Oracle Demantraと高度なSPWAの基礎知識とインストール手順を徹底解説
Demantra®と高度なサプライプランニングワークエリア(Advanced SPWA)は、Oracle®が提供する需要管理およびサプライチェーン管理ツールです。これらの製品は、Oracle E-Business Suite(EBS)、およびOracle Advanced Supply Chain Planning(ASCP)の一部であるOracle Advanced Planning Suite(APS)と統合することで、Demantraが持つ需要管理・サプライチェーン管理機能を最大限に活用できます。
本記事では、Oracleデータベース管理者(DBA)およびシステムアーキテクチャの観点から、Oracle EBSおよびAPS Value Chain Planning(VCP)と組み合わせたDemantra・SPWAの構成について解説し、さらにDemantraと高度なSPWAのインストール手順を概説します。
はじめに
ASCPは、拡張サプライチェーン全体の中で供給(在庫、購買発注、作業オーダーなど)を「いつ・どこに」配置すべきかを決定する、包括的なインターネットベースの計画ソリューションです。
Demantraは、需要管理、販売・業務計画(S&OP)、トレードプロモーション管理の各分野において業界最高水準のソリューションを提供する製品です。
高度なSPWAを利用すると、プランナーは事前シード済みのレイアウト、あるいはユーザー独自に定義したページレイアウトを使用して、計画データや計画入力を表示できます。ガイド付き分析による集約的な分析ビューを確認できるため生産性が向上し、実際のビジネスプロセスや分析に合わせた複数のページレイアウトを作成することも可能です。
注: 本記事では、Oracle DemantraとOracle APSおよびASCPの統合方法そのものについては扱いません。Demantraはフラットファイルロードによるレガシーシステムとの連携もサポートしていますが、本記事ではOracle APSおよびASCPと併用するケースに焦点を当てます。
Demantra・高度なSPWA・EBS・APSの統合アーキテクチャ
Demantraは、APSおよびASCPと同じデータベースにインストールする必要があります。EBSのソースインスタンスは別のデータベースに配置できますが、ASCPとDemantraの連携を機能させるためには、両者が同一データベース上に存在しなければなりません。Oracleがサポートする構成は以下の2種類です。
- シングルインスタンス構成
- 宛先(デスティネーション)インスタンスとソースインスタンスを分離した構成
シングルインスタンス構成
シングルインスタンスには、Oracle EBS、ASCPおよびAPS、高度なSPWA、Demantraをすべて含めることができます。この場合、インスタンスはEBSとDemantraのリリースのサポート対象組み合わせである必要があります。認証済みバージョンの最新リストについては、Oracleサポートにお問い合わせください。
次の図は、シングルインスタンスのアーキテクチャを示したものです。
宛先インスタンスとソースインスタンスを分離した構成
インスタンスを分離する構成では、APS側のインスタンスにAPS・ASCP・高度なSPWA・Demantraが含まれ、EBSのデータベースは別のインスタンスに配置されます。宛先インスタンスは、Demantra認証済みのAPSバージョンである必要があります。
次の図は、インスタンスを分離した場合のアーキテクチャを示したものです。
Demantraのインストール手順(概要)
Demantraアプリケーションのインストールは、複数のステップで構成されるプロセスです。
注: DemantraはMicrosoft® Windows®サーバーにインストールする必要があります。Demantraインストーラーおよび管理ユーティリティ(BusinessModeler、Demand Management Toolsなど)をサポートしているのはWindowsプラットフォームのみだからです。
Windowsサーバー上のDemantraインストーラーはAPSデータベース内にデータベーススキーマを作成し、その後、管理者ツールを使用してアプリケーションを構成します。WindowsサーバーへのDemantraインストール完了後、Demantra WebサーバーおよびAnalytical EngineサーバーをホストするUnix®サーバーへアプリケーションが転送されます。
以下は、Demantraバージョン12.2.6.2をインストールする際の大まかな手順です。
WindowsサーバーへのDemantraインストール
- APSデータベース(DB)内に16Kブロックサイズの表領域(tbs)を作成し、Demantra向けにデータベースを準備します。
- Windowsサーバーに64ビット版のOracle Database 12c(12.1.0.2)クライアントをインストールします。
- WindowsサーバーにDemantraバージョン12.2.6.2をインストールします。
LinuxでのDemantra Webサーバー構成とdemantra.earのデプロイ
