MongoDBで埋め込みドキュメントのみを返すクエリは可能?find()の限界と代替方法を解説
MongoDBで埋め込みドキュメントのみを返すクエリは可能?
結論から言うと、find()クエリでは埋め込みドキュメント(サブドキュメント)のみを単独で返すことはできません。find()メソッドは必ず「ドキュメント単位」で結果を返す仕組みのため、条件に一致した配列要素だけを抜き出して返すという使い方はできないのです。
ただし、条件に合致するドキュメントを含むコレクションのデータを返すことは可能です。ここでは、実際にサンプルコレクションを作成しながら、その挙動を詳しく確認していきましょう。
サンプルコレクションの作成
まず、insertOne()メソッドを使って、埋め込みドキュメントを含むコレクションを作成します。
>db.queryToEmbeddedDocument.insertOne({"UserName":"Larry","PostDetails":[{"UserMessage":"Hello","UserLikes":8},{"UserMessage":"Hi","UserLikes":6},{"UserMessage":"Good Morning","UserLikes":12},{"UserMessage":"Awesome","UserLikes":4}]});
{
"acknowledged" : true,
"insertedId" : ObjectId("5c988a9f330fd0aa0d2fe4bd")
}find()ですべてのドキュメントを表示する
続いて、find()メソッドを使って、コレクション内のすべてのドキュメントを表示してみます。
> db.queryToEmbeddedDocument.find().pretty();
このクエリを実行すると、次のような出力が得られます。
{
"_id" : ObjectId("5c988a9f330fd0aa0d2fe4bd"),
"UserName" : "Larry",
"PostDetails" : [
{
"UserMessage" : "Hello",
"UserLikes" : 8
},
{
"UserMessage" : "Hi",
"UserLikes" : 6
},
{
"UserMessage" : "Good Morning",
"UserLikes" : 12
},
{
"UserMessage" : "Awesome",
"UserLikes" : 4
}
]
}条件を指定してPostDetailsフィールドのみを取得する
次に、射影(projection)を組み合わせ、「UserLikes」が8以上の投稿を含むドキュメントからPostDetailsフィールドだけを返すクエリを実行してみます。
> db.queryToEmbeddedDocument.find({"PostDetails.UserLikes": {$gte: 8}},{PostDetails:1}).pretty();このクエリの出力は次のとおりです。
{
"_id" : ObjectId("5c988a9f330fd0aa0d2fe4bd"),
"PostDetails" : [
{
"UserMessage" : "Hello",
"UserLikes" : 8
},
{
"UserMessage" : "Hi",
"UserLikes" : 6
},
{
"UserMessage" : "Good Morning",
"UserLikes" : 12
},
{
"UserMessage" : "Awesome",
"UserLikes" : 4
}
]
}実行結果から分かること
上記の出力を見てください。本来であれば「UserLikes」が8以上の要素だけを取得したいはずですが、結果には「Hi」(6)や「Awesome」(4)といった条件を満たさない要素まで含んだ配列全体が、そのまま返されてしまっています。
これは、find()のクエリ条件が「どの親ドキュメントを返すか」を判定するものであり、配列内の「どの要素を返すか」までは制御できないためです。射影({PostDetails:1})はあくまでフィールド単位の指定であり、配列要素単位の絞り込みは行えない点に注意が必要です。
代替方法:集計パイプラインの$filterを使う
どうしても条件に一致する埋め込みドキュメントだけを取り出したい場合は、アグリゲーションフレームワークの$filter演算子を利用します。
> db.queryToEmbeddedDocument.aggregate([
... { $match: { "PostDetails.UserLikes": { $gte: 8 } } },
... { $project: {
... UserName: 1,
... PostDetails: {
... $filter: {
... input: "$PostDetails",
... as: "post",
... cond: { $gte: ["$$post.UserLikes", 8] }
... }
... }
... }}
... ]).pretty();このように$filterを使えば、条件を満たす埋め込みドキュメントだけで構成された配列を取得できます。「埋め込みドキュメントだけが欲しい」という要件がある場合は、find()ではなく集計パイプラインを活用するのが効果的です。
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