VirtualBoxでSteamOSを仮想マシンとして構築・テストする完全ガイド
注意:SteamOSは現在も活発に開発が続けられているため、本記事で紹介する手順は変更されたり、古くなったりする可能性があります。必要に応じて更新記事を公開していく予定です。
SteamOSのレビューを読んで興味を持ったものの、厳しいシステム要件にがっかりした方はいませんか?確かに、最新のプロセッサを搭載した高性能マシン、大量のRAM、大容量ストレージ、そしてハイエンドグラフィックカードが必要だとされています。しかし、実は必ずしもそうではありません。
そこで本記事では、これらの要件をうまく回避する方法をご紹介します。具体的には、限られたリソースしかない環境でも、物理マシンに一切のリスクを与えることなく、SteamOSを仮想マシンとしてインストールし、テストする手法です。使用するのはSteamOSインストーラーのアーカイブとVirtualBoxのみ。それでは順を追って見ていきましょう。
事前準備
仮想化ソフトウェアのダウンロードとセットアップ
まずはVirtualBoxをダウンロードしてインストールしましょう。クロスプラットフォームに対応した優秀なソフトウェアで、比較的経験の浅いユーザーでも簡単に扱えます。仮想マシンの操作が初めてという方は、事前に仮想化に関する基礎知識を一読しておくことをおすすめします。
すでにVirtualBoxをインストール済みの方も、必ず最新版を入手してください。筆者の検証では、バージョン4.1では動作が不安定でしたが、4.3では快調に動作しました。詳細は後述します。
SteamOSインストーラーのZIPアーカイブをISOに変換
SteamOSインストーラーを起動するには、USBメモリやDVDなどの起動可能なメディアに書き込むのが一般的です。しかし、仮想マシンでのテストにおいては、ISOイメージを使用するのが最善策です。高速かつコストゼロで済みます。
公式の手順では、アーカイブをUSBデバイスのルートに展開するよう案内されていますが、実際には任意のディレクトリに展開するだけで問題ありません。その後、CD/DVDライティングソフトを使ってISOイメージを作成します。WindowsユーザーならInfraRecorderやImgBurn、Linuxユーザー向けのおすすめツールガイドも参考にしてください。
仮想マシンの作成
VirtualBoxで仮想マシンを作成する手順を解説したガイドは数多く存在しますが、ここでは特有の落とし穴や注意点に焦点を当てて解説します。
設定のポイントは以下の通りです。
- OSタイプ:Linux / Debian 64-bit として定義する
- メモリ:最低1GB以上のRAMを割り当てる
- EFI:「拡張機能」配下のEFIを必ず有効化する(最重要ポイント)
- 仮想化拡張機能:CPUが対応していれば、パフォーマンス向上のためVT-x/AMD-Vなどの機能も有効にする
- ビデオメモリ:128MBに設定し、「3Dアクセラレーション」にチェックを入れ、「2Dアクセラレーション」は無効のままにする
- ディスク容量:本体のインストール自体は約4GB程度ですが、ゲームのテストを行いたい場合は余裕をもった容量を割り当てましょう
参考までに、実際のSteamOS.vboxファイル(XML形式)のうち、自分の環境と比較する際に役立つ主要な設定部分を抜粋します。
<MediaRegistry>
<HardDisks>
<HardDisk uuid="{da9c84fc-5323-46cf-9136-6e39b3e5bc63}"
location="SteamOS.vdi" format="VDI" type="Normal"/>
</HardDisks>
<DVDImages>
<Image uuid="{c4d095de-ac05-47f4-9d22-34332e2950e3}"
location="SteamOS.iso"/>
</DVDImages>
</MediaRegistry>
<Hardware version="2">
<CPU count="2" hotplug="false">
<HardwareVirtEx enabled="true"/>
<HardwareVirtExNestedPaging enabled="true"/>
<HardwareVirtExVPID enabled="true"/>
<HardwareVirtExUX enabled="true"/>
<PAE enabled="false"/>
<HardwareVirtExLargePages enabled="true"/>
<HardwareVirtForce enabled="false"/>
</CPU>
<Memory RAMSize="4096" PageFusion="false"/>
<Firmware type="EFI"/>
<HID Pointing="USBTablet" Keyboard="PS2Keyboard"/>
<HPET enabled="false"/>
<Chipset type="PIIX3"/>
<Display VRAMSize="128" monitorCount="1" accelerate3D="true"
accelerate2DVideo="false"/>
基本的には以上です。IDE/SATAコントローラーやチップセットなどを細かく調整することもできますが、結果に大きな影響を与えるのはEFIの有効化と、OSを動かすための十分なリソース割り当てです。
起動とインストール
それでは仮想マシンの電源を入れましょう。一部のチュートリアルでは、EFIインターフェース内で正しいブートデバイスを選択する必要があると案内されていますが、多くの場合、インストーラーのスプラッシュ画面がすぐに表示されるはずです。EFIシェルが真価を発揮するのはインストール後ですが、これについては後ほど詳しく説明します。もし起動時に迷ったら、先に後述の「EFIシェルの使い方」セクションを確認してから戻ってきてください。
