PythonのipaddressモジュールでIPv4/IPv6アドレスを自在に操作する方法
インターネットプロトコルは現在、バージョン4(IPv4)からバージョン6(IPv6)への移行期にあります。この移行が必要となっているのは、インターネットに直接接続されるデバイスが急増している一方で、IPv4では必要なアドレス数をまかなえないためです。
IPv4とIPv6の基本構造
IPv4アドレスとは
IPv4アドレスは32ビットで構成され、8ビットずつのグループ(「オクテット」と呼ばれます)が4つ並んだ形式です。これは「ドット区切りの10進表記(dotted decimal)」と呼ばれ、各オクテットには0〜255までの10進数値が入ります。
例: 192.168.1.1
CIDR表記を用いた場合は 192.168.1.1/24 のようになります。ここで「/24」は、先頭から3つのオクテットがネットワークを識別し、最後のオクテットがノード(ホスト)を識別することを意味します。
IPv6アドレスとは
IPv6アドレスは128ビットの長さを持ち、16進数表記を使用します。IPv6アドレスの各桁は4ビットを表し、0〜f(15)の値を取ります。128ビットは、コロンで区切られた8組の16ビットグループに分割されます。
例: 2001:db8:abcd:100::1/64
すべてのIPv6アドレスではCIDR表記が使われ、先頭の何ビットがネットワーク識別に使われ、残りがホスト/インターフェース識別に使われるかを決定します。
ipaddressモジュールとは
Pythonの標準ライブラリには ipaddress モジュールが含まれており、IPv4およびIPv6のアドレスやネットワークを作成・操作・処理するための機能を提供します。追加インストールは不要で、すぐに利用できます。
モジュールには、IPアドレス・ネットワーク・インターフェースを手軽に生成するためのファクトリ関数が用意されています。
主要なファクトリ関数
ip_address()
引数として渡されたIPアドレスに応じて、IPv4AddressオブジェクトまたはIPv6Addressオブジェクトを返します。IPv4とIPv6のどちらのアドレスも指定可能です。
>>> import ipaddress
>>> ipaddress.ip_address('192.168.0.1')
IPv4Address('192.168.0.1')
>>> ipaddress.ip_address('2001:ab7::')
IPv6Address('2001:ab7::')ip_network()
引数として渡されたIPアドレスに応じて、IPv4NetworkオブジェクトまたはIPv6Networkオブジェクトを返します。
>>> ipaddress.ip_network('192.168.100.0/24')
IPv4Network('192.168.100.0/24')
>>> ipaddress.ip_network('2001:db8:abcd:100::/64')
IPv6Network('2001:db8:abcd:100::/64')ip_interface()
引数として渡されたIPアドレスに応じて、IPv4InterfaceオブジェクトまたはIPv6Interfaceオブジェクトを返します。
>>> ipaddress.ip_interface('192.168.100.10/24')
IPv4Interface('192.168.100.10/24')
>>> ipaddress.ip_interface('2001:db8:abcd:100::1/64')
IPv6Interface('2001:db8:abcd:100::1/64')ipaddressモジュールの主なクラス
IPv4Address(address)
このコンストラクタはIPv4アドレスオブジェクトを返します。
有効なIPv4アドレスとして指定できるのは以下の形式です。
- 0〜255の範囲の10進整数4つをドットで区切った文字列(例:192.168.0.1)
- 2進数換算で32ビットに収まる整数
- 長さ4のbytesオブジェクトにパックされた整数(最上位オクテットが先頭)
>>> ipaddress.IPv4Address('192.168.0.1')
IPv4Address('192.168.0.1')
>>> ipaddress.IPv4Address(3162581505)
IPv4Address('188.129.42.1')
>>> ipaddress.IPv4Address(b'\xC0\xA8\x00\x01')
IPv4Address('192.168.0.1')IPv6Address()
IPv6アドレスオブジェクトを構築します。
有効なIPv6アドレスとして指定できるのは以下の形式です。
- 4桁の16進数字からなる8つのグループをコロンで区切った文字列(各グループは16ビットを表す)
- 128ビットに収まる整数
- 長さ16のbytesオブジェクトにパックされた整数(ビッグエンディアン)
>>> ipaddress.IPv6Address('2001:db8::1000')
IPv6Address('2001:db8::1000')
>>> ipaddress.IPv6Address("::abc:7:def")
IPv6Address('::abc:7:def')version属性でバージョンを確認する
version 属性を参照すると、そのアドレスオブジェクトに対応するIPのバージョン番号(4または6)が返されます。
>>> add = ipaddress.IPv4Address('192.168.0.1')
>>> add.version
4
>>> ip = ipaddress.IPv6Address('2001:db8::1000')
>>> ip.version
6このように、ipaddress モジュールを使えば、文字列・整数・バイト列のいずれからでもIPアドレスを簡単に生成でき、ネットワーク計算や検証なども標準ライブラリだけで完結できます。ネットワーク管理ツールやログ解析など、IPアドレスを扱うPythonプログラムにおいて非常に有用なモジュールです。
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