CSSショートハンド(省略記法)プロパティの使い方 ― スタイルシートをコンパクトに書くテクニック
CSSショートハンドプロパティ(省略記法)を使えば、スタイルシートのコード量を大幅に減らし、よりスッキリとした記述が可能になります。この記事では、その基本的な使い方と実例をわかりやすく解説します。
CSSショートハンドとは?
CSSのショートハンドプロパティとは、複数のスタイル宣言を1行にまとめて書ける便利な記法のことです。「少ないコードで、多くのことを実現できる」というのが最大のメリットです。
たとえば、h1要素にGeorgiaフォントファミリー、フォントサイズ42px、行の高さ1.25を指定したいとしましょう。
まずは、通常のCSSの書き方を見てみます。
h1 {
font-family: "Georgia", "serif";
font-size: 42px;
line-height: 1.25;
}
次に、fontショートハンドを使った場合の書き方と比較してみましょう。
h1 {
font: 42px/1.25 "Georgia", "serif";
}
3行がたった1行に! これがショートハンドの威力です。
ショートハンドプロパティは、複数のスタイル宣言を1行にまとめることで、コード全体の分量を抑えることができます。
可読性について
ショートハンドで書かれたコードは、通常の書き方に比べると一見読みにくく感じるかもしれません。通常の書き方の方が意図が明確に表現できるからです。しかし、それは単に「慣れていない」だけ。使い始めれば、すぐに自然と身につくようになります。
paddingショートハンドの実例
もうひとつ、別のショートハンドの例を見て理解を深めましょう。
ここに、上下のパディングが12px、左右のパディングが20pxのボタンがあります。
通常の書き方では、以下のように4つのpaddingプロパティを使います。
button {
padding-top: 12px;
padding-right: 20px;
padding-bottom: 12px;
padding-left: 20px;
}
次に、ショートハンドのpaddingプロパティを使って、コードをすっきりさせてみます。
button {
padding: 12px 20px; /* 上下・左右 */
}
4行が1行になりました!
上記のpaddingショートハンドは、値を2つ使っていることから「2値ショートハンド」と呼ばれます。
- 1つ目の値
12pxは、padding-topとpadding-bottom(上下)に対応します。 - 2つ目の値
20pxは、padding-leftとpadding-right(左右)に対応します。
なお、paddingやmarginのショートハンドには、値の数によって意味が変わるルールがあります。
- 値が1つ: 全4辺に同じ値が適用される
- 値が2つ: 1つ目が上下、2つ目が左右に適用される
- 値が3つ: 1つ目が上、2つ目が左右、3つ目が下に適用される
- 値が4つ: 上・右・下・左の順(時計回り)に適用される
CSSショートハンドプロパティの一覧
CSSには以下のようなショートハンドプロパティが存在します:
all、animation、background、border、border-block-end、border-block-start、border-bottom、border-color、border-image、border-inline-end、border-inline-start、border-left、border-radius、border-right、border-style、border-top、border-width、column-rule、columns、flex、flex-flow、font、gap、grid、grid-area、grid-column、grid-row、grid-template、list-style、margin、mask、offset、outline、overflow、padding、place-content、place-items、place-self、scroll-margin、scroll-padding、text-decoration、text-emphasis、transition
詳細については、Mozilla(MDN Web Docs)のCSSショートハンド公式ドキュメントを参照してください。
覚えておくべきショートハンドはどれ?
すべてのショートハンドプロパティを暗記する必要はありません。実際に使う機会がほとんどないものも多いからです。
ただし、このチュートリアルで紹介したfontとpaddingは、最も使用頻度の高いショートハンドなので、確実にマスターしておきましょう。
さらに、以下のショートハンドプロパティも頻繁に使うことになるので、合わせて学んでおくことをおすすめします。
margin(マージンの一括指定)background(背景色・画像・位置などの一括指定)border(境界線の太さ・種類・色の一括指定)animation(アニメーション設定の一括指定)transition(トランジション効果の一括指定)border-radius(角丸の半径の一括指定)
ショートハンドを活用すれば、CSSのコードが短くなり、保守性も向上します。まずはfontやpadding、marginといった頻出のものから、日々のコーディングに取り入れてみてください。
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