ネットワークセキュリティ
 Computer >> コンピューター >  >> ネットワーキング >> ネットワークセキュリティ

ネットワークセキュリティにおけるバックドアとは?仕組み・事例・対策を徹底解説

バックドアとは何か?

バックドア(裏口)とは、正規の認証プロセスやセキュリティチェックを経由せずに、コンピュータシステム、ネットワーク、ソフトウェアアプリケーションへ高レベルのアクセス権限(root権限など)を取得するための隠された手段のことです。その名の通り「裏口」のように機能し、開発者がメンテナンスやトラブルシューティングのために意図的に組み込む場合と、攻撃者が不正アクセスのために仕掛ける場合があります。

一般に、バックドアとは「本来は独自のセキュリティ機構によって保護されている対象(コンピュータシステムや暗号化データなど)への近道」全般を指します。文書化されていないアクセス方法であるため、放置されると重大なセキュリティ脅威となり得ます。

トラップドアとの違い

トラップドア(trapdoor)は、プログラム内部に隠された入口で、通常のセキュリティ確認を通らずに誰でもアクセスできるものを指します。バックドアとほぼ同義で使われることも多く、「裏口」「抜け道」と呼ばれることもあります。

ハッカーがシステムへの侵入に成功した後、次回以降のアクセスを確保するためにトラップドアを設置することがあります。この場合、たとえ最初に悪用された脆弱性が修正されていても、パスワードなしでシステムの一部(ネットワーク領域など、通常はアクセスできない部分)へ侵入できてしまいます。

代表的なバックドアの事例

FinSpy

FinSpyはよく知られたバックドア型ウイルスの一例です。感染したシステムがインターネットに接続すると、その場所に関係なく、リモートからファイルのダウンロードと実行が可能になります。システム全体のセキュリティを根底から脅かす危険性の高いマルウェアです。

ShadowPad

2017年には、東南アジア諸国および米国で利用されていたサーバー管理アプリケーション(NetSarang社の製品など)に高度なバックドア「ShadowPad」が仕込まれていたことが発見されました。ShadowPadは追加のマルウェアをダウンロード・インストールできるだけでなく、データの偽装も行える極めて強力なバックドアです。

バックドアウイルスとは

バックドアウイルスは、システムの弱点や脆弱性を悪用して、コンピュータシステムやプログラムへのリモートアクセスを可能にするマルウェアです。コードはバックグラウンドで密かに動作するため、被害者は気づかないうちに侵害されていることが少なくありません。

バックドア攻撃とは

バックドア攻撃とは、ハッカーが欺瞞的な手法や巧みな隠蔽技術を使ってマルウェアを仕込み、ネットワークの通常のセキュリティ対策や認証プロセスを回避するサイバー攻撃のことです。一度バックドアが設置されると、攻撃者は正規の認証情報なしで繰り返し侵入できるようになり、被害が長期化しやすい点が特徴です。

バックドアの主な用途

バックドアの最も一般的な用途は、コンピュータへのリモートアクセスを確保すること、または暗号化されたデータの平文へのアクセスを得ることです。悪用されれば、特権情報へのアクセス、ハードディスク上のデータの改ざん・削除、自動スケジュールによるネットワーク内でのデータ転送など、さまざまな攻撃に利用されます。

一方で、管理者が保守やトラブルシューティングのためにシステムへアクセスできるよう、開発段階で非公開のポータルが組み込まれるケースもあります。つまり「バックドア」という言葉には、正当な管理用途と悪意ある侵入手段という複数の意味が含まれているのです。

バックドアが生まれる原因

ハッカーはまず真っ先にバックドア(トラップドア)を探します。その発生原因は大きく以下のように分類できます。

  • 開発者による意図的な実装(メンテナンス用の隠し機能)
  • うっかりミスによって生じた意図しないセキュリティ上の欠陥
  • 深刻なセキュリティホール
  • 外部からの侵入攻撃によって設置されるもの

まとめ

バックドアは、正規の手順を経ずにシステムへの高レベルアクセスを可能にする隠れた入口であり、開発目的のものから悪意ある攻撃ツールまで多様な形態を持ちます。未発見のバックドアは重大なリスクとなるため、信頼できるソフトウェアのみを導入すること、定期的なセキュリティ診断を実施すること、不審な通信や挙動を監視することが重要な対策となります。

  1. ネットワークセキュリティのACLとは?基本から仕組み・活用方法まで徹底解説

    ネットワークセキュリティにおけるACLとは ACL(Access Control List:アクセス制御リスト)は、コンピュータセキュリティにおいてネットワークトラフィックをフィルタリングするために使用される設定です。許可されたユーザーにはディレクトリやファイルなどの特定のシステムオブジェクトへのアクセスを認め、許可されていないユーザーのアクセスはブロックします。 ACLの種類:ネットワーキングACLとファイルシステムACL デジタル環境へのアクセスは、アクセス制御リスト(ACL)によって管理され、「どの環境に誰がアクセスできるのか」が明確に定義されます。ACLは大きく分けて2種類あります。

  2. OSとネットワークセキュリティとは?仕組み・種類・必要性をわかりやすく解説

    ネットワークセキュリティとは?ネットワークセキュリティとは、ネットワークとデータを様々な脅威から守り、可用性と完全性を維持するための一連の取り組みです。対象となるのはハードウェアだけでなく、ソフトウェア技術も含まれます。ウイルスや不正アクセスなど数多くの脅威が存在しますが、ネットワークセキュリティによって、これらがネットワークへ侵入したり拡散したりすることを防ぎます。効果的なネットワークセキュリティがあれば、安全なネットワークアクセスが実現します。ネットワークセキュリティの定義と種類ネットワークセキュリティとは、ネットワークおよびその上にあるデータが、意図せず漏洩したり盗み見られたりすることを