WordPressのキャッシュを正しくクリアする方法|主要キャッシュプラグイン&ホスティング別ガイド
ウェブサイトの表示速度が速いほど、ユーザーの閲覧体験が向上し、コンバージョン率やリピート率も高まることが多くの調査で示されています。また、サイト速度はGoogleの「Core Web Vitals」における重要な指標でもあるため、高速なサイトはトラフィック増加や検索エンジンでの順位向上にもつながります。
WordPressサイトの速度を改善する最も効果的な方法は、WP RocketやWP Super Cacheといったキャッシュプラグインを使ってページキャッシュを有効化することです。
ページキャッシュは、サイト内の各ページのコピー(静的ファイル)を作成し、コンテンツをより速く配信できるようにする仕組みです。これにより、WordPressサイトのページ読み込み時間を3〜5秒短縮できることもあります。キャッシュプラグインが面倒な処理はすべて担ってくれますが、訪問者に常に最新のページを表示させるためには、定期的にWordPressのキャッシュをクリアすることが重要です。
この記事では、WordPressのページキャッシュをクリアする必要がある理由を解説し、人気のキャッシュプラグインやWordPress対応ホスティングサービスごとのキャッシュクリア手順をご紹介します。
なぜWordPressのキャッシュをクリアする必要があるのか?
誰かがWordPressサイトにアクセスすると、サーバーはコアファイルを読み込み、データベースからコンテンツを取得してから、それを訪問者へ配信します。この処理は負荷が高く、ページが閲覧されるたびに繰り返されることになります。
より速く効率的にコンテンツを配信する方法が、各ページの静的なコピー(キャッシュ)を作成し、それを訪問者に渡すという仕組みです。
ページのキャッシュコピーを作成する際、サーバーは一度だけWordPressのコアファイルを読み込み、データベースからコンテンツを取得します。一度キャッシュが生成されてしまえば、毎回サーバーに動的に問い合わせるよりも、キャッシュ済みページを配信するほうがはるかに高速になります。
| 初回のページキャッシュ | 誰かが初めてページにアクセスしたとき、そのページのキャッシュ版が作成・保存されます。 |
| プリロード(事前読み込み) | キャッシュのプリロード機能を使うと、サイト内の全ページを一括でキャッシュできます。すべてのページが高速に表示されますが、一時的にサーバーに負荷がかかり、サイトが遅くなる場合があります。 |
| キャッシュのクリア | サイト更新後にキャッシュを再生成しないと、古い内容のままになってしまいます。そのため、サイトを更新したらキャッシュ版を再生成する必要があります。これを「キャッシュのクリア」と呼びます。 |
WordPressのキャッシュプラグインの多くは、コンテンツ更新後に自動的にキャッシュをクリアする機能を持っています。たとえばブログ記事を更新すれば、プラグインが新しい静的キャッシュを自動生成してくれます。
ただし、サイトデザインの変更など大きな変更を行った場合は、全ページを最新状態に保つために、手動ですべてのページキャッシュをクリアすることをおすすめします。
ブラウザキャッシュとは?クリア方法は?
ウェブサイトにアクセスすると、ブラウザはHTML、画像、CSS、JavaScriptなどの静的ファイルをローカルに保存します。これが「ブラウザキャッシュ」です。次回以降のアクセスでは、ブラウザは同じファイルを再ダウンロードせず、PC上に保存されたデータを直接利用できます。
ブラウザキャッシュはインターネット閲覧を大幅に高速化する仕組みですが、期限切れの古いキャッシュファイルが原因で不具合が起きることもあるため、サイト側でファイルタイプごとに有効期限を適切に設定することが大切です。
もしウェブサイトが正しく表示されない場合は、ブラウザのキャッシュをクリアして、すべてのコンテンツをサーバーから再取得することをおすすめします。主なブラウザでのクリア方法は以下の通りです。
- Google Chrome:キャッシュとCookieの削除方法
- Firefox:Cookieとサイトデータの削除方法
- Microsoft Edge:閲覧履歴の確認と削除方法
多くのWordPress最適化プラグインでは、ワンクリックで訪問者向けのブラウザキャッシュを有効化できます。W3 Total Cacheのようなソリューションでは、アセットごとの有効期限まで細かく設定可能です。
なお、多くのキャッシュプラグインにブラウザキャッシュ機能が含まれていますが、ページキャッシュとブラウザキャッシュはまったく別の技術である点は覚えておきましょう。
WP Rocketでキャッシュをクリアする方法
WP Rocketは、初心者にも扱いやすいWordPress最適化プラグインで、キャッシュの作成からクリアまでの操作をシンプルに行えます。メインダッシュボードには、すべてのキャッシュファイルをクリアするボタンと、ページキャッシュのプリロードを開始するボタンが用意されています。
また、WP RocketはOPcache(PHPサイトの高速化に使えるキャッシュエンジン)にも対応しており、OPcacheを一括でパージするクイックアクションボタンもあります。

