PHPのコンストラクタとデストラクタの基礎を徹底解説
はじめに
オブジェクト指向プログラミングにおけるコンストラクタとは、クラス内に定義された特殊なメソッドで、オブジェクトが生成されるタイミングで自動的に呼び出されるものです。その主な役割は、オブジェクトの状態やプロパティを初期化することにあります。
PHPでは、__construct という特別な名前を持つメソッドがコンストラクタとして機能します。
基本構文
__construct ([ mixed $args = "" [, $... ]] ) : void
コンストラクタの基本的な例
次の例では、オブジェクトを生成しただけでコンストラクタが自動的に実行されることが確認できます。
サンプルコード
<?php
class myclass{
function __construct(){
echo "object initialized";
}
}
$obj=new myclass();
?>実行結果
object initialized
new myclass() を呼び出した瞬間に「object initialized」が出力されており、明示的にメソッドを呼ばなくてもコンストラクタが動作していることが分かります。
引数を受け取るコンストラクタ
コンストラクタに引数を渡すことで、オブジェクト生成時にクラスのプロパティへ値を設定できます。
サンプルコード
<?php
class rectangle{
var $height;
var $width;
function __construct($arg1, $arg2){
$this->height=$arg1;
$this->width=$arg2;
}
function show(){
echo "Height=$this->height Width=$this->width";
}
}
$obj=new rectangle(10,20);
$obj->show();
?>実行結果
Height=10 Width=20
このように、$this-> を使ってプロパティにアクセスし、引数で受け取った値を代入することで、インスタンスごとに異なる初期状態を持たせることができます。
継承時のコンストラクタの挙動
親クラスにコンストラクタが定義されている場合、子クラスのコンストラクタ内から parent::__construct() を呼び出すことで親の処理を実行できます。
一方、子クラス側でコンストラクタを定義していない場合は、親クラスのコンストラクタがそのまま継承されます。
サンプルコード
<?php
class a{
function __construct(){
echo "this is a constructor of base class\n";
}
}
class b extends a{
function __construct(){
parent::__construct();
echo "this a constructor class b\n";
}
}
class c extends a {
// コンストラクタ未定義
}
$a=new a();
$b=new b();
$c=new c();
?>実行結果
this is a constructor of base class this is a constructor of base class this a constructor class b this is a constructor of base class
結果から以下の挙動が読み取れます。
- クラスa:自身のコンストラクタのみ実行
- クラスb:
parent::__construct()により親のコンストラクタ→子のコンストラクタの順に実行 - クラスc:コンストラクタを定義していないため、親クラスaのコンストラクタが継承・実行される
デストラクタとは
デストラクタは、ガベージコレクタがあるオブジェクトへの参照がすべてなくなったことを検出した時点で、自動的に呼び出されるメソッドです。PHPでは __destruct という名前で定義します。
また、スクリプト終了時のシャットダウンシーケンスでもオブジェクトは破棄されるため、その際にもデストラクタが実行されます。
デストラクタには以下の特徴があります。
- 引数を受け取ることができない
- 戻り値を返すことができない
サンプルコード
<?php
class myclass{
function __construct(){
echo "object is initialized\n";
}
function __destruct(){
echo "object is destroyed\n";
}
}
$obj=new myclass();
?>実行結果
object is initialized object is destroyed
オブジェクト生成時にコンストラクタが出力され、スクリプト終了時にデストラクタが呼び出されていることが確認できます。
まとめ
- コンストラクタ(
__construct)はオブジェクト生成時に自動実行され、初期化処理を担う - 引数を使えばプロパティの初期値を柔軟に設定できる
- 継承時は
parent::__construct()で親のコンストラクタを明示的に呼び出す必要がある - デストラクタ(
__destruct)は参照がなくなったときやスクリプト終了時に自動実行される
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