。実績のある安定した選択肢を望むなら、JavaScript、あるいは型を拡張した姉妹言語であるTypeScriptに絞るのが賢明です。
まとめ
各言語の特徴と業界の最新トレンドを理解していなければ、モバイル開発言語の選択は難しいものになります。しかし、その知識があれば、言語選択がモバイル開発プラットフォームの選択に大きく依存していることも見えてきます。
この記事を通じて、モバイルアプリ開発言語についての全体像がより明確になり、各言語の特徴を最新の開発トレンドと照らし合わせて判断できるようになったはずです。さあ、自信を持って次のアプリのコーディングを始めましょう!
新しい言語の学習を始める際の助けが必要な方は、この記事内で紹介しているチュートリアルや動画講座、その他のモバイル開発関連記事もぜひチェックしてみてください。
※本記事はKingsley Ubahの寄稿により更新されました。Kingsleyは読者に学びと刺激を与えるコンテンツ制作に情熱を注ぐライターです。趣味は読書、サッカー、サイクリングです。
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