JavaScriptで減算演算子を使わずに引き算を実現する方法
はじめに
JavaScriptには、2つの数値を受け取ってその差(引き算の結果)を返す関数を実装するという課題があります。ただし、ここでの条件は減算演算子(-)を一切使用しないことです。
この問題は、コンピュータが数値を2進数で扱っていることを利用すれば解決できます。具体的には、XOR・AND・NOT・左シフトといったビット演算を組み合わせ、再帰的に処理を繰り返すことで、減算とまったく同じ結果を得ることができます。
解法のポイント
アルゴリズムの中核をなすのは、次の2つの式です。
num1 ^ num2(XOR) … 各桁の「借りを考慮しない差」を求めます。(~num1 & num2) << 1… 借りが必要な桁を検出し、1ビット左へシフトして上位の桁へ借りを伝えます。
借りがすべて処理され、第2引数が 0 になるまでこの操作を再帰的に繰り返せば、num1 に最終的な差が格納されます。
コード例
const num1 = 56;
const num = 78;
const subtractWithoutMinus = (num1, num2) => {
// 借りがなくなれば、その時点の num1 が答え
if (num2 === 0) {
return num1;
}
// XORで差を求め、借りをシフトして再帰的に継続
return subtractWithoutMinus(num1 ^ num2, (~num1 & num2) << 1);
};
console.log(subtractWithoutMinus(num, num1));
出力結果
22
78 − 56 の計算結果である 22 がコンソールに出力されます。
処理の流れを詳しく解説
subtractWithoutMinus(78, 56) を呼び出したとき、内部では次のようなステップが順番に実行されます。
- ステップ1:
78 ^ 56を計算し、借りを無視した各桁の差を求めます。 - ステップ2:
~78 & 56によって「num1 が 0・num2 が 1」となっているビット(=借りが必要な桁)を抽出し、<< 1で左シフトして借りの位置を調整します。 - ステップ3: 新しい2つの値で関数を再度呼び出します。これを借りが尽きる(
num2 === 0となる)まで繰り返します。
なお、JavaScriptのビット演算はオペランドを32ビット符号付き整数に変換して実行されるため、この手法は負の数に対しても正しく機能します。
まとめ
減算演算子が使えない状況でも、ビット演算+再帰を組み合わせれば減算を正確に実装できます。同じ考え方で加算も a ^ b と (a & b) << 1 を使って実装できることからも分かるように、ビットレベルの演算への理解は、低レイヤー処理やアルゴリズムの学習において非常に役立つ知識です。
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