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スマホ1台で本格的な物理実験が成功!無料アプリ「Phyphox」でソナー測距と音速計測に挑戦

スマホ1台で本格的な物理実験が成功!無料アプリ「Phyphox」でソナー測距と音速計測に挑戦

公開日:2026年4月21日 11:00 AM EDT

Brady SnyderはMakeUseOfのテクノロジージャーナリスト。モバイル、コンピューティング、一般テック分野を長年取材しており、特にAndroidスマートフォンとオーディオ機器を得意としています。セント・ジョンズ大学でジャーナリズムの学士号を取得。

これまでにAndroid Central、Android Authority、XDA、Android Police、iMoreなど多数の媒体で執筆し、Google、Apple、Samsungの大型イベントやLenovo Innovation World、IFAなどの見本市も取材経験があります。

スマホの「隠れたセンサー」が実験道具になる

平均的なユーザーがスマートフォンで気にする部品といえば、プロセッサー、バッテリー、画面あたりでしょう。ジャイロスコープや近接センサーのようなニッチなセンサーを意識する人はほとんどいませんが、実はデバイスの中でも最も重要なパーツの一つです。画面が自動回転したり、通話中にスマホを耳に当てると画面が消えたりするのは、こうしたセンサーのおかげです。

しかし、これらのセンサーの活躍は日常の便利機能だけにとどまりません。隠れたツールとして活用すれば、日々の問題解決や現実世界での実験にも使えるのです。「Physics Toolbox」や「Phyphox」といったサードパーティ製アプリを使えば、これらのセンサーを自由に駆使できます。

実際に筆者が試してみたところ、スマートフォンがソナー(Sonar)——そう、あのソナー——を使って、音速をもとに物体までの距離を特定できることに驚かされました。さらにスマホが2台あれば、「Acoustic Stopwatch(音響ストップウォッチ)」機能を使って音波の伝わる速さ、つまり音速そのものを測定することもできます。

ソナーもアコースティックストップウォッチも、Phyphoxアプリ内で完全無料で利用可能です。以下、その賢い物理実験のやり方をご紹介します。

ソナーで距離を測る

音のチャープを発射して、物体までの距離を割り出す

ソナー(Sonar:Sound Navigation And Ranging)は、短い音のパルスを発射し、周囲の物体に反射させた音を受け取ることで動作します。音速が毎秒約340メートルであることは既知なので、音が跳ね返ってくるまでの時間を測れば、物体までの距離を算出できます。

スマートフォンにはスピーカーとマイクが搭載されているため、「チャープ」と呼ばれる短い音を発し、それが周囲の表面で反射して戻ってきた音をマイクで検知できます。この所要時間に音速を掛け、2で割れば、それが物体までの距離というわけです。

精度よく測定するには、制御された環境が必要です。適当な部屋でスマホを使うだけでは、発射されたチャープが近くのあらゆる表面で反射し、不完全な結果になってしまいます。環境ノイズはできる限り少なくしたいところ。不要な反射を遮るシールドを自作すれば、理想の環境を作れます。発泡スチロールの梱包材、クッション、衣類などの身近な家庭用品で十分です。

最後に、皿のような反射対象となる物体を用意し、スマホのスピーカーとマイクに向けて配置します。シールドでスマホを覆う際は、反射体の方以外のすべての方向を塞いでください。

その後、Phyphoxアプリを開いてソナー実験を開始します。スマホを自作シールドの中に設置し、記録したい反響だけをアプリが拾うようにしましょう。アプリがチャープ音を発すると、リアルタイムの距離グラフにピークが表示されます。計算はすべてアプリが行ってくれるので、結果は時間グラフではなく距離グラフとして表示されます。反射物体を近づけたり遠ざけたりしながら、複数回のテストでそれぞれ異なる距離が算出される様子を観察してみてください。

音響ストップウォッチで音速を測定する

スマホ2台と巻き尺があれば、音速をピンポイントで特定できる

スマホ1台で本格的な物理実験が成功!無料アプリ「Phyphox」でソナー測距と音速計測に挑戦
クレジット:Brady Snyder / MakeUseOf

正確な音速を測るには、Phyphoxの「Acoustic Stopwatch(音響ストップウォッチ)」機能を使います。仕組みとしては、スマホ2台と巻き尺を用意して、音波の速さを特定するというものです。このストップウォッチは、一定以上の大きさの音を検知すると計測を開始し、同程度の大きさの2つ目の音を検知すると停止します。そこで、スマホ2台をある距離だけ離して置き、その間隔を正確に測っておきます。

次に、Acoustic Stopwatchのテストを開始します。環境ノイズが誤ってストップウォッチを開始・停止させないよう、音声のしきい値レベルを上げておきましょう。背景ノイズがトリガーにならなくなったら、実験スタートです。各スマホのそばに1人ずつ立ち、順番に手を叩きます。最初の拍手でストップウォッチが起動し、2回目の拍手で停止します。

ここにトリックがあります。最初の拍手は1台目のスマホが先に検知し、2回目の拍手は2台目のスマホが先に停止します。そのため、2台のスマホで異なる計測時間が得られます。この遅延は「スマホ間の距離 ÷ 音速」で求められる値です。そこから、スマホ間の距離に2を掛け、先ほど算出した遅延時間で割れば、正確な音速が導き出せるのです。

必要なのはスマホ2台と巻き尺だけという、実に賢い数学×物理学の実験です。もし仕組みがよく分からなければ、YouTube上のPhyphox公式動画を見ることをおすすめします。無料アプリの開発チームが、実際のテストを交えて丁寧に解説してくれています。

Phyphoxでできるその他のこと

スマホのハードウェアセンサーを解き放つ秘密の鍵

スマホ1台で本格的な物理実験が成功!無料アプリ「Phyphox」でソナー測距と音速計測に挑戦
クレジット:Brady Snyder / MakeUseOf

これらの実験を実際に試せば、スマートフォン1台(または2台)で物体までの距離を測り、音速を計算できることが実証できます。ソナーと聞くと深海探査のイメージを持つ人が多いでしょうから、自分のスマホがソナーとして機能するのは本当に面白い体験です。もちろん、正確な数値を出すには少し工夫が必要ですが。そしてAcoustic Stopwatchを使えば、2つの音響イベント間の時間を測定し、その結果から音速を算出できます。

これらはPhyphoxの活用法のほんの一部にすぎません。光センサー、近接センサー、ジャイロスコープ、磁力計など、スマホに搭載されたさまざまなセンサーを使った実験も楽しめます。完全無料で、今まで存在すら気づかなかったデバイス内のセンサーを最大限に活用させてくれるアプリです。

アプリ情報:Phyphox

スマホ1台で本格的な物理実験が成功!無料アプリ「Phyphox」でソナー測距と音速計測に挑戦

  • 対応OS:iOS、Android
  • 価格モデル:無料
  • アプリ種別:物理センサー実験アプリ

Phyphoxは、スマートフォンのハードウェアセンサーを活用して現実世界の物理実験を行える無料モバイルアプリです。ドイツのアーヘン工科大学(RWTH Aachen University)第2物理学研究所Aによって開発されました。加速度センサー、磁力計、ジャイロスコープ、気圧センサー、マイク、近接センサー、GPSセンサーに対応しています。

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