サイバーセキュリティで海軍に入るには?米軍の訓練・配属先・年収を徹底解説
現代の戦場は陸・海・空だけでなく、サイバー空間にも広がっています。米軍ではサイバーセキュリティの専門人材が極めて重要な役割を担っており、民間企業以上に充実した訓練環境とキャリアパスが用意されています。この記事では、どの軍種がサイバーセキュリティを担当しているのか、訓練内容、配属先、そして気になる給与事情まで詳しく解説します。
サイバーセキュリティを担当するのはどの軍種?
米国では「アメリカサイバー軍団(United States Cyber Command)」がサイバー戦の中核を担っています。これは国防総省直属の統合コマンド(統合戦闘司令部)であり、陸・海・空・海兵隊といった軍種の枠を越えてサイバー戦力を一元管理する組織です。
軍隊でサイバーセキュリティを学べる?
答えは「はい」です。軍のサイバーセキュリティ専門官は、非常に高度なレベルで訓練を受けられます。データベース設計、コンピュータネットワーキング、通信システムなど幅広い技術分野の教育が用意されており、教室での講義と実務研修(OJT)を組み合わせることで、常にスキルを磨ける環境が整っています。
また、国土安全保障省(DHS)も若者や軍関係者向けのサイバー人材育成に力を入れており、無料でオンライン受講できる「FedVTE(Federal Virtual Training Environment)」といったサイバーセキュリティ研修プログラムも提供しています。
海軍サイバー将校の配属先
海軍のサイバー戦エンジニア(CWE)将校は、士官養成課程(Officer Development School)を修了した後、メリーランド州フォートミードまたは同州スートランドにあるNIOC(海軍情報作戦コマンド)に配属されるのが一般的です。
サイバーセキュリティの給与はどれくらい?
FBIや民間企業の場合
FBIによると、サイバーセキュリティの経験を持つ民間人は12万ドル〜20万ドルの収入を得られる可能性があります。サイバーセキュリティエンジニアの平均年収も同水準の12万ドル〜20万ドル程度です。
海軍の場合
米国におけるサイバーセキュリティ職の平均年収は約77,700ドル。一方、米海軍全体の平均年収は約73,700ドルであるため、サイバーセキュリティ職は海軍平均より約4%高い水準にあります。
陸軍の場合
労働統計局(BLS)のデータによると、米陸軍のサイバーセキュリティスペシャリストの平均年収は約107,992ドルです。なお、インターネットセキュリティスペシャリストについては年収約50,000ドル程度という報告もあります。
時給換算の事例
求人情報の一例を見ると、Tata Consultancy Servicesで25ドル/時、Innovatia Incで28ドル/時、Fleming Collegeで65ドル/時など、勤務先によって時給に大きな開きがあることがわかります。
サイバー戦エンジニア(CWE)とはどんな仕事?
CWE(Cyber Warfare Engineer)は、ハイテクコンピュータサイエンスとコンピュータ工学のエキスパートです。主な任務は次の2点です。
- 攻撃的な防御手段を提供し、戦術的な優位性をもたらすこと
- 情報環境における状況把握のためのツールや技術を開発すること
サイバー・電子戦将校の任務
サイバー・電子戦将校になると、サイバー防御の監督とその統合運用を担当します。電子的な攻撃、防護、そして電子戦への支援など、幅広い任務を担うことになります。
陸軍にはサイバー部門がある?
はい、あります。米陸軍のサイバー部門は「防御的および攻撃的なサイバー空間作戦(DCOとOCO)」を任務とする機動部門として位置づけられています。サイバー領域に直接関与する唯一の部門であり、サイバー空間上の脅威に直接対抗できる存在です。
なぜ軍にとってサイバーセキュリティが重要なのか
システムやネットワークを使って日々の業務を行うすべての組織や企業にとってサイバーセキュリティが不可欠であるように、軍にとってもそれは変わりません。軍隊は戦場で戦うためのサイバー能力を開発すると同時に、平時においても敵から自らのシステムを守る防御体制を整えています。
サイバー作戦将校は前線に展開するのか
陸軍のサイバー部隊は24時間体制で、世界中でさまざまなサイバー作戦を実施しています。従来の戦闘と同様に、サイバー戦作戦を指揮・統制する専任の人材グループが必要とされているのです。
サイバーセキュリティ将校の役割
サイバーセキュリティ将校の責務は、敵対勢力によるサイバー攻撃から軍を守ることです。戦略的・戦術的な情報ネットワークの適切な運用、支援、防衛に関する専門知識を軍に提供し、組織全体のセキュリティ水準を支えます。
年収の高いサイバーセキュリティ職種
オーストラリアのPayScale(2021年1月データ)によると、サイバーセキュリティスペシャリストの平均年収は約9万豪ドルです。さらに高収入が期待できる職種には、以下のようなものがあります。
- バグバウンティスペシャリスト
- 最高情報セキュリティ責任者(CISO)
- ソフトウェアセキュリティのリーダー
- サイバーセキュリティ専門のITセールスエンジニア
- サイバーセキュリティアーキテクト
- サイバーセキュリティマネージャー/管理者
- ペネトレーションテスター
- 情報セキュリティアナリスト
まとめ
米軍では海軍・陸軍の双方でサイバーセキュリティ人材への需要が高く、充実した訓練制度と競争力のある給与が大きな魅力です。民間でも年収12万ドル超のポジションは決して珍しくなく、軍で培った経験は退役後のキャリアにも大いに活かせます。「サイバー空間は第5の戦場」と呼ばれる時代において、軍隊でサイバーセキュリティを学ぶことは、将来性の高い選択だと言えるでしょう。
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