サムスン「The Frame」4K UHD徹底解説──テクノロジーとアートが出会う場所
アートとテクノロジーの融合──このコンセプトは、サムスンが新たに発表したテレビに完璧に当てはまります。ニッチな市場層に向けて、サムスンは「The Frame(ザ・フレーム)4K UHD」という新感覚のテレビを投入しました。
The FrameはCES 2017で発表された、サムスン初となるコンセプトテレビです。アートとテクノロジーの完璧な調和を実現したこのモデルは、両方の魅力を求めるユーザーにとって必見の一台。美しいデザインで多くのユーザーを惹きつけることに成功していますが、技術的な完成度という点では最高峰とは言い切れないかもしれません。
それでは、サムスンThe Frame 4Kの詳細を詳しく見ていきましょう。
デザイン:まるで本物の額縁のような外観
サムスンのThe Frameは、その名の通りのルックを持っています。厚みのあるマット仕上げの枠を備えた、まさに額縁のようなデザインです。標準のベゼルは黒のマット仕上げですが、カスタマイズが可能で、白・ベージュ・ウッド・ウォールナットの4色から選べ、別売りでも購入できます。フレームは標準ベゼルに簡単に装着でき、好みやインテリアに合わせて着せ替えられるのが魅力です。

すべてのフレームにマット仕上げが施されており、アートモードの映像と自然に調和します。
さらに、The Frameには「ノーギャップ壁掛け金具」が付属。壁に設置するとテレビと壁の間に隙間が生じないため、まるで本物の額縁が掛かっているかのような見た目になります。サムスンはこのデザインにより、家庭にある絵画やアートワークの中にテレビを自然に溶け込ませることを狙っています。
関連記事:新しい4Kテレビを最高の画質で楽しむための設定のコツ

テーブルに置いて使いたい方向けに、シンプルなスタンドも付属しています。
よりリアルなアート作品として見せるため、テレビとOne Connectボックスをつなぐ「インビジブル接続(透明ケーブル)」も用意されています。

この構成を煩わしく感じる人もいるかもしれませんが、芸術的な感性を持つ人にとって、テレビではなく本物の額縁のように見える厚いベゼルのテレビは夢の実現です。ただし、昨今のテレビ業界ではベゼルの極細化が主流となっているため、ここがThe Frameの弱点と言えるかもしれません。
画面サイズは43インチ、55インチ、65インチの3種類が展開されています。
デザイン仕様
- カスタマイズ可能なフレーム(別売アクセサリ)
- ノーギャップ壁掛け金具
- 輝度センサー
- インビジブル接続
アートモード:このテレビ最大の魅力
アートモードこそ、このテレビが生まれた理由とも言える機能です。Chromecastでスクリーンセーバーを表示させた経験はありませんか? あれば、The Frameのアートモードはすぐにイメージできるはずです。サムスンは高解像度の画像を多数提供しており、お気に入りの作品を選んで表示できます。さらに、サブスクリプション契約をすれば「アートストア」も利用可能です。
それだけでなく、自分の写真をテレビに表示させることもできます。サムスンのSmart Viewアプリを使えば、スマートフォン内の写真を簡単にテレビと同期可能。ただし、テレビとスマートフォンが同じWi-Fiネットワークに接続されている必要があります。

注意点として、表示できる写真は800万画素(8MP)以上で撮影されたものに限られます。The Frameは写真を自動的にアップスケーリングしないため、高解像度画像しか使用できないのです。
アートモードを語る上で欠かせないのがモーションセンサーです。このセンサーはテレビが設置された部屋の動きを検知し、一定時間誰もいないと自動的にアートモードへ切り替えます。もちろん、手動で切り替えることも可能です。
関連記事:Xbox One X&PS4 Proに最適な4K HDRテレビ
また、The Frameは光の環境にも適応します。夜間モードでは、明るすぎる光に邪魔されることなく過ごせるよう、輝度を自動的に抑えてくれます。

画質:アートモードを切ればフル機能の4Kテレビに
アーティスティックなデザインだけでなく、The Frameはフル機能のテレビでもあります。アートモードをオフにすれば、ハイエンドならではの高画質を楽しめます。4K高解像度により、この二役をこなすテレビのポテンシャルを最大限に引き出せるでしょう。

