Androidスマホのウイルスを初期化せずに削除する方法
ウイルスに感染するのはデスクトップPCだけではありません。発生頻度こそ高くないものの、Androidスマホもマルウェアに感染する可能性があります。
もし感染してしまった場合、工場出荷時のリセット(初期化)でウイルスを取り除くことはできますが、その代償としてすべてのデータが消えてしまいます。バックアップを取っていなければ、写真、ゲームのセーブデータ、メッセージなど、大切なものがすべて失われます。したがって、初期化はあくまで最終手段とすべきです。
では、初期化せずにAndroidスマホからウイルスを削除するにはどうすればよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
Androidスマホは本当にウイルスに感染している?
「Androidにウイルスが入った」と感じるケースの多くは、実はそこまで深刻ではない問題であることが少なくありません。
例えば、電源を入れるたびにフリーズする、Playストアからアプリがダウンロードできない――こうした症状は必ずしもウイルスが原因とは限りません。まずは落ち着いて、Androidのよくある不具合とその解決策を確認してみてください。どれでも解決しない場合は、次の質問を自分に問いかけてみましょう。
- 問題は、何かアプリやファイルをダウンロードした後に発生し始めたか?
- 最近、Playストア以外の第三者ソースからアプリをサイドローディングしていないか?
- 広告をタップして、意図しないファイルやアプリをダウンロードしていないか?
- 特定のアプリを実行したときだけ問題が起こるか?
いずれかに当てはまる場合、マルウェアがシステムに入り込んでいる可能性があります。幸い、初期化しなくても対処できるかもしれません。
Androidのウイルスから身を守る方法
Google Play Protectは現在、すべてのAndroid端末に標準搭載されています。これはAndroidに組み込まれたセキュリティ機能で、端末内のアプリをスキャンし、有害なものがないかを自動的にチェックします。アプリをどこからインストールしたかに関係なくPlay Protectが検査してくれるため、実質的にスマホには最初からアンチウイルスが備わっていると言えます。
Google Playからのみアプリをインストールしているなら、スマホがウイルスに感染する可能性はごくわずかです。GoogleはPlayストアに追加されるすべてのアプリを悪意ある動作がないかスキャンし、問題のあるアプリは削除しています。一部すり抜けることもありますが、Playストアからウイルスアプリを入れてしまう可能性は極めて低いのです。
一方、他のソースからのインストールは話が別です。近年、サードパーティ製ストア「9Apps」からダウンロードされたアプリが、Agent Smithと呼ばれるマルウェアの感染源だったことが判明しました。怪しいウェブサイトからアプリを入手すること、特に「クラック版」(有料アプリを違法に無料提供したもの)をダウンロードするのは、マルウェアに感染する典型的な経路です。サイドローディングを行う場合は、ダウンロード元が信頼できるか必ず確認してください。
ただし、Playストアのアプリがすべて安全という意味ではありません。詐欺まがいのアプリはお金をだまし取ることがありますし、多くの無料アプリは過剰な権限を要求してデータを盗もうとします。ただ、これらはAndroidウイルスとは別の問題です。
他のプラットフォームと同様、常識的な心がけがウイルス回避の鍵となります。怪しいサイトからダウンロードしない、広告をむやみにタップしない、アプリの権限に常に注意を払う――この3つを意識しましょう。
ウイルス駆除におすすめのAndroidアプリ
Playストアには多数のAndroidウイルス対策アプリが並んでいますが、そのほとんどは不要な機能で肥大化しており、使わない機能まで課金を求めてきます。その中でも、実際に価値のある2つのアプリを紹介します。
マルウェアに感染している疑いがあるなら、以下のアプリをインストールしてスキャンしてみるのは良い選択です。上記の常識的な対策を実践していれば、スキャン後にアンインストールしても問題ありません。
Malwarebytes
PC向けセキュリティソフトで最も信頼されるブランドの一つ、MalwarebytesはAndroidアプリも提供しています。
無料版でもスマホのマルウェアをスキャンし、検出した脅威を削除できます。さらにアプリ権限の監査機能も備えており、各アプリがどんな情報にアクセスしているかを把握できます。広告表示もありません。
Premium版(年額12ドル)はリアルタイム検知などの機能が追加されますが、多くの人にとっては不要でしょう。シンプルなウイルススキャン&駆除アプリとしては、Androidで最良の選択肢です。
Bitdefender Antivirus Free
Bitdefenderも堅実なウイルス対策アプリです。最大の特長は軽量さです。クラウドスキャンを採用しているため端末への負荷がほとんどなく、煩わしい余計な機能で本体性能を損なうこともありません。
フル版へのアップグレードを促す広告は表示されますが、それを無視できれば、手軽なAndroidウイルススキャンに適したアプリです。
避けるべきAndroidアンチウイルスアプリ
ここで紹介した2つ以外のウイルススキャンアプリは、ほぼ無視して構いません。Avast、Norton、Aviraといった大手企業の製品は、不要な機能が大量に詰め込まれ、システムへの負荷も大きい傾向があります。
多くのアプリにはRAMブースターやクリーニングツールが同梱されていますが、これらは良いよりも害の方が多いのが実情です。しかも、謳われる機能の多くはAndroidにすでに標準搭載されています。Chromeなどのブラウザは危険なサイトを検出・ブロックしますし、「デバイスを探す」機能で紛失したスマホの場所を特定でき、アプリ権限も自分で管理できます。
セキュリティ企業は「安全のため」と無料アプリをダウンロードさせ、不要な機能だらけの有料版へアップグレードするよう執拗に促してきます。Androidのアンチウイルスアプリにお金を払ってはいけません!
