WhatsApp・Telegram・Signal徹底比較|あなたに最適なチャットアプリはどれ?
2009年にWhatsAppが登場したことで、SNSメッセージングの世界は大きく進化しました。二人の情熱的な開発者による小さな試みは、やがて業界を牽引する存在へと成長していきます。
しかし、Facebook(現Meta)による買収後は、同アプリが提供するプライバシー・セキュリティ機能をめぐり、数多くの議論や論争が巻き起こることになりました。本記事では、オンラインセキュリティや各種機能の観点から、WhatsApp・Telegram・Signalを徹底比較し、どのチャットアプリが最適なのかを詳しく解説します。
第1部:WhatsApp・Telegram・Signalの基本情報
3大チャットアプリであるWhatsApp、Telegram、Signalは、それぞれに優れた特徴を持っています。人と人とのコミュニケーションをつなぐうえで、いずれも重要な役割を果たしてきました。
WhatsAppとは

WhatsAppはクロスプラットフォーム対応のチャットアプリで、テキストメッセージ、音声ファイル、動画ファイル、ドキュメント、さらにはGIF画像まで連絡先と共有できます。リンクやステータス、イベントなどを大切な人とシェアすることも可能です。携帯電話網やSMSに依存せず、安定したインターネット接続さえあれば無料で利用できる点が魅力です。
このアプリは、ジャン・クームとブライアン・アクストンという二人のアメリカ人によって開発されました。興味深いことに、彼らはもともとFacebookでの就職を目指していましたが叶わず、代わりに独自のアプリを開発。その結果、2014年にFacebookがWhatsAppを買収するという展開になりました。現在では、個人間のやり取りにもビジネス用途でも欠かせない便利なツールとなっています。
Telegramとは

Telegramも、大切な人や知人とやり取りできるチャットアプリです。クロスプラットフォーム対応のクラウド型インスタントメッセンジャーで、グループ作成、ビデオ通話、音声通話、通常のチャットに加えてGIFの送受信などにも対応しています。2013年8月にiOS版がリリースされ、同年10月にはAndroid版も登場しました。
ニコライ・ドゥーロフとパベル・ドゥーロフのロシア人兄弟が、2013年にTelegramを世に送り出しました。彼らは当初ロシアのSNS「VK」の開発に携わっていましたが、同社は後にロシア政権寄りの勢力に買収されています。2016年のアクティブユーザー数1億人から、2021年には約5億人へと急成長を遂げました。
Signalとは

SignalはWhatsAppに似たメッセージングアプリで、WhatsAppの共同創業者ブライアン・アクストンからの資金提供を受けて、モクシー・マーリンスパイクが設立しました。暗号化通話アプリ「RedPhone」の後継にあたり、当初は「TextSecure」という名称でしたが、幾度の改良を経て2018年に「Signal」として正式リリースされました。
テキストメッセージ、音声録音、動画ファイル、ドキュメント、GIF、絵文字、ステータス、リンクなどを連絡先と自由に交換できます。最大1000人まで参加できるグループを作成することも可能で、エンドツーエンド暗号化により、すべての会話が完全にプライベートに保たれます。
第2部:セキュリティとプライバシーの比較

インターネットに接続されたアプリで機密情報を扱う場合、プライバシーへの配慮は極めて重要です。自分のデータが誰に取得され、悪用されているのかどうかは、実際には分かりません。ここでは、3つのアプリのセキュリティ機能を項目別に比較します。
エンドツーエンド暗号化

WhatsAppとSignalは、チャットにエンドツーエンド暗号化を採用しています。ただし、WhatsAppの場合は少し不完全です。通常のチャットやビジネス会話は送信中に暗号化されますが、クラウドやドライブにバックアップされたデータは暗号化されません。つまり、バックアップ先から会話内容へアクセスできてしまう状態です。
一方のSignalは、バックアップデータや会話だけでなく、メタデータに至るまで暗号化しています。そしてTelegramは、グループメンバーとの「シークレットチャット」を利用しない限り、エンドツーエンド暗号化が適用されません。この観点で3アプリを比較すると、Signalが明確な勝者と言えるでしょう。
データの取得範囲

WhatsAppは、位置情報、IPアドレス、連絡先、ステータス更新、ISP情報、端末モデル、購入履歴、クラッシュデータ、パフォーマンスや操作に関するデータに加え、プロフィール写真や電話番号までも取得します。
Telegramが求めるのは、登録に使用した電話番号、メールアドレス、連絡先情報と、連絡先に関するデータのみです。Signalは登録用の電話番号以外、何も要求しません。
グループ人数の上限
この項目では、WhatsAppがSignalやTelegramに後れを取っています。グループのプライバシー保護はSignalが最も高く、Telegramが最も低くなっています。Telegramではグループ会話に対するデータの暗号化や保護がありませんが、その反面、グループには最大20万人まで追加できます。WhatsAppは256人、Signalは約1000人です。
グループへの追加方法
Signalで特定の連絡先をグループに追加したい場合、相手がすでに自分の連絡先に登録されていても、必ず招待を送る必要があり、相手が承諾してはじめてグループに加わります。これはWhatsAppやTelegramとは大きく異なる点です。両アプリでは、連絡先があれば相手の許可なくグループに追加でき、参加リンクによる招待にも対応しています。一方、Signalにはリンク招待機能がありません。
第3部:安全性が高いのはTelegramかSignalか?