画質はサムスンのQLEDテレビに匹敵しますが、LG OLED C7やソニー Bravia A1と比較すると一歩譲ります。
なお、The FrameはQLEDパネル非搭載ながら、発熱トラブルに対して10年間の長期保証が付帯しているのも安心ポイントです。
画質スペック
- 4K HDR Pro
- 4K Color Drive Extreme
- Essential Black Pro
- MR 240
- 4K Ultra High Definition
- UHDアップスケーリング
- Décor Mode ピクチャーエンジン
音質:ドルビーデジタルプラス搭載
The Frameにはドルビーデジタルプラスが搭載されており、臨場感あふれるオーディオ体験を提供します。ノイズを抑えたクリアで迫力あるサウンドにより、お気に入りのドラマや映画を快適に楽しめます。
5.1chサラウンドサウンドにも対応しています。
音響スペック
- ドルビーデジタルプラス
- DTS Premium Sound 5.1™|5.1chデコーディング
- 40W 2.2chスピーカー
リモコンとポート
The Frameには、USB端子×3とHDMI端子×4を備えたOne Connectボックスが付属します。
また、使いやすい小型リモコン「One Remote」も同梱。この名前の由来は、接続されたすべての機器をこの1本でまとめて操作できることにあります。

接続端子
- インビジブル接続™
- HDMI ×4
- USB ×3
- 802.11 AC 内蔵Wi-Fi
- 有線LAN(Ethernet)
- Bluetooth LE
- Ex-Link(RS232C)
ソフトウェア:Tizen OSの快適な操作性
スマートテレビのソフトウェアにおいて、サムスンは常にトップクラスの存在です。The FrameはTizen OSを採用しており、動作は滑らかでレスポンスも高速。Netflixなど生活に必要なアプリが最初から揃っており、追加ダウンロードも簡単に行えます。
さらに、接続した機器を自動認識するのも便利なポイント。面白いのは、HDMI番号ではなく機器名を表示する点です。例えばXboxを接続すれば、「HDMI 1」ではなく「Xbox」と表示されます。
総評:アートか、テクノロジーか
価格は約2,000ドル。The Frameは一般ユーザーにとって気軽に買える選択肢とは言えませんし、最新の技術機能を重視するユーザーにとっての第一候補にもならないでしょう。
しかし、芸術的な感性を持ち、何よりも個性を大切にしたいユーザーという、まったく異なる層が確かに存在します。サムスンが狙ったのはまさにその層です。このアーティスティックなアイデアによって、サムスンは型破りな発想力と、世界中のあらゆるユーザーを惹きつける力を証明してみせました。
さて、あなたはどちらを選びますか? アート性の高いテレビか、それとも技術先進のテレビか。答えはあなた次第です。
次にお読みください:Apple TV 4Kで知っておくべき10のコツと裏技
-
iPhone XとGalaxy S8を徹底比較!勝者はどちらのスマホか?
Appleは新型iPhone 3機種の発表により、事前の噂や冷ややかな見方を見事に覆しました。多くの人が予想していたのはiPhone 8だけでしたが、10周年記念モデルとして登場した「iPhone X」は、観客を大きく驚かせる存在となりました。一方のSamsungも、Galaxy S8とGalaxy S8 Plusの投入によって、多くの面でAppleを追い上げ、さらには追い越す存在となっています。新しいスマートフォンの購入を検討していて、この2機種の間で決断できずにいる方のために、本記事で詳しく比較していきましょう。 両プラットフォームにはそれぞれ熱心なファンがついており、「どちらが優れてい
-
科学を疑う力――偉大な発見はすべて「問い」から始まる
もしニュートンが「リンゴはなぜ地面に落ちるのだろう?」と自問しなかったら、どうなっていたでしょう。もしコロンブスが、地球は平らではなく丸いということを証明するために闘わなかったら?インターネットが誕生していなかったら?重力という概念が存在しなければ、人類は地上から離れることができず、月はおとぎ話の中だけの存在になっていたはずです。つまり、あらゆる革新的な発見は、必ず「一つの問い」から始まるのです。 「科学者とは、正しい答えを提示する者ではなく、正しい問いを発する者である。」―― クロード・レヴィ=ストロース 適切な問いを立てることこそが、良質な科学の核心です。鋭い問いは、受け入れられてきた常識