Ruby・Railsツールの環境設定を高速化し、一貫性を持たせる方法
Railsアプリをいくつか作っていると、自然と自分なりの好みの作業スタイルが固まってくるものです。例えば、Railsコンソールでは常にawesome_printを使いたい、rails newで生成するプロジェクトにはminitestではなくrspecを使いたい、といった具合です。
コマンドを実行するたびにこれらの設定を指定するのは、確かにそれほど大きな手間ではありません。しかし、うっかり忘れてしまうことも多いものです。そして、自分が指示したつもりのことがコンピュータに実行されないときほど腹立たしいものはありません。
$ rails new best_app_ever
^C (ため息...)
$ rm -r best_app_ever
$ rails new best_app_ever --template=my_template
実は、もっと簡単な方法があります。ほんの少しの工夫で、これらのコマンドがあなたの設定を記憶してくれるようになり、いちいち指定する必要がなくなります。
.rcファイルで設定を保存する
多くのRubyツールは、.rcファイルを使って設定を保存できるシンプルな仕組みを備えています。
.rcファイルはホームディレクトリに置かれます。
$ ls ~/.*rc
.bashrc .irbrc .screenrc
.gemrc .railsrc .zshrc
これらのファイルは、gemやirb、railsといったコマンドがあなたの設定を読み込むための場所となります。ここでは、ぜひ活用したい.rcファイルを3つ紹介します。
.irbrc — コンソールを自分好みに
rails consoleを開いたとき、すべてのオブジェクトがデフォルトでawesome_print形式で整形表示されたら便利だと思いませんか。セッションのたびにAwesomePrint.irb!と入力してもよいのですが、~/.irbrcファイルに次の2行を追加しておけば済みます。
require "awesome_print"
AwesomePrint.irb!
次回rails consoleを起動したときから、オブジェクトは自動的に見やすい形式で表示されるようになります。
また、.irbrcは、オブジェクトを操作するときに役立つちょっとした便利メソッドを置いておく場所としても最適です。
require "awesome_print"
AwesomePrint.irb!
# klassのインスタンスメソッドのうち、
# Objectにすでに定義されているものを除外して返す
def m(klass)
klass.public_instance_methods - Object.public_instance_methods
end
~/Source/rcfiles jweiss$ bin/rails c
Loading development environment (Rails 4.1.1)
irb(main):001:0> m ActiveRecord::Base
[
[ 0] [](attr_name) ActiveRecord::Base (ActiveRecord::AttributeMethods) (unbound)
[ 1] []=(attr_name, value) ActiveRecord::Base (ActiveRecord::AttributeMethods) (unbound)
[ 2] _commit_callbacks()
... 約200個以上のメソッド...
このように自分の環境を少しずつカスタマイズしていくと、使っているライブラリが単なる「使う道具」ではなく、自分のものだと感じられるようになります。
.gemrc — gemのインストールを高速化
RubyGemsにも、gemの扱いを便利にするための専用の.rcファイルが用意されています。多くの開発者は、rdocとriのドキュメント生成をスキップしてインストールを大幅に高速化する目的で.gemrcを利用しています。
gem: --no-document
しかし、できることはこれだけではありません。.gemrcで調整できる値は他にもあります。例えば、社内のgemサーバーなどを参照先に追加する:sources:や、エラー発生時に完全なバックトレースを表示する:backtrace:などが便利です。
gem: --no-document
:backtrace: true
:sources:
- https://my.internal.gem.server
- https://rubygems.org
このファイルに設定できるその他の項目については、gem environmentコマンドの公式ドキュメントを参照してください。
.railsrc — rails newのオプションを自動化
Rails 3以降、デフォルトのRailsスタックに依存しないアプリケーションを簡単に生成できるようになりました。例えば、minitestを使わないアプリを作りたい場合(後でrspecを導入したい場合など)は、次のようにするだけです。
$ rails new my_awesome_app --skip-test-unit
また、勤務先に独自のプロジェクトテンプレートがあるケースもあるでしょう。
$ rails new my_awesome_corporate_app --template=https://example.com/my_app_template
一度特定のRailsスタックに慣れてしまうと、新しいプロジェクトでも同じ構成を使いたくなるものです。ところが、アプリを生成するたびにこれらのパラメータを付け忘れてしまうのはよくある失敗です。そこで活躍するのが.railsrcファイルです。よく使うオプションをあらかじめ書いておきましょう。
--template=https://example.com/my_app_template
--database=postgresql
これで、毎回正しいパラメータ付きでrails newを実行できるようになります。さらに、特定のプロジェクトだけ設定を上書きしたい場合は、--no-skip-test-unitのような逆方向のオプションをコマンドラインで指定すれば対応できます。
開発環境を自分好みに仕上げよう
ほんの少し事前に設定を済ませておくだけで、開発環境はぐっと居心地の良いものになります。意図したオプションを付け忘れたままコマンドを実行してしまうストレスもなくなり、正しいオプションを探すためにいちいちドキュメントを漁る必要もなくなります。そして何より、本来一番楽しいコードを書く作業に、すぐに取り掛かれるようになるのです。
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