WP Rocketのキャッシュ設定ページでは、モバイルユーザーやログインユーザー向けに個別のキャッシュファイルを作成できます。さらに、一定時間経過後にキャッシュページを自動的にクリアするよう設定することも可能です。

「Preload」設定ページでは、キャッシュのプリロードを有効化し、フォントやサイトマップのプリロードも設定できます。「Advanced Rules」設定ページでは、キャッシュ対象外とするURLやユーザーエージェントを指定でき、投稿や固定ページの更新時に特定URLのキャッシュのみをパージする設定も行えます。

WP Rocketのドロップダウンメニューは、管理画面とサイトのフロントエンドの両方からアクセスできます。このメニューから、全キャッシュのクリア、キャッシュのプリロード、OPcacheのパージを実行できます。
フロントエンドからメニューを開いた場合は、「Purge This URL」オプションを使って特定ページのキャッシュだけをクリアすることもできます。

W3 Total Cacheでキャッシュを空にする方法
W3 Total Cacheは、数百もの設定項目を持つ高機能なWordPressキャッシュプラグインです。プラグインのダッシュボードから、すべてのキャッシュを空にする操作が行えます。

W3 Total Cacheで設定を変更した場合、保存ボタンをクリックすると全ページキャッシュが自動的にパージされます。

ページキャッシュ、データベースキャッシュ、オブジェクトキャッシュ、ブラウザキャッシュそれぞれに専用の設定ページが用意されています。
ページキャッシュの設定ページでは、サイトのどの部分をキャッシュし、どの部分を除外するかを細かく指定できます。キャッシュのプリロード設定や、コンテンツの作成・更新時にパージするページやフィードの選択もここで行えます。

W3 Total Cacheのドロップダウンメニューからは全キャッシュをクリアでき、フロントエンドからアクセスした場合は特定ページのキャッシュのみを削除することも可能です。

WP Super Cacheでキャッシュを削除する方法
WP Super Cacheは、セットアップが簡単なことで人気の高いキャッシュプラグインです。簡単設定ページでは、キャッシュの有効化、動作テスト、既存キャッシュページの一括削除が行えます。

詳細設定ページでは、どのページをキャッシュするか、キャッシュをどう配信するかをより細かく制御できます。特定のページタイプをキャッシュ対象から除外したり、投稿や固定ページの公開・更新時に全キャッシュファイルを削除したりするオプションもあります。
「ガベージコレクション」セクションでは、キャッシュファイルを一定間隔で自動削除するよう設定できます。キャッシュのプリロードタイミングを指定するための専用設定ページも用意されています。

「コンテンツ」ページでは、キャッシュ済みページの一覧を確認できます。ここにはキャッシュの削除ボタンや、期限切れキャッシュファイルの削除ボタンも用意されています。

WordPress管理バーの「Delete Cache」ボタンを使えば、管理画面またはフロントエンドから素早くページキャッシュをクリアできます。残念ながら、WP Super Cacheには特定URLのキャッシュだけを削除する機能はありません。

WP Fastest Cacheでページキャッシュをクリアする方法
WP Fastest Cacheは、便利なキャッシュ機能を多数備えた効果的なWordPressキャッシュプラグインです。
メイン設定ページでは、キャッシュのプリロードを有効化したり、投稿の追加・更新時にページキャッシュをクリアするよう設定したりできます。ログインユーザーやモバイルユーザーに対してキャッシュを無効化することも可能です。

メイン設定ページでキャッシュ機能を有効にすると、追加オプションを表示するポップアップが現れます。これにより、どのキャッシュをプリロードし、どのキャッシュをクリアするかを完全にコントロールできます。

すべてのキャッシュは「Delete Cache」設定ページからクリアできます。CSS・JavaScriptの圧縮(ミニファイ)機能を有効にしている場合は、それらも同時に削除可能です。タイムアウトルールを設定すれば、任意の間隔でキャッシュを自動クリアすることもできます。
除外設定用の専用ページもあり、特定のページやユーザーエージェントをページキャッシュの対象外にできます。

WP Fastest Cacheのドロップダウンメニューからは、全キャッシュのクリアや、キャッシュと圧縮済みCSS・JavaScriptの同時削除が行えます。サイトのフロントエンドからこのメニューを使えば、特定ページのキャッシュだけをクリアすることもできます。

