Pythonで行列のすべての行が互いに循環回転の関係にあるかどうかを判定する方法
n×n のサイズを持つ行列が与えられます。各要素には整数や文字などが格納されています。ここでの課題は、行列のすべての行が、その直前の行の循環回転(circular rotation)になっているかどうかを判定することです。なお、最初の行に関しては、最後の行(n 行目)の循環回転であることが条件となります。
たとえば、次のような入力が与えられた場合を考えてみましょう。
| B | A | D | C |
| C | B | A | D |
| D | C | B | A |
| A | D | C | B |
この場合、各行は前の行を1つずつ回転させたものになっているため、出力は True となります。
解法のアプローチ
この問題を解く鍵となるのは、「文字列をそれ自身と連結すると、元の文字列のすべての循環回転パターンが部分文字列として含まれる」という有名なテクニックです。手順は以下の通りです。
- 空の文字列
concatを用意します。 - 0 行目の各要素を、区切り文字「-」とともに
concatへ順に連結していきます。 concatをもう一度自分自身と連結し、長さを2倍にします。- 1 行目以降の各行についても同様に文字列化し、その文字列が
concatの中に含まれているかを確認します。 - 含まれていれば
Trueを返し、1 行でも一致しないものがあればFalseを返します。
なぜ文字列を2倍にするのか?
ある文字列 S を S+S の形にすると、S のあらゆる循環回転が必ずその内部に現れます。これにより、各行を実際に回転させながら逐一比較する必要がなくなり、単純な部分文字列検索だけで判定できるようになります。また、隣接する要素が誤って連結されるのを防ぐため、区切り文字として「-」を挿入しています。
実装例
それでは、実際の実装を見てみましょう。
def solve(matrix):
concat = ''
for i in range(len(matrix)):
concat = concat + '-' + str(matrix[0][i])
concat = concat + concat
for i in range(1, len(matrix)):
curr_row = ''
for j in range(len(matrix[0])):
curr_row = curr_row + '-' + str(matrix[i][j])
if concat.find(curr_row) != -1:
return True
return False
matrix = [['B', 'A', 'D', 'C'],
['C', 'B', 'A', 'D'],
['D', 'C', 'B', 'A'],
['A', 'D', 'C', 'B']]
print(solve(matrix))注意点として、find() メソッドは対象が見つからない場合に -1 を返します。-1 は Python では真と評価されてしまうため、必ず != -1 という形で比較することが重要です。
入力
[['B', 'A', 'D', 'C'], ['C', 'B', 'A', 'D'], ['D', 'C', 'B', 'A'], ['A', 'D', 'C', 'B']]
出力
True
計算量について
文字列の構築には O(n²) の時間がかかり、各行の部分文字列検索も Python の str.find() が採用する効率的なアルゴリズムによって高速に処理されます。使用する補助メモリは、倍長になった文字列と現在処理中の行の文字列のみで、空間計算量は O(n) に抑えられます。
-
Pythonで2つの二分木の全レベルがアナグラムかどうかを判定する方法
問題概要 2つの二分木が与えられたとき、片方の木の各レベルに含まれる値の集合が、もう片方の木の同じレベルの値のアナグラム(並べ替え)になっているかどうかを判定します。すべてのレベルがアナグラムであれば True を、そうでなければ False を返します。 例えば、次のような入力が与えられた場合を考えてみましょう。 この場合、出力は True になります。 解法のアプローチ この問題は、幅優先探索(BFS)を応用して解くことができます。各レベルごとにノードの値を収集し、ソートした上で比較するのがポイントです。手順は以下の通りです。 tree_1 を1つ目の木のルートノード、tree_2 を
-
【Python入門】2つの行列が同一かどうかを判定するプログラムの書き方
この記事では、与えられた2つの行列(マトリックス)が同一であるかどうかを判定するPythonプログラムを紹介します。2つの行列が同一であるためには、次の条件を満たす必要があります。 両行列の行数・列数(次数)が一致していること 対応するすべての要素が等しいこと これらの条件を1つでも満たさない場合、2つの行列は同一とはみなされません。 アルゴリズム 判定の手順は以下の通りです。計算量は O(n²)(n×n行列の場合)となります。 ステップ1: 2つの行列を作成する。 ステップ2: 1つ目の行列と2つ目の行列のすべての要素を走査し、 対応する要素同士を順番に比較する