WhatsApp・Signal・Telegramの比較から、WhatsAppが広告を収益モデルとしていることが明らかになりました。そのため、「最適なサービスの提供」を名目に、ユーザーデータがビジネスサービスに提供されています。データが異なるプラットフォーム間(WhatsAppとFacebook間など)で移動する際、プライバシーが危険にさらされる可能性があるため、決して安全とは言えません。
TelegramとSignalは事情が異なります。Telegramは、新規参加者の提案や通知のために連絡先を同期する以外、ユーザーから情報を収集せず、ユーザー情報で収益を得ることもありません。ただし、チャットを監視していなくても、エンドツーエンド暗号化がない点は留意が必要です。

WhatsAppと比べればTelegramの方が安全ですが、依然として最善とは言えません。現時点で最も理想的な選択肢はSignalです。ブライアン・アクストンは、Facebookによる買収後にWhatsAppの在り方がどう変化したかをよく理解しており、創業者二人はFacebook Inc.との間に「解決不可能な問題」を抱えた結果、提携関係から離脱しました。
Signalの設計と機能は、WhatsAppが抱えていた抜け穴をすべて塞いでいます。登録に使う電話番号以外の情報は一切収集せず、バックアップを含むすべてのデータがクラウドストレージに安全に保存されます。ユーザーの会話を覗き見ることもありません。
これにより、SignalはWhatsAppやTelegramよりも格段に安全なアプリとなっています。
Telegramのメリット・デメリット
メリット
- オープンソースである
- チャットのバックアップをクラウドで利用可能
- 広告が表示されない
- スクリーンロック機能を搭載
- 自己消滅メッセージ機能がある
- 連絡先と電話番号以外のユーザーデータを収集しない
デメリット
- エンドツーエンド暗号化に非対応
- シークレットチャット以外の会話は保護されていない
Signalのメリット・デメリット
メリット
- オープンソースソフトウェアである
- すべてのチャットでエンドツーエンド暗号化が有効
- データバックアップも暗号化される
- 広告が表示されない
- 非営利運営のクロスプラットフォームアプリ
- 開発元サーバーにユーザーデータを保存しない
デメリット
- デスクトップアプリの完成度がやや低い
プライバシー保護が最大の関心事であれば、Signalが間違いなく最良の選択となるでしょう。
第4部:WhatsAppから乗り換えると失うものは?
賢く準備すれば、失うものより得るものの方がはるかに多いでしょう。WhatsAppはコミュニケーションが手軽で、スマホの容量をほとんど消費せず、やり取りするファイルやチャットデータのサイズも小さいのが魅力です。しかし、同アプリでは会話履歴を他のチャットアプリへ直接移行できない点に注意が必要です。
そのため、WhatsAppをアンインストールするとデータを失う恐れがあります。クラウドにバックアップしていなければ、すべてのデータが消えてしまいます。さらに、WhatsAppアカウントを削除すると、Googleドライブに保存していたバックアップも一緒に削除されます。

デバイス内にチャットやデータをバックアップするには、アプリの設定を変更しましょう。「設定」>「チャット」>「チャットのバックアップ」に移動し、保存したいデータの範囲を指定します。毎日バックアップすることも、月単位でまとめて保存することも可能ですが、データ消失リスクを最小限に抑えるためには毎日のバックアップがおすすめです。

また、WhatsAppには自動バックアップ機能も備わっています。毎日午前2時にバックアップ処理が実行され、ファイルサイズに応じて数分程度かかります。将来WhatsAppを卒業する際にデータを安全に引き継げるよう、この機能を有効にしておくことが大切です。
データを他のアプリへ直接転送することはできませんが、将来のために安全に保管しておくことは可能です。次のセクションでその具体的な方法をご紹介します。
裏ワザ:サードパーティ製転送ツール「MobileTrans」
わずか数ステップで作業を完了できる便利なアプリの一つがMobileTransです。WhatsAppを永久に削除する予定があるなら、この転送ツールを使えば、ほんの数分でPCやノートパソコンにチャット情報を丸ごと保存できます。
手順は以下の通りです:
ステップ1:まず、公式サイトからMobileTransアプリをダウンロードします。ダウンロードは数分で完了します。アプリを起動し、「Phone to Phone」タブ内の「WhatsApp Transfer」を選択してください。

ステップ2:アプリがモバイルデバイスとPCの接続を求めてくるので、USBケーブルでスマホを接続します。アプリは数秒でデバイスを認識し、さまざまなファイルの転送・処理が可能になります。

ステップ3:「Proceed」をクリックしたら、処理が完了するまで待ち、途中で中断しないでください。ファイルの完全な転送には数分かかり、画面に「Completion」のメッセージが表示されたら、スマホを取り外します。

保存された情報はご自身のパソコンに記録されます。音声ファイル、画像、動画の品質や形式は元のまま維持され、過去のチャットを読み返すことも可能です。全コンテンツはPDF形式で保存されるため、WhatsAppがなくても簡単に閲覧・管理できます。
まとめ
オンラインプライバシーは、今や誰にとっても重大な関心事となっています。オンラインのアプリやサービスは、利益を追求するためにユーザーの情報を利用しているのが実情であり、深刻なデータ漏洩につながるだけでなく、長期的にはアプリ自体の利便性にも影響を及ぼしかねません。イーロン・マスク氏が公にSignalの利用を呼びかけたことで、世界中がこのアプリに注目するようになりました。
Signal対WhatsApp対Telegramをめぐる議論は、新しいWhatsAppプライバシーポリシーが発表されて以来、ニュースを賑わせ続けています。WhatsAppはユーザーからより多くのデータを取得することを求めており、その詳細は現在も不明瞭なままです。もしWhatsAppからの乗り換えをお考えなら、MobileTransでデータを安全に保管し、より良い選択肢へと新たな一歩を踏み出しましょう。
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