自動インストールを実行すると、ディスク上のすべてのデータが消去されます。仮想ハードウェアであれば何の問題もありませんが、物理マシンで試す場合は十分に注意してください。「エキスパートインストール」を選択することも可能で、こちらは典型的なDebianのインストールフローに従います。インストール全体にかかる時間はおよそ10〜15分程度です。完了したら再起動を待ちましょう。
初回起動
再起動後、おなじみのGRUBメニューが表示されます。ここで重要なのは、まずリカバリーモードで起動することです。これはNvidiaドライバーを無効化するために必要な手順で、これを怠るとグラフィカルインターフェースの起動につまずくことになります。
注記:この問題は最初のベータ版に固有のものでした。第2版では追加のグラフィックアダプターへの対応が導入されたため、この手順は不要になっている可能性があります。
Nvidiaおよびその他のグラフィックコンポーネントの削除
このセクションは、SteamOSがNvidiaドライバーのみをサポートしていた時期に執筆されました。AMDやIntelなど他社製GPUの場合も、手順はほぼ同様です。前提を踏まえた上で、必要に応じて読み替えてください。
シェルにアクセスしたら、まず削除対象となるNvidiaパッケージを特定します。単純なアンインストールコマンドを提示することもできますが、せっかくなのでaptパッケージマネージャーの基本的な使い方も学んでおきましょう。まずはapt-cacheコマンドで、インストール済みのNvidiaコンポーネントを一覧表示します。
apt-cache list | grep -i nvidia
次に、正規表現を使うか、パッケージを個別に列挙して削除します。xargsへのパイプ処理でも実現できますが、シンプルさを保つため、Steamコミュニティサイトのオリジナル記事に倣って以下のコマンドを使用します。
apt-get remove .*nvidia.*
注記:SteamOSがすべての仮想化プラットフォームを完全にサポートするようになれば、この作業自体が不要になります。また、ドライバーのアンインストールは必須ではなく、あくまで大多数の人にとって作業を簡単にする手段です。ドライバーをブラックリストに登録し、xorg.confファイルを編集するだけでも対応できます。UbuntuやFedoraでの同様の設定に関するガイドも参考になるでしょう。
X Windowシステムの修正
続いてX Serverを修正し、正しいxorg.confファイルを生成して、デスクトップインターフェースへ正常に起動できるようにします。以下のコマンドを実行してください。
dpkg-reconfigure xserver-xorg
Guest Additionsのインストール
Guest Additionsを導入する目的は、フルスクリーン解像度の実現、マウス統合、その他の便利な機能を有効にするためです。稼働中の仮想マシンのVirtualBoxメニューからGuest AdditionsのISOをアタッチし、マウントしてインストールを実行します。
mount /dev/cdrom /mnt
/mnt/VBoxLinuxAdditions.run
2回目の起動
再起動後は、通常どおり起動してください。今度はログイン画面にたどり着けるはずです。標準セッションのユーザー名とパスワードは、どちらも「steam」です。ログインできたら、さっそくシステムを探索してみましょう。
EFIシェルの使い方
EFIシェルは一見とっつきにくく感じられるかもしれませんが、「高機能版のDOS」と考えれば怖くありません。本当にそうです。一見複雑なデバイス名も、DOSやWindowsにおけるドライブ名(C:、D:など)と同じようなものです。つまりFS0:は単なるデバイス名であり、入力すればそのデバイスに切り替わります。その後はdirコマンドとcdコマンドでディレクトリを移動し、目的の起動オブジェクトを探すだけです。今回の場合、探すのはGRUBブートローダーです。
起動には、以下の一連のコマンドを使用します。
FS0:
cd EFI\steamos
grubx64.efi
これで問題なく起動できるはずです。同じ手順は、インストール前のISOからの初回起動時にも適用できます。プロンプトが表示された場合は、cdコマンドとdirコマンドで正しいエントリまで移動してください。非常に簡単です。
さらに学びたい方へ
VirtualBoxについてさらに知識を深めたい方には、以下のトピックがおすすめです。
- VirtualBox 4.Xシリーズのレビュー
- VirtualBoxのネットワークと共有のチュートリアル
- 独自ガイド作成に役立つVirtualBoxのスクリーンショット術
- VirtualBoxのストレージ管理(全3部構成)
他にも役立つコンテンツがたくさんありますので、ぜひご覧ください。
まとめ
以上が、VirtualBoxを使ってSteamOSを試すために必要なすべての手順です。ここまで読めば、もう安心して作業を進められるはずです。今後はKVMやVMware Playerを使った同様のガイドも検討していますので、需要があればぜひお知らせください。
最後に、ここまで読み進めた皆さんが習得したスキルを振り返ってみましょう。ISOイメージの作成方法、VirtualBoxでEFI対応の仮想マシンを構築する方法、シェルの基本操作、SteamOSの自動インストールプロセス、そしてNvidiaドライバー、Xスタック、Guest Additionsといった初期設定の各種問題の解決方法まで、盛りだくさんの内容でした。悪くない成果です。オリジナルのドキュメントをまとめてくださったSteamコミュニティの皆様に感謝いたします。それでは、また次の記事でお会いしましょう。
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