ネットワークセキュリティへの侵入(イントルージョン)とは?仕組み・種類・対策を徹底解説
ネットワークセキュリティにおける「侵入(イントルージョン)」とは、許可なくデータやシステムのセキュリティを侵害する行為全般を指します。その深刻度はさまざまで、ランサムウェアのような悪質な攻撃から、従業員の過失による意図しない情報漏洩まで多岐にわたります。マルウェアやランサムウェアは、侵入の典型的な例といえます。
日常的なたとえでいえば、「侵入」とは私的な空間に招かれざる存在が入り込むことです。例えば、裏庭で昼寝をしているところへ、近所の犬が勝手に入り込んで飛びかかって起こしてしまうような状況がそれにあたります。デジタルの世界では、この「許可なき立ち入り」がネットワークやコンピュータに対して行われるのです。
ネットワーク侵入の仕組み
ネットワーク侵入とは、デジタルデバイスを介して実行される不正な活動のことです。多くのネットワーク侵入に共通するのは、ネットワークから貴重なリソースを盗み出し、ネットワークおよびそこに保存されたデータのセキュリティを脅かすという点です。
代表的な侵入手法の一つが、コンピュータウイルスやワームです。これらはメールの添付ファイルやインスタントメッセージを通じて拡散することが多く、大量のネットワークリソースを消費し、正当な通信や業務の妨げとなります。
侵入検知システム(IDS)とは
IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)は、ネットワーク上の戦略的な位置に配置され、すべてのデバイスからの通信を監視します。サブネットを通過するトラフィックを分析し、既知の攻撃パターンと照合することで、不正なアクセスを検出します。
IDSは受動的(パッシブ)な監視を行うのが特徴で、パケットレベルのトラフィックを分析して結果を記録します。一方、IPS(侵入防止システム)は能動的(プロアクティブ)に動作し、侵入を直接阻止するアクションを実行できる点が異なります。
IDSの主な種類
- ネットワーク型IDS(NIDS):ネットワーク全体のトラフィックを監視するシステム
- ホスト型IDS(HIDS):個々のホストデバイス上のファイル操作やポリシーを分析するシステム
- 境界型IDS:ネットワークの境界部分で侵入を検知するシステム
- 仮想マシン型IDS:仮想化環境における侵入を検知するシステム
侵入検知の主な手法
侵入検知・防止システムは、主に次の2つの検知方法、またはその両方を組み合わせて使用します。
- シグネチャ型検知:既知の攻撃パターン(シグネチャ)と照合して不正を検出する方法
- 統計的アノマリー型検知:通常のトラフィックから逸脱した異常な挙動を検出する方法
また、基本的な検知方式としては、ネットワークトラフィックを分析する「ネットワーク侵入検知システム」「ネットワークノード侵入検知システム」と、ホストデバイス上のファイル操作やポリシーを分析する「ホスト型侵入検知システム」の2系統に大別されます。
IDSの検知例
例えば、トラフィック規制ポリシーによって、ネットワーク全体でTCP接続が急増するといった不審なトラフィックを追跡できます。さらに、特定のIPv6アドレスやアドレス範囲、すべてのポートに対する限定的なIPオプションを標的とした攻撃を検知するポリシーを設定することも可能です。
侵入防止システム(IPS)とは
IPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)は、ネットワークトラフィックの流れを検査することで、ネットワーク上で悪用される脆弱性を特定し、未然に防ぐシステムです。IDSが「検知」に特化しているのに対し、IPSは「検知+遮断」まで行える点が大きな違いです。
侵入検知のプロセス
侵入検知のプロセスでは、コンピュータシステムやネットワーク上で行われている活動を継続的に監視し、セキュリティポリシー、利用規定、または標準への違反、あるいは違反のおそれのある兆候がないかを分析します。これにより、脅威を早期に発見し、被害の拡大を防ぐことができます。
まとめ
ネットワークへの侵入は、データ窃取やシステム侵害をもたらす重大な脅威です。IDSとIPSを適切に組み合わせ、シグネチャ型とアノマリー型の両方の検知手法を活用することで、多層的な防御体制を構築できます。自組織のネットワーク構成に応じた最適な侵入対策を導入しましょう。
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