Rubyのselfキーワードとは?意味と使い方をわかりやすく解説
Rubyを学んでいると、「self」というキーワードの挙動に戸惑うことはありませんか。
どのように動作するのか、そもそもselfとは何なのでしょうか。
selfとは、現在のオブジェクトにアクセスするためのRubyのキーワードです。
この「現在のオブジェクト」が何を指すのかは、コードが置かれているコンテキスト(文脈)によって変わります。
コンテキストとは、その瞬間にコードがどこに存在しているかを指します。
selfの基本:コンテキストによって値が変わる
たとえば、コードがインスタンスメソッドの中にある場合、selfはそのクラスのインスタンス、つまりオブジェクトそのものを指します。
実際にコードを実行して確認してみましょう。
def coffee puts self end coffee # main
このコードはcoffeeメソッドを定義して呼び出し、selfの値を出力します。
なぜ「main」と表示されるのでしょうか。
これはトップレベルオブジェクトの名前だからです。クラスの外側で定義されたメソッドは、すべてこのmainオブジェクトに属します。上記のcoffeeメソッドもその一例です。
一方、Catというクラスの中でメソッドを定義した場合は、selfはCatのオブジェクトになります。
class Cat
def meow
puts self
end
end
Cat.new.meow
# <Cat:0x7a14c5>
これらの例からわかるように、selfの値は使われる場所によって変化します。
さて、何かを深く理解するには、その目的を知るのが一番の近道です。selfにはどのような利点があるのでしょうか。具体的な例を見ていきましょう。
ローカル変数とメソッドの区別にselfを使う
selfの実用的な使い方のひとつは、同名のメソッドとローカル変数を区別することです。
変数とメソッドに同じ名前をつけるのは良い設計とは言えませんが、どうしてもそのような状況で作業しなければならない場合、self.メソッド名と書けばメソッドを明示的に呼び出せます。
class Example
def do_something
banana = "variable"
puts banana
puts self.banana
end
def banana
"method"
end
end
Example.new.do_something
# "variable" => puts banana
# "method" => puts self.banana
この例では、do_somethingメソッド内にbananaというローカル変数があり、同時にbananaというメソッドも定義されています。
Rubyではローカル変数が優先されるため、banana変数の値を出力するのではなく、bananaメソッドを呼び出したい場合にはselfが必要になるのです。
次に、より一般的なユースケースを見てみましょう。それはクラスメソッドの定義です。
クラスメソッドの定義にselfを使う
selfの用途として断トツでよく使われるのが、クラスメソッドの定義です。
def self.メソッド名という形式のメソッド定義を見たことがあるでしょう。
class Salad
def self.buy_olive_oil
# ...
end
end
Salad.buy_olive_oil
ここでのselfは、クラス名であるSaladと同等です。
なぜこれが便利なのでしょうか。
各メソッド定義ごとにクラス名を書かなくて済むため、クラス名を変更したくなったときのコード修正が容易になります。また、コードがすっきりし、可読性も向上します。
そのため、def Salad.buy_olive_oilではなくdef self.buy_olive_oilと書くのが一般的なのです。
selfのその他の使い方
selfにはさらに多くの活用方法があります。慣れておくと非常に役立つ存在です。
たとえば、メソッド内で現在のオブジェクトと別のオブジェクトを比較できます。
def ==(other) self == other end
また、デバッグ目的で「今扱っているオブジェクトが何か」を確認するのにも使えます。
p self
さらに、戻り値としてselfを返せば、ビルダーパターンのようなデザインパターンを実装できます。
class Salad
def initialize
@ingredients = []
end
def add_nuts
@ingredients << :nuts
self
end
end
my_salad = Salad.new.add_nuts
selfの主な使い方まとめ
- クラスメソッドの定義
- 同名のローカル変数があるときにインスタンスメソッドを呼び出す
- selfを返す(ビルダーパターン)
- デバッグ
- オブジェクトの比較(==)
- メソッド呼び出しのデフォルトのレシーバ
selfとitselfの違い
最後に、もうひとつ知っておきたいのがKernel#itselfメソッドです。
これはオブジェクトに対して呼び出すと、そのオブジェクト自身を返すメソッドです。
[1,2,3,nil].select(&:itself) # [1, 2 ,3]
この例では、配列からnilやfalseが取り除かれます。
両者の違いを整理すると:
selfはキーワード。値はどこで使うかによって決まるitselfはメソッド。値はどのオブジェクトに使うかによって決まる(1.itselfなら1が対象のオブジェクト)
参考になれば幸いです。
まとめ
この記事では、Rubyのselfキーワードについて、その正体・便利な理由・具体的な使い方を学びました。
ぜひ実際にコードを書いて試してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!🙂
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