セーフモードでの手動マルウェア除去
アンチウイルスのスキャンでマルウェアが検出・削除されれば問題ありませんが、うまくいかない場合は手動での対応が必要になります。
Windowsにセーフモードがあるように、Androidにもセーフモードが存在します。システムにウイルスが潜んでいる場合はこれを活用しましょう。セーフモードではOSがサードパーティ製アプリを起動せずに立ち上がるため、どのアプリが問題を引き起こしているかを特定し、安全に削除できます。
通常どおり起動できる場合のセーフモードへの入り方は以下のとおりです。
- 電源ボタンを長押しして、電源メニューを表示します。
- 電源オフを長押しすると、「セーフモードで再起動」の確認画面が表示されます。
- OKをタップします。
- 再起動を待ちます。起動後、画面左下にセーフモードの透かし表示が出れば成功です。
感染の影響で通常起動できない場合は、電源が切れた状態から次の手順を試してください。
- 電源ボタンと音量上げ・音量下げボタンを同時に長押しします。
- メーカーロゴが表示されたら電源ボタンを離し、音量ボタンは押し続けます。
- 起動が完了すると、画面左下にセーフモードの表示が現れます。
機種によってハードウェア仕様が異なるため、この方法が使えない場合もあります。うまくいかないときは、お使いの機種名と合わせて「セーフモード 起動方法」などと検索し、正しいキーの組み合わせを調べてください。
セーフモードに入ったら、設定 > アプリ > ダウンロード済みを開きます(Android 8.0 Oreo以降では、設定 > アプリと通知 > すべてのアプリを表示を選択)。
アプリ一覧を見渡して、悪意のあるアプリを探します。一目では分かりにくいこともありますが、スマホの不具合が始まった時期を思い出してください。その頃にインストールしたアプリを削除したり、自分でダウンロードしていないアプリが紛れ込んでいないかを確認したりしましょう。
アプリをアンインストールするには、名前をタップして情報ページのアンインストールを選択します。これで問題が解決すれば、通常どおり(セーフモードを使わずに)再起動すれば、ウイルスは除去できたはずです。
このメニューからアンインストールできない場合は、そのアプリがデバイス管理者権限を持っている可能性があります。権限を解除するには、次の手順に従います。
- 設定 > セキュリティ > デバイス管理者を開きます(Oreo以降は設定 > セキュリティと位置情報 > デバイス管理アプリ)。
- 対象のアプリを見つけて、横のチェックボックスをタップします。
- 確認画面で無効にするをタップします。
これでアプリ一覧に戻り、前述の手順どおりにアンインストールできるようになります。
ウイルス除去後のクリーンアップ
悪意のあるアプリを削除したら、ついでにAndroid端末全体をきれいにしておきましょう。キャッシュや履歴の消去、起動プロセスの整理など、基本的なメンテナンスを行えば、端末を快適な状態へ戻せます。
残念ながら、Androidのクリーナーアプリの多くは広告まみれで、効果のほども怪しいものが多いのが実情です。Androidスマホの正しい掃除方法を参考にすれば、手作業でも簡単に片付けられます。ワンタップで済ませたいなら、CCleanerが不要ファイルを手間なく削除できる優秀なアプリです。最近は多少肥大化しましたが、依然として十分に使えます。
スマホの掃除が終わったら、まだであればAndroidデータのバックアップも忘れずに。将来トラブルが起きたときの復旧が格段に楽になります。
Androidのウイルスを撃退しよう!
残念ながら、マルウェアの存在が確実なのに上記の方法がどれも効果なかった場合は、工場出荷時のリセットが必要になるでしょう。初期化すれば大切なデータは失われますが、乗っ取られたスマホを使い続けるよりはるかにましです。また、ストーカーウェア(検出が非常に難しい特殊なマルウェア)への対抗策としては、初期化が最も確実な手段です。
セーフモードでも問題が発生する場合、原因はウイルスではなくOSやハードウェアにあるのかもしれません。マルウェアがプリインストールされた端末をつかまされた可能性や、気づかないうちに悪意あるアプリへユーザー補助サービスの権限を与えてしまった可能性もあります。
そのような場合は、思い切って新しい端末へ買い替えることが最善の選択となることもあります。
最高のセキュリティを維持するために、Androidスマホのアップデート方法もぜひ押さえておきましょう。
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