米国政府機関とサイバーセキュリティ大統領令の関係を徹底解説|CISA・FBI・NSAの役割とは
はじめに
サイバー攻撃の脅威が年々高まる中、米国政府は大統領令(エグゼクティブ・オーダー)を通じて、国家レベルのサイバーセキュリティ強化を進めています。本記事では、サイバーセキュリティに関する大統領令の概要と、それに関わる主要な政府機関(CISA、FBI、NSAなど)の役割について詳しく解説します。
サイバーセキュリティ改善大統領令とは?
2021年5月12日、バイデン大統領は「国家のサイバーセキュリティの改善(Improving the Nation's Cybersecurity)」と題する大統領令に署名しました。この大統領令には、サイバーインシデントの予防・検知・評価・復旧に向けた数多くの目標と改革が盛り込まれています。他の大統領令と同様、各行政機関には具体的な目標達成計画の策定と、遵守すべきタイムラインの設定が求められています。
サイバー犯罪を専門に扱うのはどの機関?
米国国外で活動する犯罪者やテロリストの捜査に加え、FBI(連邦捜査局)にはサイバー攻撃を専門に調査する部門が設置されています。また、FBIの内部部門であるIC3(インターネット犯罪苦情センター:Internet Crime Complaint Center)は、被害者本人またはその代理人からのオンライン犯罪の申告を受け付けています。
サイバーセキュリティを担当する政府機関
国土安全保障省傘下のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、選挙インフラへのリスク管理を重要な任務の一つとしています。州・地方政府、選挙管理当局、連邦パートナー、ベンダーなど、選挙に直接関わる個人や機関と協力しながら、選挙の安全確保に取り組んでいます。
FCEB機関とは?
FCEB(Federal Civilian Executive Branch:連邦文民行政部門)機関とは、国防総省および情報機関を除くすべての連邦政府機関を指します。また、FCEB情報システムへの適用範囲は、国家安全保障システムを除くすべてのFCEBシステムに及びます。
連邦政府におけるサイバーセキュリティの主導的役割
2021年2月19日から2022年3月31日まで、エリック・ゴールドスタイン氏がCISAのサイバーセキュリティ担当上級執行官(Executive Assistant Director for Cybersecurity)を務めました。同氏のリーダーシップのもと、CISAはサイバー脅威から国家の重要インフラを守り、強化することを主な使命としています。
セクション9における「重要インフラ」とは?
大統領令の第9条(Section 9)によれば、「重要インフラ」とは、公衆衛生、公共の安全、経済安全保障、国家安全保障などに影響を及ぼしうる環境系・産業系のシステムを指します。
NSA(国家安全保障局)の役割
国家安全保障局(NSA)には約3万〜4万人の職員が在籍しています。世界的なデジタル活動・通信分野のリーダーとしての立場から、優れたサイバーセキュリティ人材を擁しており、毎年数百トン規模の情報(その大部分はデジタルデータ)を監視・分析しています。
サイバーセキュリティにおける政府の役割
政府の役割は、国民がインターネット上で安全かつ安心して生活できる環境を保障することです。例えばインドでは、サイバー犯罪の実態や犯罪類型を整理し、今後のサイバーセキュリティ脅威を防止するための協力フレームワークの構築が進められています。
大統領令とは何か?その目的と法的効力
大統領令とは、米国大統領が署名・発布する公文書であり、連邦政府の運営を規律するものです。大統領令は立法ではなく議会の承認を必要としないため、議会によって覆されることはありません。一方で、最高裁判所により違憲と判断されれば無効となります。大統領令は憲法または議会制定法に基づいて発せられ、行政部門に対して義務的要件を課す法的拘束力を持っています。発令された大統領令は、撤回されるか、違憲と判定されるか、後任の大統領によって取り消されるまで効力を保ちます。
大統領令の具体例
歴史上の代表的な大統領令としては、第二次世界大戦中の日系アメリカ人の抑留を命じたフランクリン・ルーズベルト大統領の大統領令9066号、そして米軍内の人種隔離を終結させたハリー・S・トルーマン大統領の大統領令9981号などが挙げられます。
大統h2>大統領令によるサイバーセキュリティ強化策
バイデン政権の大統領令では、以下のような施策が掲げられています。
- 政府と民間セクター間の脅威情報共有の障壁を除去する
- 連邦政府機関のIT近代化と、より厳格なサイバーセキュリティ基準の導入
- ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティ強化
- サイバーセーフティ審査委員会の設置と、検知・調査・復旧能力の向上
これらの施策により、連邦政府ネットワークにおけるサイバーインシデントをより効果的に検知できるようになることが期待されています。
民間政府部門のサイバー保護を担う機関
文民の連邦政府を保護するために大統領令に盛り込まれた施策の大部分については、CISAが実行責任を負っています。
オーストラリア政府のサイバーセキュリティ戦略
米国以外にも、オーストラリア政府は「サイバーセキュリティ戦略」を発表し、グローバルに接続された未来において国の繁栄を守ることを目指しています。2020年までの期間に2億3000万豪ドル以上が投資されており、国家サイバーパートナーシップへの投資やサイバー防御の強化が含まれています。
まとめ
米国におけるサイバーセキュリティ対策は、大統領令を頂点として、CISA、FBI、NSAなどの各機関がそれぞれの専門性を発揮しながら連携する体制で推進されています。政府と民間の情報共有強化、サプライチェーンの安全確保、インシデント対応能力の向上といった取り組みは、今後の国家サイバーセキュリティの中核となるでしょう。
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