C#における階層継承(Hierarchical Inheritance)の基本と実装例
階層継承とは
階層継承とは、オブジェクト指向プログラミングにおける継承の一形態で、1つの基底クラスから2つ以上の派生クラスが継承される構造を指します。C#では、クラス名の後にコロン「:」と基底クラス名を記述するだけで、簡単に継承関係を定義できます。
本記事の例では、基底クラスとして Father クラスを定義し、そこから Son クラスと Daughter クラスという2つの派生クラスを作成します。
基底クラスの定義
まずは基底クラスとなる Father クラスです。このクラスには、メッセージを表示するだけのシンプルな display() メソッドを持たせています。
class Father {
public void display() {
Console.WriteLine("Display...");
}
}
派生クラスの追加方法
次に、基底クラス Father を継承した派生クラス Son を定義してみましょう。クラス名の後ろに「: 基底クラス名」を記述することで、継承関係が成立します。
class Son : Father {
public void displayOne() {
Console.WriteLine("Display One");
}
}
同様に、Daughter クラスも Father クラスから継承させることで、階層的な継承構造が完成します。
C#での階層継承の実装例
以下は、C#で階層継承を実装した完全なサンプルコードです。Main メソッド内で各クラスのインスタンスを生成し、継承されたメソッドと独自のメソッドを呼び出しています。
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Text;
namespace Inheritance {
class Test {
static void Main(string[] args) {
Father f = new Father();
f.display();
Son s = new Son();
s.display();
s.displayOne();
Daughter d = new Daughter();
d.displayTwo();
Console.ReadKey();
}
class Father {
public void display() {
Console.WriteLine("Display...");
}
}
class Son : Father {
public void displayOne() {
Console.WriteLine("Display One");
}
}
class Daughter : Father {
public void displayTwo() {
Console.WriteLine("Display Two");
}
}
}
}
実行結果
このプログラムを実行すると、コンソールには以下のように出力されます。
Display...
Display...
Display One
Display Two
注目すべきは、Son クラスのインスタンスから s.display() を呼び出せる点です。display() メソッドは Son クラス自身には定義されていませんが、基底クラス Father から継承されているため、そのまま利用できます。
ポイントまとめ
- 階層継承では、1つの基底クラスから複数の派生クラスが生成されます。
- 派生クラスは、基底クラスのパブリックメンバー(ここでは
display()メソッド)をそのまま呼び出せます。 - 各派生クラスは、独自のメソッド(
displayOne()、displayTwo())を追加して機能を拡張できます。 - 共通の処理を基底クラスにまとめることで、コードの重複を避け、保守性の高い設計が可能になります。
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