- Linuxサーバー(Demantra Webサーバー)にJava® JDK 8 64ビット版をインストールします。
- Linuxサーバー(Demantra Webサーバー)にWebLogic® 12c(12.1.3.0.0)をインストールします。
- Demantraデプロイ用にドメインを構成します。
- JDBCデータソースを構成します。
- アーカイブ済み実パス(
archived-real-path-enabled)を有効化します。 - Windowsサーバー上でDemantraのWARファイルを作成します。
- demantra.earをデプロイします。
- Demantraアプリケーションをアクティブ化します。
LinuxでのDemantra Analytical Engineの構成とデプロイ
- Linuxサーバー(Demantra Analytical Engine)にJava JDK 8 64ビット版とOracleクライアントをインストールします。
- WindowsサーバーからLinuxサーバーへ、エンジンのtarファイルをコピーします。
- Engineデータソースファイルを作成します。
- 新しいOracle Walletリポジトリを使用して、Analytical Server上にDemantra Analytical Engineを構成します。
- Analytical Engineスターターを起動します。
高度なSPWA(Advanced Planning UI)のインストール手順(概要)
以下の手順に従って、高度なSPWA(Planning User Interface(UI))をインストールします。
インストール手順
注: 以下のWebLogicインストールは、EBSアプリケーションに付属するWebLogicインストールとは必ず分離して行ってください。
- J-Rockitをインストールするか、必要なJava Developer Kit(JDK 1.7.0_80以降)をインストールします。
- WebLogic Server 10.3.6(11gR1)をインストールします。
- WLS 10.3.6の上にADF 11.1.1.9.0をインストールします。インストール場所としては、必ずWebLogic Serverホーム(10.3.6)を選択してください。これは非常に重要なポイントです。誤って12.2.xテクニカルスタックに付属するWebLogic Serverホームを選択すると、VCP Application Development Framework(ADF)UIのためにすべての手順を最初からやり直すことになります。
- Planning UI向けのADFパッチを適用します。
構成とセットアップ
- ASCPドメインと管理サーバー(admin server)を作成します。
- ASCP管理対象サーバー(managed server)を作成します。
- JRF(Enterprise Manager)を適用します。
- JDBCデータソースを作成します。
- Metadata Services(MDS)リポジトリをセットアップします。
- 管理サーバーと管理対象サーバーを起動します。
- APS(VCP)から$MSC_TOP/patch/115/ear/PlanningUI.earをコピーします。
- $MSC_TOP/patch/115/ear/PlanningUI.earをデプロイし、Planningアプリケーションを起動します。
インストール完了後のVCP側セットアップ
- Fusion Middleware向けのADFパッチを適用します。
- $FND_TOP/secure/allowed_redirects.confを編集し、以下の行を追加します。
profile MSC_ASCP_WEBLOGIC_URL profile FND_OBIEE_URL - APSインスタンスのサイトレベルで、プロファイルオプションMSC: ASCP Planning URLに高度なSPWAのURLを設定します。
まとめ
ASCPは、データベースを基盤とした全体的な計画と最適化を提供し、サプライチェーンのパフォーマンスを迅速かつ大幅に改善します。
Demantraにより、プランナーは需要をリアルタイムに感知し、予測精度を高め、収益性の観点から需要を形成できます。
SPWAを使用すれば、事前シード済みレイアウトまたはカスタムレイアウトによって計画データや入力を表示できます。
これらの製品を統合することで得られる主なメリットは以下のとおりです。
- ガイド付き分析を備えた集約的な分析ビューを確認できるため、プランナーの生産性が向上します。
- 統一されたサプライチェーン計画情報を企業全体で共有できるため、より迅速で情報に基づいた意思決定が可能になります。
- サプライチェーンのあらゆる側面を分析し、仮想サプライチェーン全体にわたる最適な計画を策定することで、サプライチェーンのパフォーマンスが向上します。
- 需要主導型の組織を実現し、より高いサービスレベルと売上、顧客満足度の向上、在庫・流通コストの削減といったメリットを享受できます。
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