ネットワークセキュリティがデータセンターにとって最重要課題である2つの理由
はじめに:なぜネットワークセキュリティが重要なのか
家庭でも企業でも、安全なネットワーク環境を維持することは極めて重要です。たとえば一般家庭に普及している無線ルーターも、適切に保護されていなければ外部からの攻撃に悪用される恐れがあります。ネットワークセキュリティを確保することで、データの紛失・盗難・漏えいといったリスクを大幅に低減できます。
ネットワークセキュリティとは、ハッカーなどの脅威からコンピュータやネットワークを守るための一連の取り組みです。ハードウェアとソフトウェアの両方の技術を組み合わせ、ネットワーク上の機密データ、利用者、デバイスが悪意ある第三者によって不正利用されることを防ぎます。ネットワークが安定して稼働し、正規のユーザーだけが安全にアクセスできる状態を実現してこそ、真に「安全なネットワーク」と呼べるのです。
データセンターにとって最重要課題である2つの理由
理由1:膨大な機密データを一括して預かる拠点だから
データセンターには、企業の顧客情報、金融データ、基幹業務システムなど、機密性の高い情報が集中して保管されています。その役割はデータ保存にとどまらず、災害復旧(DR)、ネットワーク管理、データ管理サービスの提供まで及ぶ、ITインフラの中核施設です。万一不正侵入されれば、被害は1社にとどまらず、多数の企業とその顧客へ波及しかねません。だからこそ、入退室管理や監視カメラといった物理的な施策と、ファイアウォールや暗号化などの仮想技術を組み合わせた多層防御が不可欠となります。
理由2:サービスの継続性(可用性)を支える生命線だから
データセンターには24時間365日の安定稼働が求められます。DDoS攻撃やランサムウェアなどによってシステムが停止すれば、それに依存するすべてのサービスが麻痺し、金銭的損失だけでなく企業の信頼失墜にも直結します。信頼性の高いネットワークセキュリティ体制を整えることで、データ窃取やハッキングによる被害リスクを低減し、ワークステーションをスパイウェアから守りながら、サービスを止めることなく運用し続けられるのです。
ネットワークセキュリティを取り巻く主な脅威と課題
ある調査では、組織が直面するセキュリティ上の課題は以下のように挙げられています。
- 内部者による脅威(44%)
- ITインフラの複雑化(42%)
- 経営層の支援不足(40%)
- セキュリティツール間の相互運用性の問題(37%)
- シャドウIT(31%)
- 特権アクセス管理の不備(29%)
- クラウド環境の可視性不足(28%)
- BYOD(個人所有デバイスの業務持ち込み)(26%)
また、インターネットセキュリティの基本問題として特に知られているのが次の5つです。
- ゼロデイ脆弱性:ベンダーが存在を把握していないソフトウェアの未知の欠陥
- フィッシング詐欺:個人情報をだまし取る手口
- ランサムウェア:データを人質に身代金を要求するサイバー犯罪
- マルウェア感染:コンピュータに潜伏する悪意あるプログラム
- DDoS攻撃:大量の通信でサーバーを機能不全に陥れる攻撃
さらに、アプリケーションの脆弱性を突いた悪質なコード注入、データ漏えいに伴う多大なコスト、ウイルス対策ソフトでは検出しきれないマルウェア、悪意のある内部者(内部犯)なども深刻なリスクとして認識されています。
ネットワークセキュリティがもたらすメリット
適切なネットワークセキュリティは、大規模システムにおける信頼構築の土台となります。具体的には、以下のような効果が期待できます。
- 組織全体のリスク低減と機密情報の保護
- リモートワークなど現代的な働き方の実現
- アクセス制御による不正アクセスの防止
- アンチウイルス・アンチマルウェアによる脅威の検知
- アプリケーションの安全性評価とユーザー行動の分析
どれほど優れた防御を敷いても、ネットワークが攻撃に対して完全に免疫を持つことはできません。だからこそ、信頼性と有効性を兼ね備えたネットワークセキュリティ体制が不可欠なのです。
主なネットワークセキュリティ対策の種類
ネットワークセキュリティは多岐にわたる技術・施策の総称であり、代表的なものに以下があります。
- アクセス制御
- アンチウイルス・アンチマルウェアソフトウェア
- アプリケーションセキュリティ
- 行動分析(ビヘイビア分析)
- データ損失防止(DLP)
- DDoS攻撃への防御
- メールセキュリティ
- ファイアウォール
- VPNによる暗号化
- エンドポイント・Web・ワイヤレス(無線)セキュリティ
これらを組み合わせ、ネットワーク上のコンピュータ、ファイル、ディレクトリをハッキング、悪用、不正アクセスから守ることが基本となります。
セキュリティ人材に求められる要件
米国国家安全保障局(NSA)によれば、サイバーセキュリティ分野のエントリーレベル職には、一般的に学士号と3年程度の関連実務経験が必要とされます。また、修士号取得後に1年の関連経験、または博士号取得(経験不問)でも応募資格を満たせる場合があります。技術的な対策と並んで、専門知識を持つ人材の育成・確保もセキュリティ強化の重要な要素です。
まとめ
ネットワークセキュリティの最大の目的は、ネットワークとデータを侵害・侵入・その他の脅威から守ることにあります。ハードウェア・ソフトウェアのソリューションに加え、ネットワークの利用方法やアクセス権限、運用プロセスまで含めた包括的な取り組みが求められます。特にデータセンターにとっては、集中する機密データの保護と24時間365日のサービス継続という2つの観点から、ネットワークセキュリティは最優先で取り組むべき最重要課題だといえるでしょう。
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