C#の演算子オーバーロードとは?使い方とサンプルコードをわかりやすく解説
C#における演算子のオーバーロード(Operator Overloading)とは、既存の演算子(+、-、== など)に対して、ユーザー定義型(クラスや構造体)向けの独自の動作を定義できる機能です。オーバーロードされた演算子は、特別な名前を持つ関数として扱われ、operator キーワードの後に定義したい演算子の記号を続けて宣言します。通常の関数と同様に、戻り値の型とパラメータリストも必要です。
オーバーロードできる演算子・できない演算子の一覧
C#では、すべての演算子がオーバーロードできるわけではありません。以下の表に、オーバーロードの可否をまとめました。
| No. | 演算子と説明 |
|---|---|
| 1 | +、-、!、~、++、-- これらは単項演算子です。1つのオペランドを取り、オーバーロードが可能です。 |
| 2 | +、-、*、/、% これらは二項演算子です。2つのオペランドを取り、オーバーロードが可能です。 |
| 3 | ==、!=、<、>、<=、>= 比較演算子はオーバーロードが可能です。なお、 == をオーバーロードする場合は != もセットで定義する必要があります。 |
| 4 | &&、|| 条件論理演算子は直接オーバーロードできません。ただし、 & と |、および true・false 演算子をオーバーロードすることで間接的に利用できます。 |
| 5 | +=、-=、*=、/=、%= 複合代入演算子はオーバーロードできません。対応する二項演算子(+ など)をオーバーロードしていれば、自動的に機能します。 |
| 6 | =、.、?:、->、new、is、sizeof、typeof これらの演算子はオーバーロードできません。 |
演算子のオーバーロードの定義方法
演算子のオーバーロードは、次のように public static 修飾子を付けて定義します。
public static Box operator+(Box b, Box c) { }ポイントは以下の通りです。
- 必ず
public staticとして宣言する - 戻り値の型には、演算の結果として返す型を指定する
- 少なくとも1つのパラメータに、そのクラス自身(または構造体)の型を含める必要がある
サンプルプログラム
以下は、Box クラスに + 演算子をオーバーロードし、2つの箱(Box)オブジェクトを加算して新しい箱を作る例です。
using System;
namespace OperatorOvlApplication {
class Box {
private double length; // 箱の長さ
private double breadth; // 箱の幅
private double height; // 箱の高さ
public double getVolume() {
return length * breadth * height;
}
public void setLength(double len) {
length = len;
}
public void setBreadth(double bre) {
breadth = bre;
}
public void setHeight(double hei) {
height = hei;
}
// 2つのBoxオブジェクトを加算するために+演算子をオーバーロード
public static Box operator+(Box b, Box c) {
Box box = new Box();
box.length = b.length + c.length;
box.breadth = b.breadth + c.breadth;
box.height = b.height + c.height;
return box;
}
}
class Tester {
static void Main(string[] args) {
Box Box1 = new Box(); // Box型の変数Box1を宣言
Box Box2 = new Box(); // Box型の変数Box2を宣言
Box Box3 = new Box(); // Box型の変数Box3を宣言
double volume = 0.0; // 箱の体積を格納する変数
// 箱1の寸法を設定
Box1.setLength(6.0);
Box1.setBreadth(7.0);
Box1.setHeight(5.0);
// 箱2の寸法を設定
Box2.setLength(12.0);
Box2.setBreadth(13.0);
Box2.setHeight(10.0);
// 箱1の体積を表示
volume = Box1.getVolume();
Console.WriteLine("Volume of Box1 : {0}", volume);
// 箱2の体積を表示
volume = Box2.getVolume();
Console.WriteLine("Volume of Box2 : {0}", volume);
// 2つのオブジェクトを+演算子で加算
Box3 = Box1 + Box2;
// 箱3の体積を表示
volume = Box3.getVolume();
Console.WriteLine("Volume of Box3 : {0}", volume);
Console.ReadKey();
}
}
}実行結果
Volume of Box1 : 210 Volume of Box2 : 1560 Volume of Box3 : 5400
まとめ
この例では、Box1 + Box2 という直感的な記述で、各辺の長さを合計した新しい Box オブジェクト(長さ18.0 × 幅20.0 × 高さ15.0)が生成され、その体積5400が出力されました。このように演算子のオーバーロードを活用すると、数値型のような自然な操作を自作クラスに持たせることができ、コードの可読性と表現力が大きく向上します。ただし、演算子の意味から大きく外れた動作を定義するとコードが読みにくくなるため、直感的に理解できる挙動にとどめておくことが重要です。
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