Linuxで入力可能なPDFフォーム(記入式PDF)を作成できる無料ツール4選
概要:本記事では、Linux環境で「インタラクティブフォーム」とも呼ばれる、記入可能なフィールドを含むPDFファイルを作成できるおすすめのアプリケーションを紹介します。
Linux上で強力なPDFファイルの作成・編集ツールをお探しなら、選択肢は豊富にあります。ページの結合やトリミング、注釈の追加といった基本的な編集操作はもちろん、高度な機能を備えたものまで多数存在します。
しかし、すべてのPDFエディターが「PDFフォーム」を作成できるわけではありません。PDFフォームとは、他のユーザーが記入できるインタラクティブなフィールドを埋め込んだ編集可能なPDFのことです。アンケート用紙、申込書、売買契約書などを作成したい場合に非常に便利な形式です。
以下では、さまざまなLinuxディストリビューションで動作し、無料でPDFフォームを生成できるソリューションをご紹介します。
1. ONLYOFFICE Docs
ONLYOFFICE Docsは、テキスト文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、記入式フォーム、PDFファイルを扱えるフル機能のオンラインオフィススイートです。完全にオープンソースであり、JWTなどの高度なセキュリティ機能と組み合わせたローカル運用が可能なため、技術愛好家やデータプライバシーを重視するユーザーにとって信頼できる選択肢となっています。
ONLYOFFICE Docsは、公式コネクタを通じてNextcloud、Nuxeo、ownCloud、SharePoint、Alfresco、Confluence、Chamiloなど、さまざまなドキュメント管理プラットフォームやサービスと簡単に統合できます。さらに、Linux、Windows、macOS向けのデスクトップアプリも提供されています。
最大の魅力の一つは、同梱のPDFエディターを使って記入可能なPDFフォームを作成できる点です。このPDFエディターは、ファイル内のテキスト編集に加え、吹き出しの挿入やテキストコメントの追加、画像・図形・ハイパーリンク・テキストボックス・数式などのオブジェクト追加やその設定変更にも対応しています。
フォーム作成においては、テキストフィールド、画像、ラジオボタン、ドロップダウンリスト、チェックボックス、複合フィールド、メールアドレス欄など、多様なフィールドタイプをサポートしており、詳細な設定パラメータも用意されています。
たとえばテキストフィールドでは、入力可能な文字種を指定したり、「なし」「数字」「英字」「任意マスク」「正規表現」といった必須フォーマットを選択したりできます。挿入したフィールドにタグを割り当てることもでき、完成したフォームはインタラクティブなフィールド付きのPDFとして無料で保存できます。
また便利なのが、フィールド追加時に「役割(ロール)」を割り当てられる機能です。各ロールには固有の色が付与されるため、自分の役割に応じてどのフィールドを記入すべきかがひと目でわかり、フォームの記入が格段にしやすくなります。
さらに重要なのは、ONLYOFFICE Docsが記入式フォームのリアルタイム共同編集に対応している点です。フォームのテンプレートを他のユーザーと共有し、バージョン履歴、2つの共同編集モード、変更履歴のトラッキング、コメント、ユーザーメンション、チャットなどのコラボレーション機能を使いながら一緒に編集できます。チームでのフォーム作成プロセスを大幅に改善できるでしょう。
2. LibreOffice
LibreOfficeは、標準ファイル形式としてOpen Document Format(ODF)を採用した包括的なオープンソースオフィススイートです。ODFは世界中の政府機関や団体で広く使われている標準規格です。ODFに加えて、Microsoft Officeの各バージョンで使われる形式をはじめとする一般的なフォーマットの文書もシームレスに開いて保存できます。
LibreOfficeは100%無料で、誰でも制限なく利用・配布できます。他のオフィススイートでは有料アドオンとして提供されることが多い機能(記入式フォームの作成など)も無料で使えます。追加料金は一切なく、Linux上での利用、共有、改変、インストールも自由です。
LibreOfficeには、さまざまな種類のファイルを作成・編集するための複数のアプリケーションが含まれています。記入可能なPDFフォームを作成する際に使うのは、ワードプロセッサコンポーネントの「Writer」です。テキスト入力フィールド、ドロップダウンリスト、ラジオボタン、チェックボックスなどを追加し、文書をPDFフォームとして書き出せます。
3. Apache OpenOffice
LibreOfficeの母体となったオープンソースプロジェクトであるApache OpenOfficeは、後継ほど高機能ではありませんが、ワープロ、表計算、プレゼンテーション、データベース、数式、図形描画などの用途で今も多くのユーザーに使われています。多言語対応しており、主要なOSすべてで動作するため、Linuxにもインストール可能です。
OpenOfficeのネイティブ形式はODFで、他の一般的なオフィスソフトで作成されたファイルとも問題なくやり取りできます。スイート全体をあらゆる目的で無料でダウンロード・利用できます。OpenOfficeが今なお支持されている主な理由は、習得が容易で、日常使いに必要な編集機能を一通り備えているからです。
記入可能なPDFフォームについては、OpenOffice Writerで作成できます。「フォームコントロール」機能を使えば、入力フィールドの挿入や編集が可能です。
対応しているフィールドタイプは、テキストフィールド、ラジオボタン、リストボックス、コンボボックス、チェックボックスです。これらだけで大半のフォームは十分に作れます。もちろん、各フィールドのプロパティを設定し、編集可能なPDFフォームとして保存することもできます。
4. Scribus
Scribusは、公式サイトから無料でダウンロードできるページレイアウトアプリケーションです。パンフレットから記入可能なPDFファイルまで、さまざまなドキュメントを作成できます。用意されたテンプレートを活用しても、デザイン機能を使ってゼロから制作しても、ニーズにぴったり対応してくれます。
オープンソースのプログラムで、LinuxをはじめWindowsやmacOSなどUnix系システム全般と互換性があります。使いやすいインターフェースを備え、主要なグラフィック形式への対応、CMYKおよびスポットカラーのサポート、PDFファイルの作成・編集に関する多彩なオプションなど、プロフェッショナルなDTP機能とツールをフルラインナップで提供します。
Scribus最大の強みは、JavaScriptスクリプトを埋め込んだPDFフォームを生成できることです。通常、ユーザーはPDFフォームをPC上で記入し、そのままローカルで印刷できます。
ScribusにはPDFフォーム作成周りでいくつか課題もありますが、それでも十分に実用的なフル機能ツールです。ボタン、テキストフィールド、チェックボックス、コンボボックス、ドロップダウンリストなど多様なフィールドをサポートしており、それぞれのプロパティもクリック数回で簡単に調整できます。
まとめ
Adobe Acrobat DCのような記入可能なPDFフォーム専用の編集ソフトがなくても、Linuxユーザーにとっては何の問題もありません。
ONLYOFFICE Docs、LibreOffice、OpenOfficeといったオフィスソフトや、Scribusのようなページレイアウトソフトを使えば、インタラクティブなフィールドを持つPDFを簡単に作成・編集できます。
どれもこの用途に適した優れたツールです。あなた自身のニーズに合わせて、理想的なアプリケーションを選んでください。
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