Cloudways(Breeze)でページキャッシュをパージする方法
マネージドクラウドホスティングプラットフォームのCloudwaysは、Memcached、Varnish、Nginx、Redisといった高度なキャッシュ技術を活用してサイト配信を最適化しています。WordPressサイトについては、Cloudways純正のキャッシュプラグイン「Breeze」の使用が推奨されています。
基本オプションページでは、キャッシュの有効化や、一定時間経過後のページキャッシュ自動クリアを設定できます。管理者・投稿者・寄稿者といったWordPressユーザーグループごとに、キャッシュのオン/オフを切り替えることも可能です。

特定の文字列を含むURLやページをキャッシュ対象から除外することもできます。これは詳細オプションページで設定します。

Varnish設定ページでは、新規コンテンツの追加時や既存コンテンツの更新時にVarnishキャッシュを自動的にクリアするよう設定できます。もちろん、手動ですべてのVarnishキャッシュをパージすることも可能です。

他のWordPressキャッシュプラグインと異なり、Breezeのドロップダウンメニューは管理画面からしかアクセスできず、サイトのフロントエンドからは利用できません。
メニューからは、ページキャッシュのクリア、Varnishキャッシュのクリア、または両方の同時クリアを選択できます。

WP Engineでページキャッシュをクリアする方法
マネージドWordPressホスティング大手のWP Engineは、独自のキャッシングシステム「EverCache」を採用しています。
WP Engine公式のWordPressプラグインをサイトで有効化すると、キャッシュ設定ページからすべてのキャッシュをクリアできます。

WP Engineでは、投稿や固定ページのキャッシュ保持期間を設定できます。WordPress REST API向けのキャッシュ有効期限も個別に構成可能です。
WP Engineでのキャッシュクリアについて詳しくは、公式記事「Clear Your Caches With Confidence」をご参照ください。

GoDaddyでWordPressのキャッシュをクリアする方法
GoDaddyのマネージドホスティングプランでは、ウェブページをキャッシュし、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を通じて世界中に配信できます。
サイトのCDNキャッシュをクリアするには、マネージドWordPressプランにサインインし、ページ上部のManaged WordPressにカーソルを合わせます。そこから「Flush Cache」ツールを使ってキャッシュをクリアできます。
詳細については、GoDaddyの「Clear Your Cache」情報ページをご確認ください。

Bluehostでページキャッシュをクリアする方法
BluehostのマネージドWordPressホスティングプランは、サイトページを最適化する独自の多層キャッシュソリューションを採用しています。
Bluehost公式のWordPressプラグインは、WordPressとBluehostコントロールパネルを統合するものです。プラグインを有効化すると、メイン設定ページのパフォーマンスセクションからキャッシュを管理できます。

プラグインでは、静的ファイルのみをキャッシュするか、静的ファイルとWebページの両方をキャッシュするかを選択できます。更新頻度の低いサイト向けには、拡張キャッシュレベルも用意されています。
すべてのキャッシュは「Clear Everything」ボタンで一括クリアできます。

キャッシュはBluehostコントロールパネルから直接管理することもできます。サイトを選択してパフォーマンスタブをクリックしてください。「Single-Server Caching Control」でキャッシュ頻度を定義でき、特定URLのキャッシュのみをクリアするオプションもあります。このページから全キャッシュをクリアすることも可能です。
Bluehostでのキャッシュクリアについて詳しくは、公式記事「How to Use Our Page Caching Feature」をご参照ください。

まとめ
ページキャッシュは、WordPressサイトを最適化する最も効果的な手段です。だからこそ、WordPressのキャッシュのクリア方法、プリロード方法、そして自サイトに合わせた正しいキャッシュ設定方法を理解しておくことが重要です。どのキャッシュソリューションでもクリアの手順はほぼ共通していますが、利用できるキャッシュ制御の細かさはソリューションによって異なります。
サイトの重要なページは定期的にチェックし、常に最新の状態で正常に動作していることを確認しましょう。基本的にはページキャッシュで大きな問題が起こることはありませんが、動的要素を含むページはキャッシュ対象から除外する必要があるかもしれません。たとえばお問い合わせフォームのあるページは、フォームを正しく動作させるためにキャッシュから除外したほうがよいでしょう。
ページキャッシュは有効ですが、それだけで必ず高速なサイトになるとは限りません。そのため、WordPressデータベースのクリーンアップ、画像ファイルサイズの削減、JavaScriptの遅延読み込みなど、他の最適化手法と組み合わせて活用することが大切です。
ページキャッシュについてさらに学びたい方は、「WordPressのキャッシュの仕組み」の解説記事や、おすすめのWordPressキャッシュプラグインを紹介した記事も参考にしてください。
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