格安パーツで自作Android PCを作る方法|ミニPCからDIYパソコンまで
格安のAndroid PC、タブレット、スマホをゼロから自作するには、パーツ選びが欠かせません。しかし残念ながら、AndroidはデスクトップPCやノートPC向けに設計されていないため、完全に互換性のあるパーツを見つけるのは一苦労です。
本記事では、「ポケットサイズのミニPC」と「格安DIYパソコン」という2種類のAndroid PCを作るために必要なOSとハードウェアについて詳しく解説します。
自作AndroidミニPCの作り方
AndroidミニPCを最も簡単に作る方法なら、必要なパーツはわずか2つ。シングルボードコンピュータ(SBC)とケースです。ケースによっては、バッテリー対応やディスプレイを追加できるものもあります。
Androidに最適なマザーボード:SBC(シングルボードコンピュータ)
AndroidはほとんどのSBCボードで動作します。あえてSBCを強く推奨する理由はシンプルです。各ボード専用にカスタマイズされたAndroidイメージが用意されており、動作の信頼性が大幅に向上するからです。
パソコンで手軽にAndroidを使いたいなら、SBCがベストな選択肢です。ここでは、Android互換のおすすめSBCをいくつか紹介します。
- Raspberry Pi 4: すべてのSBCの中で最も長いサポート期間を誇り、価格・性能ともに優秀。コストパフォーマンスNo.1のSBCです。
- Orange Pi 4B: 安価で高速かつ多用途ですが、公式対応はAndroid 8.1までという点に注意。
- Banana Pi M4: 購入する価値のある最安クラスのSBC。ただし公式対応はAndroid 8.1までです。
- Rock64: Android 9に対応。ハードウェアスペックが高く、価格設定も妥当です。
- Atomic Pi: x86系で検討する価値のある唯一のSBC。Intelプロセッサを搭載し、Android TVなどのカスタムAndroid OSとの互換性も比較的良好。しかも価格が安いのが魅力です。
Android PCに最適なタッチスクリーンディスプレイとケース
Raspberry Pi 4は、とても簡単にタブレット化できます。必要なのは、ケースとタッチスクリーンが一体化したオールインワン型アドオンモジュールだけです。これひとつで筐体とタッチ操作の両方が実現できます。
また、カーピューター(車載PC)として構築し、セルラー通信が必要な場合は、モバイルデータ通信とGPSに対応したドングル型拡張モジュール(HAT)が便利です。ただし、この拡張モジュールは前述のスクリーン付きケースとは完全な互換性がない点に注意してください。
PCパーツで格安Android PCを作る方法
古いPCパーツをお持ちなら、それらを使ってAndroidをインストールしてみるのも良いでしょう。この道を選ぶ場合は、x86互換ハードウェア(PC向けハードウェア)に対応したAndroidと、x86互換のハードウェア本体の両方が必要になります。手持ちのPCで動く場合もあれば、残念ながら動かない場合もあります。
PCパーツ向けのAndroid OS
自作Android PCで最も重要なのはOSです。インストール可能なAndroidにはさまざまな種類があり、モバイルプロセッサ向けのものもあれば、旧Windowsマシンで動作するものもあります。
- Bliss OS: オープンソースの非営利団体が開発しているAndroid OS。デスクトップ用途では筆者イチオシの一本です。
- Android-x86 Project: デスクトップPC向けAndroidの元祖。そのコードベースこそが、他のx86系Android OS誕生の基盤となりました。
- OpenThOS: デスクトップ向けのオープンソースAndroid OS。
- PrimeOS: 民間企業が開発したOSで、PC向けバージョンも提供されています。
- Phoenix OS: 中国発のOS。導入前にPhoenix OSのインストールチュートリアルを読んでおくと、時間と手間を大きく節約できます。
- ARM版Android: Raspberry Piなど、一部のSBCにはインストール用のAndroidイメージが最初から用意されています。
- Chromium OS: 現時点でChromium OS(Chrome OSのインストール可能版)はAndroidアプリを実行できません。主要なディストリビューションは2つ。将来もAndroidアプリ非対応の方針のCloudReadyと、Playストア機能の実装を進めているArnold the Batです。
x86 Androidに適したマザーボード
AndroidプロジェクトのためにPCマザーボードを新規購入するのは避けましょう。 市販のx86互換パーツで組んだAndroid PCは、トラブルが起きやすい傾向があります。どうしても購入が必要な場合は、Intel Atom搭載マザーボードを選びましょう。ほとんどのマザーボードでAndroid自体は起動しますが、問題はサウンドやポートなど多くの機能が正常に動作しないことです。
相性が良いのは、Intel Atomシリーズなどモバイル市場向けに設計された古めのプロセッサです。たとえばAsrock Q1900-ITXマザーボードでは、Android上でオーディオが正常に動作しました。これはRealtek ALC662オーディオチップセットがAndroid-x86で完全サポートされているためです。一方、ALC792やALC892チップセットは動作する場合としない場合があります。音が出ないときは、Bluetoothスピーカーの活用をおすすめします。
Android PCに最適なネットワークカード
ゼロから自作してネットワークカードが動作しない場合は、Intel製ワイヤレスカードを購入しましょう。筆者がテストした限り、Intel製カードが最も動作する可能性が高いです。最低価格帯でありながら十分な性能を持つ「Intel 3160」がおすすめ。予算に少し余裕があるなら、より高性能な「Intel 7260」を選ぶと満足度が上がります。
Android PCでこだわらなくていいパーツ
ケース、ストレージ、モニター、電源ユニットなど、その他のパーツはあまりこだわる必要がありません。ただし、何か購入するなら、HDDではなくSSD(ソリッドステートドライブ)を選びましょう。AndroidというOS自体がHDDの使用を想定して設計されていないためです。
Android PCにはどんなパーツを選ぶべき?
自作Android PCには2つのアプローチがあります。SBCを使う方法と中古PCパーツを使う方法です。SBCを使えば、安価でありながら信頼性の高いマシンが完成します。一方、PC(x86)パーツを使う方法は信頼性で大きく劣りますが、コストはごくわずかで済むのが魅力です。
PCパーツの調達を検討しているなら、実際に組み立てる前に、正しいPCパーツの選び方や、パーツ購入でコストを抑えるコツを学んでおくことをおすすめします。
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